動画制作の内製化に必要な機材とスキルの目安を解説!外注費を下げる進め方や失敗しない注意点は?

動画の外注費が毎月積み上がっているのに、投稿本数も成果も伸びていない。そんな状態で内製化を考え始める経営者は多いです。

ただ、機材にいくらかけるのか、どこまでのスキルが要るのかが見えないまま走ると、途中で止まって外注へ戻ることになります。判断に必要なのは作業手順ではなく、投資の大きさと回収の見通しです。

SNSCHOOLが支援した芦原国際ホテル美松様では、ほぼ0件だったリール投稿が月6〜8件まで増えました。自社で撮って出せる形を作れたことが数字の変化につながっています。

この記事では動画制作の内製化について、機材とスキルの目安、外注との費用の比べ方、進め方の5ステップ、よくある失敗までを経営者の判断材料としてまとめます。

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動画制作の内製化とは?外注との違いと向いている会社

動画制作の内製化で社内に持つ範囲はどこまでか

動画制作の内製化とは、企画から編集までの工程を外注先に預けず社内で回す形を指します。ただし全部を自社で抱える必要はありません。大事なのはどの工程を社内に持つと成果につながるかの線引きです。

動画制作は大きく5つの工程に分かれます。工程ごとに社内でやる意味があるかを見ていくと自社の範囲を判断しやすくなります。

  • 企画・構成:自社の商品やお客様を知らないと作れないので社内向き
  • 撮影:現場や働く社員を撮る場面が多く社内のほうが早い
  • 編集:型が決まれば社内で回るものの最初は時間がかかる
  • 投稿・運用:反応を見ながら出し方を直す作業なので社内向き
  • 分析・改善:次の企画へ直結するため社内に残したい

機材の話より先に決めるのはこの範囲です。表現のこだわりが必要な採用動画や会社紹介だけ外注へ残し、日々出すSNS動画は社内で完結させる会社が増えています。

外注・一部内製・完全内製の3つの形の違い

内製化は全てかゼロかではなく3つの形があります。自社がいまどこにいて次にどこを目指すのかを先に決めると機材選びも人の配置も迷わなくなります。

形

社内で持つ工程

向いているケース

外注

企画の要望を伝えるだけ

本数が少なく品質を最優先したい

一部内製

撮影・投稿・分析を社内で持ち編集は外部

毎週出したいが編集の人手が足りない

完全内製

企画から分析まで全工程

本数が多く修正も自社で回したい

多くの会社にすすめやすいのは一部内製です。撮影と投稿を社内へ移すだけで修正の往復が減り、外注費も下がりやすくなります。慣れてきた段階で編集まで社内へ広げると現場に無理が出ません。

内製化が向いている会社と向かない会社の見分け方

向いているかどうかは機材の予算でなく動画を出す頻度と社内の体制で決まります。次の条件に多く当てはまる会社は、内製化の効果が出やすい状態です。

  • 月に何本も動画を出したいまたは出す必要がある
  • 撮りたい現場や商品が社内にそろっている
  • 担当者に動画の作業時間を割り当てられる
  • 外注への修正指示のやり取りに時間を取られている
  • 社内で公開の判断ができる責任者が決まっている

逆に年に数本のブランド動画が中心なら外注のほうが安く済むケースもあります。担当者が通常業務の片手間でしか動けない会社も、投稿が続かずに止まるので先に体制づくりから入るべきです。

SNS動画と広告動画では内製化の難易度が変わる

同じ動画でも用途によって内製化の難しさは大きく違います。SNS動画はスマホ撮影でも成り立ちますが、広告動画は映像の質が成果に直結するので社内だけで仕上げる負担が大きくなります。

  • SNSのリール・ショート:スマホと無料の編集アプリで始められる
  • 社員紹介・現場紹介:撮影の段取りを整えれば社内で回る
  • 商品の広告動画:構成と映像の質が求められ外注と組むほうが早い
  • セミナー・説明動画:長尺で音声の品質が必要になり機材の費用が増える

