SNS運用の内製化を実現する5ステップ|成功事例付き

更新日:2026.02.10

SNS運用の内製化を5つのステップで解説。戦略設計から体制構築、PDCA運用まで、中小企業が自走できる仕組みの作り方を事例とともに紹介します。内製化の進め方に悩む担当者・決裁者の方はぜひご覧ください。

「SNS運用を外注しているけれど、そろそろ自社でできるようにしたい」「内製化に興味はあるけれど、何から始めればいいか分からない」——こうしたモヤモヤを抱えている方、多いんです。

SNS運用の内製化とは、外部の代行会社に任せていた投稿作成・分析・改善といった業務を、自社のチームで完結できる体制に移行することを指します。近年、国内ソーシャルメディアマーケティング市場は拡大を続けており、2024年には1兆2,038億円(前年比113%)に達する見通しです(参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000013256.html )。一方で、支援事業者への依頼を続ける企業と、インハウス化(社内運用化)を進める企業との二極化が進んでいるとも指摘されています。

つまり、「外注か内製か」の判断を先送りにできる時期はもう過ぎつつあるんですよね。

この記事では、SNS運用の内製化を検討している中小企業の決裁者・担当者の方に向けて、内製化のメリット・デメリットと具体的な5つのステップ、そして実際に成功した企業の事例を一つひとつ整理していきます。「ウチでもできるかも」と思えるきっかけになれば嬉しいです。

SNS運用の内製化とは?外注との違いは何?

SNS運用の内製化とは、投稿の企画・作成・分析・改善といったSNS運用業務を、外部の代行会社ではなく自社のメンバーで担える体制を構築することです。

「SNS運用は専門の会社に任せるもの」というイメージを持っている方もいるかもしれません。でも実は、企業のSNSマーケティング運用に関する調査では「自社で内製」が58%、「一部外注」が34.8%、「全て外注」が7.2%という結果が出ています(参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000041566.html )。すでに過半数の企業が、何らかの形で内製化に取り組んでいるんですよね。

ただし、内製化は「外注をやめること」ではありません。自社にノウハウと判断力を蓄え、運用の主導権を社内に持ってくることが本質です。外注していた業務をすべて一気に引き取るのではなく、段階的に移行していくのが現実的な進め方です。

SNS運用における完全外注・一部外注・完全内製化の特徴をコスト・スピード・ノウハウ蓄積・柔軟性・立ち上げ負荷の5つの観点で比較した表

内製化が注目される背景にはどんな市場変化がある?

SNSマーケティング市場の急成長と、企業ごとの運用方針の二極化が背景にあります。

国内ソーシャルメディアマーケティング市場は2024年に1兆2,038億円規模に達する見通しで、前年比113%の成長が続いています(参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000013256.html )。市場が拡大するなかで、支援事業者に依頼し続ける企業と、自社で運用体制を整えるインハウス化を進める企業とに分かれつつあるのが現状です。

この二極化の背景には、いくつかの要因があります。まず、SNSのアルゴリズムは頻繁にアップデートされるため、外部に任せきりだとスピード感のある対応が難しくなります。また、ユーザーとのコミュニケーションでは、自社の商品やサービスを深く理解した担当者が対応したほうが、やりとりの質が高まります。さらに、外注費を社内人材の育成に振り替えることで、中長期的にはコスト効率が改善するケースも少なくありません。

こうした理由から、「自分たちで運用できる力を持ちたい」と考える企業が増えているわけです。

外注と内製化、それぞれどんな企業に向いている?

自社の現状リソースと運用目的によって、最適な選択肢は異なります。

外注が向いているのは、SNS運用に割ける社内リソースがほとんどない場合や、短期間でキャンペーンを実施したい場合です。専門チームのスキルをすぐに活用できるため、立ち上がりの速さが強みになります。

一方で、内製化が向いているのは、自社のブランドや商品を深く理解した発信を続けたい企業や、中長期的にSNSを経営の柱の一つとして育てていきたい企業です。ノウハウが社内に蓄積されるため、担当者が変わっても運用を継続しやすくなります。

外注と内製化の違いやそれぞれの特徴については、SNS運用は外注と内製化どちらを選ぶべき?で詳しく解説しています。

そして、実は多くの企業にとって現実的なのが「ハイブリッド型」です。戦略設計や分析のサポートは外部の専門家に頼りつつ、日々の投稿や顧客対応は社内で行う形ですね。私たちSNSCHOOLが支援しているケースでも、最初はハイブリッド型からスタートし、ステップを踏んで完全内製化へ移行する企業が多いです。

大切なのは「外注か内製か」の二択で悩むことではなく、自社にとってベストな移行の道筋を描くことだと思います。

SNS運用を内製化するメリット・デメリットは?

