LinkedIn採用とは?日本企業で検討が増えている理由
LinkedIn採用の基本の仕組みと求人媒体との違い
LinkedIn採用は、職歴やスキルが公開されたビジネス向けSNS上で企業が候補者へ直接声をかける採用の進め方です。求人媒体は原稿を出して応募を待つ形ですが、LinkedInは企業側から気になる人へメッセージを送る動き方が中心になります。
- 候補者の職歴やスキルが本人の意思で公開されている
- 条件に合う人を検索して直接メッセージを送れる
- 応募が来る前の段階から接点を作っておける
- 無料でできる範囲と有料の採用機能が分かれている
- 社員個人の発信が会社の見え方に直結する
求人媒体や人材紹介の代わりになるものではなく、応募が集まりにくい職種を補う手段として考えると判断しやすくなります。先に自社の採用でどこが詰まっているかを整理してから検討する順番が安全です。
日本国内の利用者層から見える使いどころ
日本国内の利用者は外資系企業やIT・コンサル・専門職の人に偏っていて、探す職種によって手応えが大きく変わります。候補者がそもそも登録していない領域では、どれだけ作り込んでも返信は増えません。
- 英語を使う職種や海外拠点に関わる人材を探すとき
- エンジニアやデータ関連の専門職を探すとき
- 管理職や事業責任者クラスを探すとき
- 事業内容が同じ業界の人にしか伝わらないとき
地域の店舗スタッフや現場職はLinkedIn上の候補者が少ないため、InstagramやXなど別のSNSへ寄せた方が早く動きます。自社の求人がどちらに近いかで、投資する先を分けるのが現実的です。
転職潜在層へ直接アプローチできる構造
LinkedInにいるのは今すぐ転職したい人より「いい話があれば聞いてみたい人」が多く、転職サイトとは温度がまったく違います。この層は求人票を探していないので、企業から声をかけない限り接点が生まれません。
一方で候補者は会社名よりも中身を見て返信するかを決めます。事業の説明が抽象的だったり社員の顔が見えない状態だと、メッセージを送っても読まれずに流れていきます。
そのため採用向けの発信を会社の公式アカウントと分けて用意する企業も増えています。分け方や気をつける点はインスタグラムの複数アカウントの作り方やメリットを解説!他の人にバレるなどの注意点は?でまとめています。
経営者がLinkedIn採用を気にし始める典型的な場面
相談が増えるのは、求人媒体へ出しても母集団が集まらない状態が半年以上続いたときです。単価の高い紹介に頼り切っている自覚があるかどうかも分かれ目になります。
- 求人媒体に出しても応募がほとんど来ない
- 人材紹介の手数料が採用計画に合わなくなってきた
- 社名が業界の外へほとんど知られていない
- 専門職や管理職の欠員が埋まらないまま回している
- 既存社員の紹介だけでは人数が足りない
同じ悩みをSNSの発信側から解いた例もあります。名北ワード株式会社では採用の問い合わせが月5名から約28名へ増え、フォロワーも0人から3,016人まで伸びました。医療社団法人 星晶会では採用専用のInstagramをゼロから立ち上げて、看護師の応募につなげています。
つまり判断の軸は「LinkedInが流行っているか」ではなく、自社が探している人がどこにいるかです。候補者のいる場所を先に決めてから、使う手段を選んでください。
LinkedIn採用のメリットとデメリット
採用単価と母集団の質に与えるメリット
LinkedIn採用の一番のメリットは転職活動を公にしていない層へ直接声をかけられることです。経歴や所属企業がプロフィールに整理されているので候補者の見極めが早く進みます。
人材紹介のように成功報酬で年収の何割かを払う形ではないため、採用が続くほど1人あたりの費用は下がっていきます。自社で候補者を探して直接つながる形なので、同じ条件の人材を繰り返し採る職種では費用の差が出ます。
- 転職サイトに登録していない在職中の人材へ届く
- 職務経歴が公開されているので書類選考の前に判断できる
- 外資やグローバル企業の経験者が集まりやすい
- 同じ職種を続けて採るほど1人あたりの費用が下がる
- 過去にやり取りした候補者を自社の名簿として残せる
自社の発信がそのまま採用活動につながる点