最初に内製化するならSNS動画からが入りやすく、撮影と投稿の型を社内に残せます。SNS全体の内製化の進め方はSNS運用を内製化するメリットとは?外注との違い・成功ステップまで徹底解説でまとめているのであわせて読むと自社の線引きが決めやすくなります。

動画制作を内製化するメリットと気をつける点

投稿本数を増やしても費用が増えない状態を作れる

動画制作を内製化していちばん効くのは、本数を増やしても外注費が積み上がらない状態になることです。外注は1本いくらの積算なので、月の本数を倍にすれば支払いもほぼ倍までふくらみます。社内で撮って編集できる体制があれば、本数が増えても追加でかかるのは人の時間だけになります。

  • 1本ごとの制作費がなくなり、月の人件費の中に収まる
  • テストのつもりで本数を増やしても見積もりを取り直さなくていい
  • 短い尺への作り直しや差し替えに追加の費用が発生しない
  • 伸びた型をそのまま複製して本数だけ増やせる
  • 予算が決まっているので投稿計画を本数で組み立てられる

芦原国際ホテル美松様は研修に入る前のリール投稿がほぼ0件でしたが、月6〜8件まで増やせるようになりました。外注のまま同じ本数を保てば費用は上がりますが、社内で回すかぎり予算の形は変わりません。

現場の情報をそのまま動画にできるので鮮度が上がる

もうひとつの効果は、現場で起きたことをその日のうちに動画へできる速さです。外注だと企画の説明から撮影日の調整まで時間がかかり、話題の旬を過ぎてしまいます。社内の人が撮れば、思いついたその場でカメラを向けられます。

  • 工事中の現場や職人の手元の動き
  • 当日の仕込みや季節限定のメニュー
  • お客様から毎日のように出る質問への回答
  • 社員が普段使っている言葉での商品説明

こうした素材は外部の制作会社には用意できません。鳥居建設21様はリール動画の作り方とインサイトの読み方を社内に残し、問い合わせから商談までつなげました。現場を知っている人が撮るほうが、伝わる内容になりやすいという話です。

修正のやり取りが消えて公開までの日数が縮む

外注で動画が出るまでの日数は、作業よりも確認の往復に使われています。構成案を送って戻ってくるまでに数日、初稿の修正指示でまた数日という流れです。内製化するとこの待ち時間がまとめて消えます。

  • 構成案をメールで送って返事を待つ時間
  • 初稿を見てから修正指示を文章にまとめる作業
  • テロップの文字や言い回しを伝え直すやり取り
  • 修正版が再納品されるまでの数日

社内なら編集中の画面を一緒に見ながらその場で直せます。公開日を自分たちで決められるので、キャンペーンや採用の募集に合わせた出し方ができます。

気をつける点は人の時間と品質のばらつき

良い面だけではありません。外注費は下がっても、代わりに担当者の業務時間を使います。撮影と編集に時間を取られて本来の仕事が止まると、結局は高い買い物になります。

  • 誰の業務時間を何時間まで動画に充てるか
  • 撮影と編集を兼任させるか担当を分けるか
  • 公開前の内容確認を誰が受け持つか
  • 伸びなかった動画の振り返りをいつやるか

品質のばらつきは撮り方と編集の型を決めておけば抑えられます。営業ハック様はSNS運用の経験がない状態からTikTokに挑戦し、研修と伴走で社内に進め方を残しました。内製化の判断で見るべきところは機材より体制で、誰がどれだけ時間を出せるかを先に決めるほど失敗が減ります。

動画制作の内製化に必要な機材とスキルの目安

スマホだけで始められる範囲と足りなくなる場面

動画制作の内製化は、いま社内にあるスマホだけで始めて問題ありません。SNSの縦型動画や商品の紹介、社員インタビューは最新のスマホで十分な画質が出ます。最初から数十万円の機材を買うより、まず撮って出す回数を増やすほうが成果に近づきます。