内製化には「ノウハウの蓄積」「コスト最適化」「スピード向上」といったメリットがある一方、「人材確保」「品質の安定」などの課題もあります。

内製化を検討するうえで、良い面だけを見て判断するのはリスクがあります。メリットとデメリットの両方を正しく理解したうえで、自社にとって現実的な進め方を考えることが大切です。

内製化で得られる3つのメリットとは?

大きく分けると「ノウハウの社内蓄積」「コストの最適化」「発信スピードと柔軟性の向上」の3つです。

ノウハウが社内に蓄積される

外注の場合、運用のノウハウは代行会社側に残ります。契約を終了した途端に「何をどう投稿すればいいか分からない」という状態に戻ってしまうケースは珍しくありません。内製化すれば、成功・失敗の両方の知見がチーム内に積み上がっていきます。担当者が異動しても、マニュアルやナレッジが残っていれば運用を引き継げる点は大きな強みです。

中長期的なコストの最適化

SNS運用代行の費用は、月額数十万円から数百万円に及ぶこともあります。内製化に移行すれば、その費用を社内人材の育成やコンテンツ制作に充てられます。もちろん初期の教育コストはかかりますが、運用が軌道に乗れば月々の外注費を大幅に抑えられる傾向があります。

発信のスピードと柔軟性が上がる

外注だと、投稿内容の確認や修正に数日かかることもあります。内製化すれば、トレンドや季節のイベントに素早く反応した投稿が可能になります。お客様からのコメントや問い合わせにも、商品やサービスを熟知した担当者がリアルタイムで対応できるようになりますよ。

内製化のメリットについてさらに詳しく知りたい方は、SNS運用を内製化するメリットとは?外注との違い・成功ステップまで徹底解説も参考になります。

外注と比較した際のメリット・デメリットをさらに詳しく知りたい方は、外注と内製化の比較記事もあわせてご覧ください。

内製化で注意すべきデメリット・リスクは?

「人材の確保と育成」「品質の安定」「担当者の業務負荷」の3点が、内製化で特に注意すべきポイントです。

SNS運用を担える人材の確保と育成にコストがかかる

SNS運用には、企画力・文章力・デザインスキル・データ分析力など、複合的なスキルが求められます。未経験者をゼロから育てる場合、一定の学習期間と教育体制が必要です。私の経験上、各SNSプラットフォームの仕組み理解に約4時間、実践的なノウハウ習得に約6時間、計10時間ほどの集中学習が自走への一つの目安になります。

投稿の品質にバラつきが出やすい

代行会社はSNS運用のプロなので、一定のクオリティが担保されています。内製化の初期段階では、投稿のトーンやビジュアルの質が安定しないことがあります。この課題を防ぐためには、投稿テンプレートやトーン&マナーのガイドラインを事前に整備しておくことが有効です。

担当者への業務負荷の集中

特に中小企業では、SNS担当者が他の業務と兼務しているケースがほとんどです。「SNS運用は空いた時間にやる」という位置づけのままだと、投稿が途切れたり、分析が後回しになったりします。内製化を進める際は、SNS運用を「業務の一部」として正式にスケジュールに組み込む必要があります。

一方、代行を選んだ場合の注意点については、SNS運用代行のデメリットとは?委託のメリットや会社の選び方などを解説!で詳しくまとめています。

こうしたデメリットは、正しいステップを踏んで準備すれば十分にカバーできるものです。次のセクションでは、内製化を始める前に整えておきたい準備について解説していきますね。

内製化を始める前に何を準備すればいい?

「運用目的とターゲットの言語化」と「社内体制・リソース配分の設計」の2つを事前に整えておくことが重要です。

内製化というと「投稿の作り方を覚えること」から始めたくなりますよね。気持ちはすごく分かります。でも、私がこれまで多くの企業を支援してきた経験から言えるのは、投稿スキルよりも先に「土台づくり」を済ませた企業ほど、内製化がスムーズに進むということです。

運用目的とターゲットの言語化はなぜ重要?