LinkedInは企業ページと社員個人の発信が候補者の判断材料になる仕組みです。スカウトを送った相手が会社名で検索したときに、事業の中身や働く人の様子が出てくるかどうかで返信率は変わります。
この構造はInstagramやXでの採用発信と同じです。名北ワード株式会社様はフォロワーが一人もいない状態から発信を始め、誰に向けて何を伝えるかを言葉にした結果、採用の問い合わせが月5名から約28名まで増えました。医療社団法人 星晶会様も採用専用アカウントをゼロから作り、求人応募につながるところまで持っていきました。
- スカウトを受けた人が必ず会社名を調べる
- 仕事の中身が見えると返信のハードルが下がる
- 社員の投稿が職場の雰囲気を伝える役割を持つ
- 一度作った発信は次の募集でも使い回せる
スカウト運用に人手と時間がかかるデメリット
LinkedIn採用は仕組みを入れれば勝手に応募が来るものではありません。候補者を検索して一人ずつ文面を変えて送る作業が続くので、担当者の時間をまとまって確保する必要があります。
返信率は文面と送り先の精度で大きく変わります。株式会社日本トラスティソリューションズ様がXで送ったDMの返信率は25%で、ここに届くまでに土台作りとターゲットの絞り込みを段階的に進めています。LinkedInでも同じで、送る前の設計を飛ばすと数だけ送って返信が来ない状態になります。
- ターゲットの条件を決めて検索条件に落とす
- 候補者ごとに文面の冒頭を書き換える
- 返信が来たら数日以内に日程を返す
- 返信率と面談数を記録して文面を直す
日本語の母集団が薄い領域では成果が出にくい
LinkedInは日本国内では職種ごとの偏りが大きく、探しても候補者がほとんど出てこない領域があります。現場職や店舗スタッフのような募集では、検索しても条件に合う人が並ばず送る相手が尽きます。
この場合は媒体を変えるほうが早く、InstagramやXで職場の様子を発信して応募につなげる形が向いています。自社の職種がどちらに当てはまるかは、実際にLinkedInで検索条件を入れて何人出てくるかを数えれば判断できます。
LinkedIn採用にかかる費用と他の採用手段との比較
無料でできる範囲と有料プランが必要になる範囲
まず押さえたいのは、無料のままでもLinkedIn採用の入口は作れるという点です。会社ページを開いて自社の事業や働き方を発信し、社員のつながりを通じて候補者へ届けるところまでは費用がかかりません。
- 会社ページの開設と求人情報や記事の発信
- 社員の個人アカウントからの情報発信と拡散
- 応募や問い合わせが来たあとのやりとり
- 自社の採用ページや他のSNSへの誘導
有料が必要になるのは、こちらから候補者を探して直接声をかける段階です。採用担当者向けの有料プランや求人の有料掲載枠を契約すると検索と連絡の幅が広がります。
そのため最初から上位プランを契約せず、無料の発信で反応を見てから有料へ進む順番が安全です。発信に手応えがないまま有料にしても、声をかけた相手が興味を持つ材料が足りません。
人材紹介や求人広告と比べたときの費用構造
他の採用手段との一番の違いは、費用が出るタイミングと変動の仕方です。採用が決まるまで払わない手段と、採用できなくても先に払う手段では社内の決裁の通し方も変わります。
採用手段 | 費用の出方 | 向く場面 |
|---|
LinkedIn採用 | 月額や年額の固定で人数に左右されにくい | 専門職を継続して採りたいとき |
人材紹介 | 決まった人数に応じた成功報酬 | 急いで1名だけ確実に埋めたいとき |
求人広告 | 掲載した期間ぶんを前払い | 応募が集まりやすい職種のとき |
固定費型は採用数が増えるほど一人あたりの負担が下がる一方で、動かさなければ費用だけが残ります。成功報酬型は払う金額が読みやすい代わりに、一人あたりの単価は高くなりがちです。
社内の工数を費用に換算して考える
見落とされやすいのが社内の人が使う時間です。LinkedIn採用は自社で候補者を探して文章を書くため、プラン料金よりも人件費のほうが大きくなる場合があります。
- 候補者の洗い出しと絞り込み
- 一人ずつ内容を変えたスカウト文の作成
- 返信が来たあとの対応と面談の日程調整
- 会社ページへ載せる投稿や記事の用意
- 反応の集計と次の月の見直し