一方で、スマホ1台では苦しくなる場面もはっきりしています。手持ちの撮影で画面が揺れたり、広い会場で声が拾えなかったりすると、内容が良くても最後まで見てもらえません。

  • 広い会議室やイベント会場で話し手の声が遠くなるとき
  • 窓際や夕方の屋外など、明るさが途中で変わる場所で撮るとき
  • 複数の角度から同じ場面を撮って、切り替えながら見せたいとき
  • 商品の細かい質感や文字を寄りで見せたいとき
  • 毎週のように撮影があり、三脚なしでは手間が増えてきたとき

弊社が研修で支援した芦原国際ホテル美松様も、特別な撮影機材をそろえる前に投稿の型を固めました。ほぼ0本だった月間のリール投稿を6〜8本まで増やし、そこから改善を重ねています。

音と光を先に整えると品質が大きく変わる理由

買い足す優先順位の一番目はカメラではなく、マイクと照明です。視聴者は画質の粗さには意外と寛容ですが、聞き取りづらい音声はその場で離脱の理由になります。社内の会議室で撮った動画が素人っぽく見える原因は、ほとんどが反響した音と顔に落ちる影です。

光も同じで、天井の照明だけだと目元に影が出て表情が暗く見えます。顔の正面にひとつ光源を足すだけで、同じカメラでも見え方が変わります。

  • ピンマイク … 話し手の口元に近づけて声を安定させる
  • 指向性マイク … 周囲の雑音を抑えて正面の音だけ拾う
  • リングライトやパネルライト … 顔の影を消して表情を明るくする
  • レフ板や白い壁 … 光を反射させて影をやわらげる

編集ソフトとAIツールにかける費用の考え方

編集ソフトは最初から有料版を契約せず、無料のものから試すのが現実的です。無料ソフトでもカット編集や字幕入れ、BGMの追加までひと通りできます。有料へ切り替える判断は、月の本数が増えて作業時間が目に見えて膨らんできたときで構いません。

AIツールは字幕の自動生成や文字起こし、台本のたたき台づくりで効果が出ます。ただし全部を入れると管理が重くなるので、社内でいちばん時間を食っている工程から1つずつ入れてください。

  • 月に何本作るかを先に決めて、そこから必要な機能を選ぶ
  • 無料版で回らなくなった工程だけ有料へ切り替える
  • 契約は担当者個人でなく会社のアカウントに集約する
  • 半年に一度は使っていないツールを洗い出して解約する

機材をそろえる順番と最初に買わなくていいもの

買う順番を決めておくと、使わない機材が社内に眠る事態を防げます。下の順で足していけば、投稿の本数を落とさずに品質だけを上げられます。

順番

そろえるもの

判断の目安

1

スマホと三脚

いま社内にあるもので始める

2

マイク

声が聞き取りにくい動画が出てきたら

3

照明

屋内の撮影が月の大半を占めるようになったら

4

一眼カメラ

広告や会社案内など、仕上がりを問われる用途が増えたら

逆に最初は買わなくていいものもあります。ジンバルや外部モニター、スタジオ用の背景セットは、撮影の回数が安定してからで遅くありません。機材を先に買っても動画の本数が増えなければ意味がなく、体制づくりでつまずく会社は多いです。陥りやすいパターンはSNS内製化の失敗原因5選|成功する企業との決定的な違いで整理しています。

動画制作の内製化に必要なスキルと社内体制の作り方

企画・撮影・編集のどれを誰が担当するか

内製化でつまずく原因は機材ではなく担当の決め方にあります。企画から編集までを一人に任せると、その人が異動した時点で発信が止まってしまいます。まず工程を分けて、どこを社内で持ちどこを外に出すかを先に決めてください。