目的とターゲットが曖昧なままだと、投稿のたびに「何を発信すればいいのか」で迷い、運用が止まる原因になるからです。

SNS運用の内製化で最初に取り組むべきは、「誰に(WHO)」「何を(WHAT)」「どのように(HOW)」届けるかを言語化することです。これは、Meta社のビジネスガイドでも「ビジネス目標の設定」と「ターゲットオーディエンスの定義」が運用の最初のステップとして解説されています(参照:https://www.facebook.com/business/ )。

たとえば「Instagram運用を頑張る」という方針だけでは、担当者は何を投稿すればいいか判断できません。「30代の共働き世帯に向けて、時短リフォームの事例を月12本発信し、月5件の問い合わせにつなげる」というレベルまで具体化することで、投稿のテーマ選びや優先順位が明確になります。

ここで大切なのが「ペルソナ設定」です。ペルソナとは、自社の理想的な顧客像を年齢・職業・悩み・情報収集の方法などを含めて具体的に描いたものです。簡単に言えば「この人に届けたい」という一人の人物像ですね。ペルソナがあることで、チーム内で「この投稿はターゲットに刺さるか?」という判断基準が共有できるようになります。

目的とターゲットの言語化は、一見すると地味な作業に感じるかもしれません。でも、この工程を丁寧に行うことが、後々の運用のブレを防ぐ最大のポイントです。

社内体制とリソース配分はどう設計する?

担当者の選定、業務範囲の明確化、そしてSNS運用を「正式な業務」として位置づけることが設計のポイントです。

内製化で陥りがちなのが、「SNSが得意そうな若手に任せる」というパターンです。個人的にSNSを使いこなしている人が、企業アカウントの運用でも成果を出せるとは限りません。むしろ重要なのは、自社の商品やサービスへの理解が深く、社内の情報を集めやすいポジションにいることです。

体制設計で押さえておきたいポイントは3つあります。

役割分担の明確化

企画・撮影・投稿作成・コメント対応・データ分析など、SNS運用に関わる業務は多岐にわたります。1人にすべてを任せるのではなく、「誰が何を担当するか」を明文化しておくと、業務の抜け漏れや属人化を防げます。

業務時間の確保

SNS運用を「空いた時間にやること」のままにしておくと、他の業務が忙しくなった途端に投稿が途絶えます。週に何時間をSNS運用に充てるかをあらかじめ決め、業務スケジュールに正式に組み込むことが継続のコツです。

承認フローの設計

企業アカウントの投稿には、情報の正確性やブランドイメージの観点からチェック体制が必要です。ただし、承認に何日もかかるフローだと、SNSの即時性というメリットが失われてしまいます。「通常投稿は担当者の判断で即日公開、キャンペーン投稿は上長確認を経て公開」といったように、投稿の種類ごとに承認ルールを分けると、スピードと品質のバランスがとれます。

最初から完璧な体制を目指す必要はありません。まずは最小限の人数と役割でスタートし、運用しながら調整していく。そのほうが、現場に合った体制が自然とできあがっていきます。

体制づくりの具体的な方法については、企業SNS運用体制の作り方|成果を出す組織づくりと生産性向上のコツでさらに詳しく解説しています。

SNS運用を内製化する5つのステップとは?

「戦略設計→強みの可視化→ルール整備→業務フローへの組み込み→データ分析によるPDCA」の5ステップで、内製化は実現できます。

「ステップが多くて大変そう」と感じるかもしれませんが、最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。一つずつ順番に積み上げていけば、着実に自走できる体制が出来上がっていきます。まずは全体像を把握するところから始めましょう。

SNS運用の内製化を実現するための5ステップを示したフロー図。戦略設計から始まりデータ分析・PDCAによる自走化までの流れを矢印で表現

ステップ1:運用目的とペルソナを設計する

内製化の出発点は、「誰に、何を、どのように届けるか」を明確にすることです。

前のセクションでも触れましたが、ここではさらに実務レベルまで落とし込んでいきます。具体的には、以下の3つを言語化してください。

「誰に(WHO)」 ——ペルソナを設定します。年齢・職業・抱えている悩み・よく使うSNSプラットフォームなどを具体的に描きましょう。「30代の共働き世帯で、休日にリフォーム情報をInstagramで検索する人」くらいの解像度があると理想的です。