判断するときは担当者の時間単価に月の作業時間を掛けて、プラン料金と足した総額で比べます。この総額を出しておくと、外部へ任せるか社内で回すかの線引きがはっきりします。
動画や画像の制作に時間を取られる会社は、編集の手間を減らす道具を先に決めると工数が下がります。スマホで完結させる方法は【2025年最新】Editsアプリの使い方を初心者にもわかりやすく解説!Instagramの編集に最もおすすめな理由とはでまとめています。
費用対効果をどの指標で見るか
採用単価だけで見ると判断が遅れます。LinkedIn採用は接触から入社まで時間がかかるので、途中の数字を区切って置くほうが改善点を見つけやすくなります。
- 声をかけた人のうち返信が来た割合
- 返信から面談につながった割合
- 面談から内定と承諾まで進んだ割合
- 採用1名あたりにかかった総額
- 入社から半年後に残っている割合
弊社が支援した名北ワード株式会社様では、発信の相手を決め直して採用の問い合わせが月約28名まで増えました。入口の数が動けば、その先の面談や内定の数も追いやすくなります。
医療社団法人 星晶会様のように、応募の件数自体は少なくても採れなかった職種で成果が出れば十分に投資の価値があります。職種の希少さによって、同じ金額でも評価の基準は変わります。
LinkedIn採用が向く職種と向かない職種の見分け方
専門職や管理職で効きやすい理由
LinkedIn採用が成果につながりやすいのは専門職と管理職で、経歴そのものが選考材料になる仕事です。利用者は自分の職歴とスキルを自分で書き込むため、企業側は実務経験から候補者を絞り込めます。
こうした層は転職サイトを毎日見る習慣が薄く、企業から直接届いた連絡のほうに反応します。求人を出して待つやり方では会えなかった人へ、こちらから声をかけられるのが大きな違いです。
- 職務経験の中身がそのまま評価につながる専門職
- 社外にも名前が出る管理職や事業責任者のポジション
- 英語を使う業務や海外拠点とのやり取りがある部門
- 転職サイトに登録せず良い話だけを待っている層
- 採用1人あたりの投資額をある程度かけられる求人
現場職や地域採用で成果が出にくい理由
反対に現場職や地域を限定した採用では、対象者の登録数が足りず成果が出にくくなります。日本での利用はオフィスワークの人が中心で、製造や介護や飲食や小売の現場で働く人は多くありません。
勤務地を市区町村まで絞ると候補はさらに減り、声をかける相手が数人しか残らない状態になります。パートや契約社員の募集も、提示できる条件が直接声かけの労力に見合いません。
職種のタイプ | LinkedInとの相性 | 現実的な進め方 |
|---|
専門職・管理職 | 高い | 直接声をかける運用を中心に置く |
営業・企画・管理部門 | 条件次第 | 求人掲載と声かけを併用する |
現場職(製造・介護・飲食) | 低い | SNS発信と求人媒体で接点を作る |
地域限定・パート採用 | 低い | 地元向けの発信と紹介経路を使う |
自社の採用要件から適性を判断する手順
向き不向きは感覚で決めず、採用要件を分解して数と条件で確かめます。手順は次の5つで、半日あれば自社だけで判断できます。
- 募集職種の経験者をLinkedInで検索し何人見つかるか数える
- 勤務地と雇用形態の条件を足して候補の減り方を見る
- 想定年収が直接声をかける手間に見合う水準か確かめる
- 返信をもらえるだけの会社の見せ方が用意できるか点検する
- 採用担当が毎週連絡を続ける時間を確保できるか決める
検索した候補が二桁に届かない職種は、その時点で別の手段へ切り替えたほうが早く人に会えます。担当者の時間を確保できない場合も、途中で止まるので着手しない判断が正解になります。
向かないと判断したときの代わりの選択肢
向かないと分かったら、InstagramやXで職場の中身を見せる採用発信へ予算と時間を回します。現場職や看護職のように登録者が少ない仕事でも、日常的に使われているSNSなら候補者と接点を持てます。
- Instagramで働く人と職場の様子を見せて応募につなげる
- Xで職種を絞って発信しDMから面談の入口を作る
- 求人媒体と自社サイトの書き方をそろえ直す
- 社員紹介や地元の学校との関係づくりを進める