  • 企画・構成:何を誰に伝えるかを決める。事業を理解している社員が向く
  • 撮影:現場で素材を撮る。店舗や工場なら現場スタッフが撮るほうが早い
  • 編集:カットとテロップを付けて仕上げる。慣れればもっとも短縮できる工程
  • 分析と改善:数字を見て次の企画へ返す。ここを空けると本数だけが増える

全部を同じ人が担う必要はなく、企画と分析を社内に残して編集だけ外に出す形でも内製化は成り立ちます。鳥居建設21様はリール動画の改善とインサイト分析を担当者が自分で回せる状態にして、問い合わせから商談までつなげました。

担当者に求めるスキルの目安と育成にかかる期間の考え方

求めるスキルは映像の専門知識ではなく、伝えたいことを短くまとめる力と数字を読む力です。編集ソフトの操作は手を動かせば身に付くので、採用の条件に入れる必要はありません。

  • 構成力:15秒から30秒で何を見せるかを文字で書ける
  • 撮影の基礎:明るさと音と手ぶれを気にして撮り直せる
  • 編集の基礎:カット・テロップ・BGMを決まった型に当てはめられる
  • 数字の読み方:保存率や視聴維持率を見て次の企画を変えられる

育成期間は「最初の1本が出るまで」と「型が固まるまで」を分けて見ます。芦原国際ホテル美松様は担当者が不在の状態から始めて、研修期間およそ3ヶ月でSNS経由の宿泊予約につなげました。未経験からの立ち上げでも、半年あれば数字が動くところまで持っていけます。

兼任で回すときの業務量の見積もり方

兼任で回すなら、月にどれだけ時間を出せるかを先に測ってから本数を決めてください。本数から逆算すると必ず足りなくなり、担当者が残業で埋める形になります。

  • 1本あたりの時間を工程ごとに実測する(企画・撮影・編集・投稿)
  • 撮影はまとめ撮りにして移動と準備の時間を分散させる
  • テンプレートを作り、2本目以降の編集時間を半分以下に落とす
  • 月の投稿本数は出せる時間を1本あたりの時間で割って決める

写真中心だった芦原国際ホテル美松様は、リール投稿をほぼゼロから月6〜8本の水準まで引き上げました。はじめから本数を追わず、撮り方と編集の型を固めてから増やす順番が現実的です。

採用・育成・外部研修のどれを選ぶかの判断基準

選び方は予算ではなく「社内に何を残したいか」で決まります。経験者を採るのが早い場面もありますが、その人に全部ひもづくと退職で元へ戻ります。

選択肢

立ち上がりの速さ

社内に残るもの

向いている会社

経験者を採用

速い

採った人のスキルだけ

動画を事業の柱にする会社

独学で育成

遅い

担当者の努力しだい

まず小さく試したい会社

外部研修を入れる

中くらい

型と判断の基準がチームに残る

担当者がいて成果を急ぐ会社

SNS運用が未経験だった営業ハック様は、研修と伴走支援で6ヶ月かけてTikTokの認知を作りました。担当者がいるのに成果が出ていないなら、採用の前に外部研修で型を入れるほうが早く進みます。

動画制作の内製化の進め方5ステップ

目的と評価する指標を先に決める

最初にやるのは機材選びではなく、何のために動画を作るのかを一文で決めることです。目的が決まっていないと本数だけが増えて社内で評価のしようがなくなります。採用の応募を増やすのか商品の理解を進めるのかで、作る動画の長さも見せ方も変わってきます。

目的が決まったら、月ごとに追う数字を3つ以内へ絞ります。数字が多すぎると担当者が何を直せばよいか分からなくなるためです。

  • 目的の一文(例:採用の応募者を増やす)
  • いちばん見る数字(応募数・問い合わせ数・予約数のどれか)
  • 途中の数字(再生数・保存数・プロフィールへの移動)
  • 見る頻度(週1回の確認と月1回の振り返り)
  • 誰が数字を持つか(責任者の名前まで決める)