「何を(WHAT)」 ——ペルソナが求めている情報を整理します。自社が伝えたいことではなく、ターゲットが知りたいことを起点にするのがポイントです。

「どのように(HOW)」 ——発信するプラットフォーム、投稿の形式(画像・動画・テキスト)、投稿頻度を決めます。Meta社の公式ガイドでも、ビジネス目標の設定とターゲットオーディエンスの定義が運用の基本ステップとして位置づけられています(参照:https://www.facebook.com/business/ )。

この3つが揃えば、投稿のたびに「何を書けばいいか分からない」と迷うことがなくなります。

ステップ2:競合分析で自社の強みを可視化する

次に取り組むのは、競合アカウントを分析して「自社がどこで差別化できるか」を明らかにすることです。

SNSでは、ユーザーが「このアカウントをフォローする明確な理由」がなければ、投稿は埋もれてしまいます。競合と同じような情報を発信しても、すでにフォロワーの多いアカウントに流れてしまうのが現実です。

おすすめの方法は「戦略キャンバス」の活用です。同業種の競合アカウント3〜5つをピックアップし、「投稿頻度」「コンテンツの種類」「ビジュアルの質」「フォロワーとの交流」「専門性」といった軸でそれぞれの特徴をマッピングします。すると、競合が力を入れていない領域——つまり自社が勝負できるポイントが見えてきます。

たとえば、競合がビジュアル重視の施工事例ばかり発信しているなら、自社はリフォームのビフォーアフターに加えて「お客様の暮らしの変化」にフォーカスしたストーリー型のコンテンツで差別化する、といった具合です。

この分析は最初に一度やって終わりではなく、3ヶ月に1回程度は見直すと効果的ですよ。

ステップ3:運用ルール・テンプレートを整備する

投稿の品質を安定させ、属人化を防ぐために、運用ルールとテンプレートを事前に整備します。

内製化の初期段階で投稿の質にバラつきが出やすいのは、H2②でもお伝えしたとおりです。この課題を解決するのが、「誰が書いても一定のクオリティを保てる仕組み」をつくることです。

具体的には、以下の3つを準備しましょう。

トーン&マナーガイドライン: 投稿の文体、言葉遣い、絵文字の使い方、NGワードなどをまとめたものです。「ですます調で統一」「煽り表現は使わない」「専門用語には必ず補足をつける」といった基準を明文化します。

投稿テンプレート: 投稿文の「型」をあらかじめ用意しておくことで、作成にかかる時間を大幅に短縮できます。たとえば「課題提起→解決策→自社の取り組み→CTA(行動喚起)」という構成を基本テンプレートにすると、内容を入れ替えるだけで投稿が完成します。

返信・コメント対応マニュアル: ポジティブなコメント、質問、クレームなど、想定されるパターンごとに返信の基本方針を決めておきます。これがあるだけで、担当者の心理的負担がかなり軽くなります。

TikTok for Business公式でも、トレンドを活かした動画構成のテンプレート化が、継続的な運用のベストプラクティスとして紹介されています(参照:https://ads.tiktok.com/business/en/blog/tiktok-creative-ultimate-guide )。

ステップ4:投稿を業務フローに組み込む

SNS運用を「空いた時間にやるタスク」から「業務スケジュールに組み込まれた正式な業務」へ昇格させます。

ここが、内製化が継続するかどうかの分かれ目です。どれだけ戦略やルールを整えても、投稿作業が後回しにされてしまっては意味がありません。

効果的な方法は、曜日ごとに投稿カテゴリーを固定するルーティン化です。たとえば「月曜:お客様の声」「水曜:ノウハウ発信」「金曜:社内の日常」といった具合に、曜日とテーマを紐づけておきます。こうすることで「今日は何を投稿しよう」と悩む時間がなくなり、コンテンツカレンダー(投稿スケジュール表)の作成もスムーズになります。

あわせて、月単位のコンテンツカレンダーを作成し、チーム全体で共有する運用がおすすめです。Googleスプレッドシートやプロジェクト管理ツールを使えば、投稿の進捗状況や承認ステータスを一目で確認できます。

もう1つ大切なのが、投稿作成の「バッチ処理」です。毎日1投稿ずつ作るのではなく、週に1回まとめて3〜5投稿分を作成する時間をスケジュールに確保します。まとめて作業するほうが集中力が維持でき、効率も上がります。