名北ワード株式会社様は発信相手を言語化し親しみやすい投稿へ変えたことで採用の問い合わせを増やしました。医療社団法人 星晶会様は看護師向けの採用アカウントをゼロから作り、株式会社日本トラスティソリューションズ様はXでITエンジニアとの面談経路を用意しています。
LinkedIn採用の進め方5ステップ
採用したい人物像と伝える価値を決める
最初に決めるのは採用したい人物像と自社が伝える価値の2つです。ここが曖昧なまま発信を始めると投稿もスカウト文も毎回ぶれて相手に届きません。
名北ワード株式会社の事例では誰に向けて発信するかを言語化できておらず、古くて閉鎖的な職場という印象を持たれていました。ペルソナを決めて親しみやすい内容へ切り替えたことで採用の問い合わせが大きく伸びています。
社内で指示を出すときは、次の項目を紙1枚にまとめてから担当者へ渡してください。
- ほしい人の職種と経験年数
- その人が今の職場で感じている不満
- 自社が出せる条件や働き方
- 同業の求人と違う点
- 面接までに伝えておきたいこと
会社ページと社員プロフィールを整える
人物像が決まったら発信より先に会社ページと社員プロフィールを整えます。LinkedInでは投稿やスカウトを見た人がほぼ必ず会社と担当者の経歴を確認します。
特に社員プロフィールは会社ページより見られる機会が多く、担当者の顔と経歴がそのまま信頼の材料になります。経営層と採用担当は写真と自己紹介文を先にそろえておきたいところです。
- 会社ページの紹介文と事業の説明
- 働き方や職場の雰囲気が分かる記述
- 採用に関わる社員の写真と経歴
- 募集ポジションの掲載
- 月に一度見直す担当者
発信する内容の型を決めて運用を回す
発信は毎回ゼロから考えるのではなく型を決めて回します。型が3つか4つあれば担当者が変わっても内容の質が落ちません。
- 仕事の中身が具体的に分かる話
- 社員の経歴とキャリアの変化
- 会社の取り組みや実績の共有
- 募集中のポジションの紹介
同じ内容をInstagramやXへ流すときは媒体ごとのルールに気をつけます。アカウントが止まると発信が全部止まるので、注意点は【2026年最新版】Instagramアカウントが凍結される10の理由と対処法で整理しています。
スカウトの送り方と返信率の見方
スカウトは送る数より文面と相手の選び方で結果が変わります。送り始める前に返信と面談の数を記録する表を用意してください。
株式会社日本トラスティソリューションズの事例ではXでの運用で初回DMへの返信率が25%、そこから面接へ進んだ割合が30%になりました。ターゲットを絞ってから送った結果です。
返信率が伸びないときに人数を増やすのは逆効果になりがちです。文面を1種類だけ変えて同じ人数へ送り、どちらが返ってくるか比べる進め方が確実です。
成果を振り返って改善につなげる
振り返りは月1回の確認と3か月ごとの判断に分けます。LinkedInは応募がすぐ増える媒体ではないので、1か月の数字だけで打ち切ると早すぎます。
医療社団法人 星晶会の事例でも、採用アカウントをゼロから作って3か月かけて応募につながりました。土台づくりの期間を見込んで予定を組むのが現実的です。
- 会社ページと投稿の閲覧数
- スカウトの返信率
- 面談まで進んだ件数
- 入社後の定着
- 1回の採用にかかった費用
改善は一度に全部変えないのが大事です。人物像・スカウト文・送る相手のどれか1つだけ動かして前の月と比べると原因が分かります。
LinkedIn採用で失敗する原因と注意点
担当者ひとりに任せて発信が止まるパターン
LinkedIn採用がうまく回らない最大の原因は、担当者ひとりに運用をまるごと抱えさせる体制です。人事の誰かが投稿もスカウトも返信対応も受け持つと、その人の繁忙期にすべての動きが止まります。採用広報は数か月の積み上げで効いてくるため、途中で止まると蓄積がほとんど消えてしまいます。
止まる前には必ず兆しが出ます。次のサインが出たら体制の見直しが必要です。
- 投稿の間隔が2週間以上空きはじめる
- スカウトの送信数が月ごとに大きく上下する
- 返信をもらっても面談の日程調整に数日かかる
- 今月何件動いたのかを社内の誰も把握していない
対策は役割を分けることです。投稿づくり・スカウト送信・返信対応の3つを別の人が持てば片方が忙しくても流れは続きます。名北ワード株式会社様は誰に向けて発信するかを言語化し投稿の型を決めたことで、フォロワーを0人から3,016人まで伸ばしました。