外注している作業を洗い出して分ける

次に、いま外注している作業を工程ごとに並べて社内でできるものと任せるものへ分けます。動画制作はひとまとまりの仕事ではなく、企画から撮影と編集と投稿まで性質の違う工程が連なっています。全部を抱えると担当者がつぶれるので、社内の強みが出る工程だけを引き取るのが現実的です。

工程

社内に向く理由/外注に向く理由

企画・台本

現場の事情と商品の中身を知っている社内が強い

撮影

日常の様子や社員の表情はその場にいる人しか撮れない

編集(短尺)

型が決まれば担当者でも回せて修正も早い

編集(会社紹介など)

見た目の完成度が問われるので外注が向く

運用・投稿

反応を見ながら直すので社内に置くほうが速い

小さく1本作って社内の反応を確かめる

分け方が決まったら、いきなり本数を追わずにまず1本を社内で作りきります。1本を通すと、どの工程で時間がかかるのか誰の確認で止まるのかがはっきり見えてきます。ここで出た詰まりを直さないまま本数を増やすと、担当者の残業だけが膨らみます。

この最初の1本は社外への反応より、社内で回せるかどうかを確かめる場だと考えてください。実際に営業ハック様は未経験の状態からTikTokに挑戦して、研修と伴走を受けながらフォロワーを11人から4,028人まで伸ばしています。始まりは1本からでも積み上げれば結果につながります。

型とマニュアルにして誰でも回せる形にする

1本が回ったら、その進め方を型として紙に落とします。属人化を防ぐには、台本のひな形と撮影時の決めごとと編集の手順を誰でも読める形へ残すことが近道です。担当者が異動しても止まらない状態を作るのがこの段落の目的です。

  • 台本のひな形(最初の2秒で何を言うかまで決める)
  • 撮影の決めごと(撮る場所・明るさ・音の取り方)
  • 編集の手順書(文字の大きさ・色・入れる順番)
  • 確認の流れ(誰が見て何日で返すか)
  • 投稿後にやること(数字の記録と気づきのメモ)

同じ考え方はSNS運用の内製化でも使えるので、進め方の全体像はSNS運用の内製化を実現する5ステップ|成功事例付きも合わせて読むと整理しやすくなります。

数字を見て改善と外注の使い分けを決める

最後は月1回の振り返りで数字を見て、次に直す1か所を決める流れを続けます。良かった動画と伸びなかった動画を並べると、効いている要素がだいたい見えてきます。鳥居建設21様もリール動画の改善とインサイト分析を社内で身につけて、問い合わせや商談につなげました。

内製と外注はどちらかに寄せる話ではありません。日々の短尺は社内で回し、会社案内や採用の本気の1本は外注へ任せる形が長く続きます。年に数回の大きな動画だけプロへ頼めば、費用を抑えながら質も守れます。

動画制作の内製化でよくある失敗と注意点

機材から買ってしまい使われないまま終わる

内製化でいちばん多い失敗は機材を先にそろえてしまい中身が決まらないまま止まることです。カメラや照明は買えばすぐ届くので、動画の中身を考えるより判断が早く進みます。機材だけが社内に残り誰も触らないという状態はよく起きます。

買う前に決めておくことは次の4つです。

  • 誰に向けた動画かと見てもらう場所(SNS・採用サイト・営業資料)
  • 1か月に何本出すかという本数の目安
  • 撮影から投稿までの担当者と期限
  • いまあるスマホで撮れる範囲とそうでない範囲

芦原国際ホテル美松様は写真中心の発信で内容が似通っていた状態から始めています。ターゲットを決め直してリール動画へ切り替えたことで宿泊予約につながる発信に変わりました。先に決めるのは機材ではなく発信の中身です。

担当者1人に任せて退職とともに止まる

動画がうまい社員へ全部任せると、その人の退職や異動で発信が丸ごと止まります。編集データもアカウントの情報も個人のパソコンに入ったままになりがちです。引き継ぎができず最初からやり直しになる会社は少なくありません。