ステップ5:データ分析とPDCAで自走体制を確立する

最後のステップは、投稿のデータを分析し、改善を繰り返す「PDCA(計画→実行→検証→改善)サイクル」を回せる体制をつくることです。

「投稿して終わり」ではなく、数値を見て改善できるようになって初めて「自走できる状態」と言えます。ただ、分析と聞くと「数字が苦手で…」と身構えてしまう方もいますよね。安心してください。最初から複雑な分析は必要ありません。

まず押さえるべきは、**「成功のファネル」**という考え方です。SNS運用では、インプレッション(表示回数)の約10%がプロフィール訪問につながり、そのうち約3%がフォローにつながるという歩留まりの目安があります。この指標を基準に、自社アカウントの現状(AS IS)と目標(TO BE)を数値で対比させると、「どの段階にボトルネックがあるのか」が論理的に見えてきます。

たとえば、インプレッションは十分なのにプロフィール訪問が少ない場合は、投稿内容の訴求力やキャプションの書き方に改善の余地がありそうだ、と判断できるわけです。

分析の頻度は、週次で簡易レビュー、月次で詳細レポートを作成するサイクルが実践的です。各SNSプラットフォームの無料分析ツール(Instagramインサイト、X(旧Twitter)アナリティクスなど)を活用すれば、追加コストなしで十分なデータが取得できます。

このステップまで到達すれば、外部の支援がなくても自社の判断で運用を改善し続けられる状態——つまり「内製化の完成」です。

Instagramインサイトの見方や分析手法については、Instagramのインサイトとは?分析方法についてプロが解説で具体的に解説しています。

SNS内製化に成功した企業はどう進めた?【3社の事例】

ここでは、実際にSNS運用の内製化に取り組み、成果を出した3社の事例をご紹介します。

「ステップは分かったけれど、本当にウチでもできるの?」と感じている方もいると思います。業界も規模も課題もバラバラな3社の事例を見ていただくと、「この会社の進め方なら参考にできそう」というヒントが見つかるはずです。

27アカウントの統一に成功したGXA様の事例

組織全体でのルール明文化と教育を内製化のステップに組み込むことで、27アカウントのトーン&マナー統一を実現しました。

業界/規模:教育・スポーツ(株式会社GXA様)/中堅企業

課題:グループ全体で27個のSNSアカウントが存在し、各施設が個別に運用していたため、投稿内容やブランドイメージにバラつきがあった。

施策:3ヶ月で合計10回のSNS研修を実施。並行して、運用ルールや返信方法、プロフィールの統一基準を網羅した「自律型運用マニュアル」を策定した。

成果:組織全体でのトーン&マナーが統一され、投稿管理の効率化と担当者の心理的負担軽減を実現した。

GXA様の事例でポイントになるのは、「マニュアルをつくって終わり」にしなかったことです。研修とマニュアル整備を同時に進めたことで、ルールの「理解」と「実践」がセットで浸透しました。先ほどのステップ3でお伝えした「運用ルール・テンプレートの整備」がなぜ大切なのか、この事例を見るとよく分かりますよね。

複数アカウントを抱える組織でも、仕組みと教育を正しいステップで進めれば、統一感のある内製化体制は構築できます。

SNS未経験の担当者が初月から成果を出したひむか総合商社様の事例

SNSをプライベートでも使ったことのない60代の担当者が、仕組みの理解と戦略設計を丁寧に踏むことで、初月から安定した運用をスタートできました。

業界/規模:住宅改修・サービス(ひむか総合商社株式会社様)/中小企業

課題:60代の営業担当者が1名で運用を任されたが、SNSをプライベートでも使ったことがなく、全くのゼロからのスタートだった。

施策:Instagramのアルゴリズムや編集ツールの基礎を学習。同時に、運用目的の明確化と詳細なペルソナ設定を行い、発信の軸を固める戦略策定を重視した。

成果:運用開始初月から13投稿を達成し、月間800リーチ超を記録するスムーズな立ち上げに成功した。

この事例で注目していただきたいのは、「まずSNSの仕組みを理解する」という学習ステップをしっかり踏んだ点です。いきなり投稿を始めるのではなく、プラットフォームのアルゴリズムや基本操作を学んだうえで、戦略を設計してから実践に移りました。ステップ1の「運用目的とペルソナの設計」がいかに重要かを示す好例です。

