ふるさと納税のSNS発信が自治体で必要になってきた理由
ポータルサイトの中だけでは返礼品の比較競争から抜け出せない
ポータルサイトの掲載だけに頼ると、寄附の集まり方は返礼品の内容と値ごろ感でほぼ決まります。同じカテゴリの中で品物が横並びになるため、見ている人は量と価格で判断していきます。
- 返礼品の写真と価格だけで比べられて地域の背景までは伝わらない
- 掲載順や特集枠に左右されて自治体の側では動かしにくい
- 似た品を出す自治体が増えるほど量と価格の勝負になりやすい
SNSは発信の中身と出す回数を自治体が自分で決められる場所です。生産者の人柄や寄附金の使い道を続けて出せば、品物の条件以外の理由で選ばれる土台ができていきます。
寄附者は返礼品より先に地域への興味で動くことがある
ふるさと納税は寄附額のうち一定の部分が所得税と個人住民税から控除される制度です(参照:国税庁 タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除))。負担の仕組みが同じなら、どこへ寄附するかを決める理由は返礼品以外の部分にも移ります。
- 出身地や旅行で訪れた土地への思い入れ
- 災害からの復旧や子育て支援といった使い道への共感
- 生産者の仕事ぶりや町の風景を見て生まれた親しみ
この流れは観光の分野でも同じように起きています。芦原国際ホテル美松様はリール動画を軸にした発信へ切り替えて、約3ヶ月でSNS経由の宿泊予約47件につなげました。月間のインプレッションも3.5万人から9.3万人へ伸びています。
地域の様子を動画で見せた結果として、実際のお金の動きが生まれた形です。寄附でも同じ順番をたどる人は確実にいます。
観光と移住と関係人口づくりを同じ発信でまとめられる
自治体がSNSへ手を広げる価値は、ふるさと納税の数字だけに閉じません。地域の暮らしや食を伝える発信は観光や移住の入口にもなり、担当課をまたいで成果が出ます。
- ふるさと納税…返礼品の背景と使い道を伝えて寄附につなげる
- 観光…季節の見どころや食事を見せて来訪のきっかけを作る
- 移住と定住…働く人や子育ての様子を出して相談の数を増やす
- 関係人口…一度関わった人とつながり続けて再訪や再寄附を促す
ひとつのアカウントで複数の目的を背負わせると方向がぶれます。主役をふるさと納税に置いたうえで、観光や移住の話題を月の中で配分する形が現実的です。他の自治体がどう使い分けているかは【2026年最新版】自治体のSNS成功事例まとめと実践ポイントで整理しています。
広報とふるさと納税の担当が別々に発信して力が分散する
同じ自治体の中に広報用と観光用とふるさと納税用のアカウントが並ぶ例は珍しくありません。それぞれが少ない人員で運用するため、更新が止まったアカウントだけが残ってしまいます。
- 同じ素材を別の担当が撮り直して手間が二重にかかる
- 投稿が月に数本で止まり見てもらえる数が伸びない
- 成果の測り方が課ごとに違い予算の説明がしにくくなる
決裁者が先に決めるべきは、どのアカウントを主役にして誰が素材を集めるかという役割分担です。撮影と編集の担い手を決めないまま運用を始めると、担当者の負担だけが増えて続きません。
ふるさと納税のSNS発信で押さえるべき制度の仕組み
寄附額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から控除される
SNSで制度に触れるなら、控除の仕組みを正しく押さえることが出発点になります。ふるさと納税は寄附額のうち2,000円を超える部分について所得税と個人住民税から控除が受けられる制度です(参照:国税庁 タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除))。
控除は所得税と住民税の3つの計算に分かれていて、それぞれに上限が決められています。発信担当者が内訳を理解していないと質問に答えられません。
- 所得税は自己負担分を除いた額を所得控除として差し引く
- 個人住民税の基本分はその額の10%を税額控除する
- 個人住民税の特例分は基本分と所得税率を引いた割合で控除する
- 所得控除の対象になる寄附金の額は総所得金額等の40%が上限
- 特例分の控除は所得割額の20%が限度になる
こうした割合まで投稿の中で書き切ると誤解を招くので、SNSでは仕組みの大枠だけ伝えて細かい計算は公式の解説へ渡す形が安全です。
ワンストップ特例は寄附先が5団体以内の給与所得者が対象になる
ワンストップ特例の対象は確定申告の必要がない給与所得者で、寄附先が5団体以内の場合に限られます。寄附先の自治体へ申請書を出すことで控除を受けられます。
- 確定申告をしない給与所得者だけが使える
- 寄附先が5団体以内という条件が付く
- 申請先は国ではなく寄附した自治体になる
- 確定申告をすると申請は無効になる
- 5団体を超えたときは確定申告へ切り替える
確定申告をした人は申請済みの分も含めて寄附金控除を計算し直す必要があります。この点を省いた投稿は後から問い合わせが集中する原因になります。
控除の上限や確定申告の扱いを誤って伝えると信頼を落とす