役割を分けておけば一人が抜けても続きます。分け方の例は次のとおりです。

  • 企画と台本を考える役
  • 撮影する役
  • 編集する役
  • 投稿と数字の確認をする役
  • 公開前に中身を確かめる役

兼任でもかまわないので誰が何を持つかを紙に書いて残します。編集データとテンプレートは共有フォルダへ置き、アカウントの情報は会社で管理する形にしておくと安全です。

完成度を上げすぎて投稿本数が落ちる

社内で作ると細かい直しが増えて、1本にかける時間がどんどん伸びていきます。テロップの色や言い回しの確認を何度も回すと月に数本しか出せません。SNSの動画は反応を見ながら直すほうが早く伸びます。

本数を保つために次のようなルールを先に決めておきます。

  • 使い回せる構成のひな形を作って毎回ゼロから考えない
  • 撮り直しの回数に上限を決める
  • 公開前の確認は最小限の人数で終える
  • 直したいところは次の動画で直す

株式会社営業ハック様はSNS運用が未経験の状態からTikTokの発信を始めています。完璧を目指すより続けることを優先した結果、会社の認知と新しい接点づくりにつながりました。

外注をゼロにしようとして現場が疲弊する

外注費を減らしたい気持ちが強いと全部を社内でやろうとしがちです。通常の仕事を抱えたまま撮影と編集まで背負うと残業が増えて続きません。内製と外注は分けて考えるほうが結果として安く済みます。

外注に残しておくとよいものは次のあたりです。

  • 採用や会社紹介のように長く使う軸の動画
  • ドローンや複数カメラが要る特殊な撮影
  • イベントなど撮り直しができない現場
  • 繁忙期だけ発生する編集の手伝い

判断の軸は本数と鮮度です。毎週出すものや反応を見て直すものは社内でまわし、品質が求められるものは外部へ任せる形が現実的です。

動画制作の内製化で成果が出た企業の事例

ホテル業で自社撮影のリール投稿が増えた事例

芦原国際ホテル美松様は社内で動画を撮って出す形に切り替えて成果を出しました。もともとSNS運用のノウハウがなく担当者もいない状態で、写真中心の発信が続いて内容がマンネリ化していました。

取り組んだのは3C分析でターゲットを決め直すことと、リール動画の中身を作り込むことの2つです。研修期間およそ3か月でSNS経由の宿泊予約47件につながり、月間インプレッションは3.5万人から9.3万人へ伸びました。

数字以上に大きかったのは、投稿そのものが回り始めた点です。

  • 月間のリール投稿がほぼ0本から6〜8本へ増えた
  • フォロワー以外に届く割合が大きく伸びた
  • プロフィールへのアクセスが約2.6倍になった
  • 撮影から投稿までを自社だけで完結できるようになった

外注のままなら月に6〜8本の動画を出すのは費用の面で難しくなります。内製にしたから本数を増やせて、本数が増えたから届く範囲も広がりました。

営業代行業でTikTokの認知が広がった事例

株式会社営業ハック様はSNS運用が未経験の状態からTikTokに取り組みました。研修と伴走支援を受けながら自社で投稿を続け、6か月でフォロワーは11人から4,028人まで増えています。

営業代行は商品が目に見えないため、動画で人柄や考え方を伝える効果が出やすい業種です。社内の人間が話す動画は外注では作りにくく、内製の強みがそのまま数字へ出ました。

2社の取り組みを並べると、業種が違っても進め方の筋道は似ています。

項目

芦原国際ホテル美松様

株式会社営業ハック様

業種

ホテル

営業代行

開始前の状態

担当者不在で写真中心の発信

SNS運用の経験なし

主な取り組み

ターゲットの見直しとリール強化

TikTokへの集中と継続投稿

得られた成果

SNS経由の宿泊予約と閲覧数の増加

フォロワーと企業認知の拡大

事例から読み取れる共通点は型づくりと継続

どちらも最初に機材をそろえたわけではありません。先に誰へ何を伝えるかを決めて、そこから動画の型を作った点が共通しています。

型が決まると撮影と編集の判断に迷わなくなり、社内の担当者でも短い時間で1本を仕上げられます。続けられる仕組みができたから投稿本数が増えて、その積み重ねが数字へつながりました。