「SNS未経験だから内製化は無理」と思い込む必要はありません。正しい順番で取り組めば、年齢や経験に関係なく自走できる状態をつくれます。

最小工数で問い合わせ獲得に成功した森設計様の事例

投稿の「型化」と「カテゴリー化」を取り入れることで、月間稼働40時間という限られたリソースでもInstagramから月3件の問い合わせを獲得しました。

業界/規模:建築業(株式会社森設計様)/中小企業

課題:専門知識をどう発信するかに悩み、1名の担当者が投稿作成に多大な時間を費やしていた。

施策:自社の強みを分析し、ターゲットに刺さる「投稿の型(テンプレート)」を作成。曜日ごとに投稿カテゴリーを固定する運用フローを構築した。

成果:月間稼働40時間という限られたリソースで、Instagramから月3件の問い合わせ獲得に成功した。

森設計様のケースは、ステップ3の「テンプレート整備」とステップ4の「業務フローへの組み込み」を忠実に実践した例です。投稿のたびにゼロから考えるのではなく、「型」に沿ってコンテンツを作成する仕組みにしたことで、作業時間を大幅に削減できました。

中小企業の場合、SNS運用に割ける時間はどうしても限られます。だからこそ、「少ない工数で最大の成果を出す仕組み」をステップの中で整えることが大切なんです。

3社に共通しているのは、いきなり投稿を始めるのではなく、「戦略→仕組み→実行→改善」というステップを着実に踏んでいることです。業界や規模が違っても、内製化の成功パターンには再現性があります。


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SNS運用の内製化を成功させるコツは?

「属人化を防ぐ仕組み化」と「データに基づく改善サイクルの構築」が、内製化を長く続けるための2大ポイントです。

ステップを踏んで内製化をスタートできたとしても、継続できなければ意味がありません。私がこれまで支援してきた企業の中でも、「最初の数ヶ月は頑張れたけれど、だんだん更新が止まってしまった」というケースは少なくありませんでした。そうならないために押さえておきたいコツを、2つの観点から整理していきますね。

属人化を防ぐ「仕組み化」のポイントは?

運用が特定の担当者に依存しない体制をつくることが、内製化を持続させる最大のポイントです。

内製化の現場でよくあるのが、「あの人がいないと投稿できない」という状態です。担当者が休んだり異動したりした途端に運用が止まってしまうのは、仕組み化が不十分なサインです。

仕組み化で特に効果的なのは、次の3つの取り組みです。

投稿の「型」を資産として残す

ステップ3で作成したテンプレートを、実際の運用を通じてブラッシュアップしていきましょう。「このテンプレートで作った投稿はエンゲージメントが高い」という実績データとセットで蓄積すれば、テンプレートそのものがチームの資産になります。

ナレッジの共有ルールを決める

「この投稿はなぜ反応が良かったのか」「この表現は避けたほうがいい」といった気づきを、週次のミーティングや共有ドキュメントで記録する習慣をつくります。暗黙知を形式知に変えていく作業ですね。簡単に言えば、「個人の頭の中にあるコツを、チーム全員が見える場所に書き出す」ということです。

引き継ぎを前提とした運用設計

担当者が変わることを最初から想定し、運用マニュアルやアカウントの管理情報を一箇所にまとめておきます。GXA様の事例でもお伝えしたとおり、「自律型運用マニュアル」があれば、新しい担当者が着任してもスムーズに運用を引き継げます。

属人化の解消は一朝一夕にはいきませんが、日々の運用の中で少しずつ仕組みに落とし込んでいくことが大切です。

データ分析で改善を回すにはどうすればいい?