スカウト文が使い回しで返信が来ないパターン
返信が来ないスカウト文には共通点があり、誰にでも送れる文章になっている点が原因です。LinkedInの利用者は転職活動中でない人も多いので、自分あてだと分かる根拠が無ければ開かれないまま終わります。テンプレートを使うのは問題ありませんが、相手ごとに書き換える部分を決めておく必要があります。
- 冒頭の一文に相手の職歴や投稿へ触れた具体を入れる
- どの経験を評価して声をかけたのかを書く
- 任せたい役割と裁量の範囲を一言で示す
- まずは情報交換からでよいと返信の負担を下げる
- 面接ではなくカジュアル面談の形で誘う
書き換えの手間は返信率で回収できます。株式会社日本トラスティソリューションズ様はターゲットを絞ってDMを送る形へ切り替え、半年で面談9件につなげました。送る数を増やすより送る相手を絞るほうが成果は安定します。
会社ページが放置されて信頼を落とすパターン
スカウトを受け取った人はほぼ必ず会社ページを見にきます。そこで更新が1年以上止まっていると、かえって不信感を与えてしまいます。ページは求人票ではなく働く人の様子を伝える場として整えておきたいところです。
候補者が見ているのは次の4点です。ここが空欄のまま放置されていないか確認してください。
- 事業内容と今どの領域に力を入れているかの説明
- 直近の投稿が何か月前のものか
- 社員が何人そのページに紐づいているか
- 社員個人の投稿と会社の発信が食い違っていないか
会社ページだけを作り込む必要はありません。社員が自分のアカウントで仕事の話を出していれば、それが実態を示す証拠として働きます。
外注に丸投げして社内に何も残らないパターン
代行に任せると立ち上がりは早いものの、やり方が社内に残らないまま契約終了で発信が止まります。候補者とやり取りする中身は自社の仕事の理解がないと書けないので、外へ出し切ると返信の質も下がります。外注は手を借りる相手として使い、判断と文章の軸は社内に置くのが安全です。
外注を使う場合も、次のものは必ず社内へ残してください。
- 誰に届けたいかを書いたペルソナの定義
- 反応が取れた投稿とスカウト文の見本
- 月ごとの送信数と返信数を記録した一覧
- 候補者から実際に聞かれた質問とその回答
医療社団法人 星晶会様は支援を受けながら採用アカウントをゼロから立ち上げ、ほぼ0本だったリール投稿を月8〜9本まで引き上げました。自社で手を動かす形をつくれば、人が替わっても運用は続きます。失敗を避ける近道は内製化であり、社員が自分で書ける状態を目標に置くことです。
LinkedIn採用とInstagram・Xを組み合わせる方法
媒体ごとに役割を分けて応募導線をつくる
LinkedIn単体で採用を終わらせようとすると候補者の母数が足りません。経歴で人を探す場としては強い一方で、職場の空気や人の雰囲気は伝わりにくいためです。InstagramやXで日常を見せておくと、声をかけた相手が自社を調べたときに判断材料が残ります。
大事なのは同じ内容を3つの媒体へ流さないことです。媒体ごとに役割を決めて、最後の応募先だけを一本にそろえると導線が整います。
- LinkedIn … 経歴や役職で候補者を探し、こちらから声をかける場
- X … 専門の話で興味を引き、DMで直接やり取りする場
- Instagram … 働く人や社内の様子を見せて不安を下げる場
- 自社の採用ページ … 3媒体から来た人をまとめて受け止める場
InstagramとXで採用の問い合わせを増やした名北ワードの例
名北ワード株式会社は「古い閉鎖的な職場」と見られやすい状態で悩んでいました。誰に向けて発信するかが決まっておらず、発信の中身も社内向けに寄っていたのが原因です。
ペルソナを決め直し、親しみやすい豆知識の投稿へ切り替えました。その結果フォロワーは0人から3,016人まで伸びて、採用の問い合わせは従来の5名から月約28名へ増えています。誰に何を伝えるかを先に決めると、同じ手間でも届く相手が変わります。
X運用で面談につなげた日本トラスティソリューションズの例
株式会社日本トラスティソリューションズはITエンジニアの採用を目的にXをゼロから始めました。投稿だけで待つのではなく、土台づくりからDM送信まで段階を踏んで進めた形です。