自社で再現するときに押さえたいところを整理します。

  • 伝える相手と内容を先に決めてから撮影に入る
  • うまくいった動画の構成をそのまま次へ使い回す
  • 数字を見る日を月の中で決めて振り返る
  • うまくいかない期間があっても投稿を止めない

成果が出るまでには数か月かかっています。最初の1〜2か月で判断せず、型を直しながら続ける前提で始めるのが近道です。

まとめ:動画制作の内製化は機材より体制づくりから始める

経営者が最初に決めるべき3つのこと

内製化の成否を分けるのはカメラの性能ではなく最初の決めごとです。機材を買う前に経営側が方針を示すと現場の迷いが消えて動き出しが早くなります。

  • 目的を一つに絞る(採用・集客・商談のどれを動画で伸ばすか)
  • 担当者の業務時間のうち動画に充てる割合を決めて他の仕事を減らす
  • 社内で作る範囲と外に出す範囲の線引きを先に文書へ残す
  • três か月ほど成果が出ない期間を許す判断基準を共有しておく

この3つが決まっていない会社ほど撮影が止まりやすく機材だけが棚に残ります。逆に方針が明確なら手持ちのスマートフォンでも投稿は回り始めます。

外注と内製を組み合わせる現実的な落としどころ

すべてを社内へ抱え込む必要はありません。量を出す日常の動画は内製にして、作り込みが必要な会社紹介や商品紹介は外注へ残す形が続けやすいです。

  • 日常のショート動画や現場の様子は社内で撮って社内で編集する
  • 採用サイトやブランド広告の動画は外部のプロへ任せる
  • 企画と分析は社内に残して改善の判断を自社で持つ
  • 外注先へ出す素材の撮影だけ社内で担うとコストが下がる

芦原国際ホテル美松様は写真中心の発信からリール動画へ切り替えて宿泊予約につなげました。鳥居建設21様も社内で改善を回す形に変えて問い合わせを増やしています。機材より先に体制を整えることが内製化の近道です。

よくある質問

Q1. 動画制作の内製化にかかる初期費用はどのくらいですか?

A. 最初はスマホと無料の編集ツールでも始められます。音と光まわりから少しずつ足していく形が現実的で、いきなり撮影機材一式をそろえる必要はありません。何本作るのかを決めてから必要なものを判断してください。

Q2. 動画編集の経験者がいなくても内製化できますか?

A. できます。SNSの短い動画は型を決めてしまえば未経験からでも回せます。ただし企画を考える人が社内にいないと続かないため、編集スキルより先に誰が中身を決めるのかを固めることが大切です。

Q3. 内製化すると外注は完全にやめるべきですか?

A. やめる必要はありません。日々の投稿は社内で作り、採用動画や会社紹介のように品質を求められるものは外注に残す形が多いです。全部を抱え込むと担当者の負担が増えて止まります。

Q4. 内製化した動画で成果が出るまでどのくらいかかりますか?

A. 本数を出せる体制ができてから数字が動き始めます。支援先では自社撮影のリールを継続して出せるようになったあとに表示回数が伸びました。最初の数本で判断せず、継続できる形かどうかを見てください。

Q5. 担当者が辞めたら内製化は振り出しに戻りますか?

A. マニュアルと撮影の型が残っていれば引き継げます。逆に個人の感覚だけで回していると止まるため、企画の決め方と編集の手順を文書に残すことを内製化の条件にしてください。

SNSを自社で運用し、売上や採用につなげた10社の取り組みを、無料の資料にまとめています。自社なら何から始めればいいかを具体的に掴みたい方は、ぜひご請求ください。進め方を直接相談したい場合は、30分の無料相談もあわせてご利用いただけます。
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