まずは「見るべき指標」を3つに絞り、週次・月次のサイクルで振り返る習慣をつくることから始めましょう。

「分析が大事なのは分かるけれど、何を見ればいいか分からない」という声はクライアントからもよく聞きます。最初からすべての数値を追おうとすると、かえって何も改善できなくなってしまいます。

おすすめは、「成功のファネル」の3指標に集中することです。

SNS運用におけるインプレッションからフォローまでの歩留まり指標と、現状と目標を対比してボトルネックを改善するサイクルを示したファネル図

この3つの数値を毎週チェックするだけで、改善の方向性が見えてきます。具体的な分析の進め方を整理しますね。

週次レビュー(15分程度): 直近1週間の投稿ごとのインプレッション、プロフィール訪問数、フォロワー増減を確認します。「どの投稿が伸びたか」「どの投稿が反応が薄かったか」をざっくり把握するだけで十分です。

月次レポート(30〜60分程度): 月全体のファネル数値をAS IS(現状)として記録し、TO BE(目標)との差分を確認します。たとえば「インプレッションは目標の80%だが、プロフィール訪問率は目標を超えている」という場合、リーチを増やすための施策——投稿頻度の見直しやハッシュタグの最適化——に注力すべきだと判断できます。

四半期振り返り(年4回): 3ヶ月分のデータを俯瞰し、運用方針そのものを見直します。ペルソナの再検証や、競合アカウントとの比較分析もこのタイミングで行うと効果的です。

数字が苦手な方でも、「見る指標を絞る」「決まったタイミングで見る」というルールさえ決めてしまえば、分析は決して難しくありません。大切なのは、完璧な分析をすることではなく、小さな改善を積み重ねるサイクルを回し続けることです。

よくある質問

内製化にはどのくらいの期間がかかる?

目安として、3ヶ月〜6ヶ月で基本的な自走体制が整うケースが多いです。

ただし、この期間はスタート時点のSNS運用経験や、社内で確保できるリソースによって変わります。私の経験上、各SNSプラットフォームの仕組み理解に約4時間、実践ノウハウの習得に約6時間、計10時間の集中学習が自走への基準になります。この学習を終えたうえで、ステップ1〜3の準備に1ヶ月、ステップ4〜5の実践と改善に2〜3ヶ月を見込んでおくと、無理のないスケジュールが組めます。焦って一気に進めるよりも、各ステップを着実に踏んでいくほうが結果的に近道ですよ。

担当者がSNS未経験でも内製化できる?

はい、未経験からでも内製化は十分に可能です。

事例セクションでご紹介したひむか総合商社様のケースでは、SNSをプライベートでも使ったことのない60代の担当者が、初月から13投稿・月間800リーチ超を達成しています。成功のポイントは、いきなり投稿を始めるのではなく、プラットフォームの仕組み理解と戦略設計のステップを丁寧に踏んだことでした。「未経験だから無理」ではなく、「未経験だからこそ正しい順番で学ぶ」という意識が大切です。

内製化と外注の併用は可能?

もちろん可能です。むしろ、多くの企業にとって現実的なのが「ハイブリッド型」の運用です。

たとえば、日々の投稿作成やコメント対応は社内で行い、戦略設計や分析のサポート、研修などは外部の専門家に依頼するという進め方があります。最初からすべてを社内で完結させようとすると、担当者の負担が大きくなりすぎて挫折するリスクが高まります。まずは外部の力を借りながら、段階的に社内で担える範囲を広げていくのが、無理なく内製化を進めるコツです。自社の状況に合わせて、外注と内製のバランスを柔軟に調整していきましょう。

外注と比較した際のメリット・デメリットをさらに詳しく知りたい方は、外注と内製化の比較記事もあわせてご覧ください。

まとめ

この記事では、SNS運用の内製化を実現するための5つのステップを中心に、メリット・デメリット、事前準備、成功事例、そして継続のコツまでを解説してきました。最後に、押さえておきたいポイントを整理します。

  • SNS運用の内製化とは、運用の主導権を社内に持ってくること。「外注をやめる」ことではなく、ノウハウと判断力を自社に蓄えることが本質
  • 内製化は「戦略設計→強みの可視化→ルール整備→業務フロー化→データ分析・PDCA」の5ステップで進める
  • 投稿の「型化」「カテゴリー化」「マニュアル整備」で属人化を防ぎ、誰でも運用を引き継げる仕組みをつくることが継続の鍵
  • 最初から完璧を目指す必要はなく、ハイブリッド型からスタートして段階的に内製化を進めるのが現実的

内製化は、一歩踏み出してしまえば思っているほどハードルは高くありません。大切なのは、正しいステップを正しい順番で踏んでいくことです。この記事が「ウチでもできそう」と思えるきっかけになっていれば嬉しいです。

まずは、自社の現状を振り返り、ステップ1の「運用目的とペルソナの設計」から始めてみてください。

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