運用開始から6ヶ月で面談は9件まで積み上がりました。DMから面接へ進んだ割合は30%で、相手を絞って声をかける効果が数字に出ています。
- 最初の1〜2ヶ月はプロフィールと投稿の型を固める
- 同じ職種の人へ反応して、顔を覚えてもらう
- 興味の合う相手だけへDMを送る
- 返信が来た人とは早めに面談の日程を出す
採用アカウントをゼロから育てた星晶会の例
医療社団法人 星晶会は看護師の採用に悩み、SNSはほぼ手付かずの状態でした。採用専用のInstagramをゼロから立ち上げて、リールを月8〜9本まで出せる体制に変えています。
約3ヶ月でインプレッションは約2.6万件まで伸び、Instagram経由の求人応募も動き出しました。応募の件数そのものは多くありませんが、ゼロだった入口が開いた点が次につながります。
自社に合う媒体の組み合わせを決める基準
全部やる必要はありません。採る職種と社内で動ける人数から逆算して、2つまでに絞るほうが続きます。
- 管理職や専門職を採るなら、LinkedInを軸にして声をかける
- エンジニアや専門領域ならXで接点をつくり、DMまで進める
- 現場職や有資格者ならInstagramで職場の様子を見せる
- 動かせる人が1人なら、1媒体に絞って週の本数を守る
迷ったときは、過去に採れた人がどこで自社を知ったかを先に確かめます。入口がわかれば、そこへ人と時間を寄せるだけで判断の精度が上がります。
まとめ:LinkedIn採用を自社で判断するための要点
導入を決める前に確認したい3つの論点
LinkedIn採用をやるかどうかは、媒体の良し悪しではなく自社の採用対象で決まります。先に次の3つを社内で確かめてから予算の話へ進むと判断がぶれません。
- 採用したい人がLinkedInに登録していそうな職種かどうか
- スカウト文や企業ページを書き続ける担当者を置けるか
- 半年以上は成果を待てる採用計画になっているか
3つのうち2つが埋まらないなら、今のLinkedIn採用は見送って求人媒体や人材紹介へ寄せた方が早く決まります。逆に全部そろうなら、少人数の採用でも費用に見合う可能性があります。
社内に運用力を残す形で始める
外注だけで回すと、契約が切れた時点で採用の入口がまるごと消えます。SNSCHOOLの支援先でも、担当者が自分で書けるようになってから応募が伸びた例が多くあります。
採用アカウントがゼロの状態から始めた医療社団法人 星晶会様は、投稿の作り方を社内で覚えたことでInstagram経由の応募につながりました。人材派遣の株式会社日本トラスティソリューションズ様も、自社でDMと投稿を続ける形にしてエンジニアとの面談を獲得しています。
- 月に出す投稿本数と担当者をあらかじめ決める
- 文章と写真の型を作って属人化を防ぐ
- 反応が取れた投稿を記録して次へ回す
- LinkedInだけに寄せず他のSNSとも併用する
まずは自社の採用対象を書き出し、どのSNSに人がいるかを確かめるところから始めてください。そのうえで社内に運用力を残す形を選べば、媒体が変わっても採用の入口は残り続けます。
よくある質問
Q1. LinkedIn採用は日本企業でも成果が出ますか?
A. 専門職や管理職の採用では成果が出ている企業があります。一方で現場職の大量採用には向きにくいため、自社の採用要件と合うかを先に確かめてください。
Q2. LinkedIn採用は無料のままでも始められますか?
A. 会社ページの作成と発信は無料の範囲でできます。スカウトを本格的に送る段階では有料プランが必要になるため、まず無料で反応を見る進め方が現実的です。
Q3. LinkedIn採用の担当は誰に任せるべきですか?
A. 人事だけに任せると発信が止まりやすいので、経営層や現場の社員も登場する体制が向いています。発信する人を複数にして負荷を分けてください。
Q4. LinkedIn採用とInstagramやXはどちらを優先すべきですか?
A. 採用したい層がどの媒体にいるかで決まります。幅広い職種で応募を増やしたいならInstagramやXの運用が先に効くことが多く、専門職を狙うときにLinkedInを足す形が進めやすいです。
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