制度の説明が一度でも間違うと、返礼品や地域の魅力を伝える投稿まで一緒に疑われます。自治体の発信は民間より正確さを求められるので、言い切りの表現には気をつけます。
とくに次のような書き方は誤解を生みやすく、原稿の段階で外しておきたいところです。
- 「全額が戻ってくる」と自己負担分を省いて書く
- 上限額を具体的な金額で断定する
- ワンストップ特例なら手続きが必ず完結すると書く
- 住民税の控除が翌年度に反映される時期を書かない
- 医療費控除などで確定申告をする人の扱いに触れない
担当者が代わっても同じ説明ができるよう、制度に触れる文言はテンプレートにして残しておくと事故が減ります。
制度の説明は国税庁や総務省の一次情報へ誘導する形にする
自治体アカウントの役割は税制の解説ではなく案内です。くわしい計算や手続きは国税庁のタックスアンサーと総務省のふるさと納税ポータルサイトへ渡すのが現実的な線になります。
- 制度の細かい数字は本文に書かず公式ページへ誘導する
- プロフィールや固定コメントに一次情報のリンクを置く
- 制度の変更があったら過去の投稿の文言も見直す
- 税額の個別相談はSNSで答えず税務署や市区町村へ案内する
- 投稿前に税務の担当課が文言を確認する流れを作る
この形にしておけば、発信チームは返礼品の見せ方や動画の作り方に力を入れられます。制度の正確さを担保する仕組みと、伝わる発信の工夫は分けて考えるのが続けやすい進め方です。
ふるさと納税のSNS発信に向いている媒体の選び方
Instagramは景観と食と人の魅力を見せるのに向く
ふるさと納税の発信で最初に押さえたい媒体はInstagramです。返礼品の写真や景観が画面の主役になり、文字を読まなくても地域の魅力が伝わります。
自治体は観光用の写真をすでに持っている場合が多く、新しく撮影しなくても投稿を始められます。手元の素材を並べ直すだけで形になるので、立ち上げの負担が小さい媒体です。
- 返礼品を調理したあとの写真や盛り付けの様子
- 生産者が畑や加工場で働いている姿
- 四季の景観と祭りなどの行事
- 寄附金の使い道になった施設や事業の様子
人が写っている投稿は寄附先を選ぶ理由になりやすく、返礼品だけを並べた発信より記憶に残ります。誰が作っているかまで見せる構成を基本にしてください。
リール動画は地域を知らない人へ届きやすい
フォロワーがまだ少ない段階では、リール動画が地域を知らない人への入口になります。ホテルの芦原国際ホテル美松様はリール投稿を月6〜8本まで増やし、フォロワー以外から見られる割合が48%から90%へ伸びました。
医療の星晶会様でも月8〜9本のリール投稿を続けるなかで最大8,000回再生の動画が生まれ、知られていない状態から認知が広がりました。自治体の発信も同じで、まず見てもらう量を作るところから始まります。
- 返礼品が届いて箱を開ける瞬間
- 生産者への短いインタビュー
- 寄附金の使い道を1分で説明する動画
- 季節のイベント当日の様子
本数が少ないと当たりが出ないので、続けられる本数を先に決めて撮影の予定を組みます。1本に時間をかけ過ぎるより、同じ型で量を出す方が成果につながります。
XとFacebookは制度の案内や期限の告知と相性がよい
XとFacebookは制度の案内や締め切りの告知に向いています。文字で読ませる前提の媒体なので、申請の手順や必要書類のような固い内容でも読まれます。
ワンストップ特例はふるさと納税先が5団体以内の場合に限られるため、年末前に触れておくと問い合わせが減ります(参照:国税庁 タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除))。
- 年末の受付の締め切り
- 申請書の送付時期と返送の期限
- 人気の返礼品の在庫や発送の遅れ
- 寄附金の使い道が決まったときの報告
不動産のクリエートハウジング様は代表が得意なテキスト発信を続け、Facebook経由で200万円の案件を受注しました。書き手の顔が見える文章は信頼につながるので、担当課や首長の言葉で発信する形も選べます。
職員の人数と撮影できる素材の量から媒体を絞る
媒体は欲張らずに、職員の人数と撮影できる素材の量から絞ってください。兼務の担当が1人ならInstagramとリールに集中させ、他は同じ内容の再投稿だけに留める形が現実的です。
媒体 | 向いている中身 | 必要な手間 |
|---|
Instagramの写真投稿 | 返礼品と景観の魅力 | 手元の写真で始められる |
リール動画 | 地域を知らない人への認知 | 撮影と編集の時間が要る |
X | 締め切りや受付状況の告知 | 短文で済み手間は小さい |
Facebook | 使い道の報告や人の言葉 | 文章を書ける人が要る |
観光用と寄附用でアカウントを分けると、投稿の手間も確認の手間も二重になります。分け方と気をつける点はインスタグラムの複数アカウントの作り方やメリットを解説!他の人にバレるなどの注意点は?でまとめています。
迷ったときは媒体を1つに絞り、3か月続けてから次を足す順番にしてください。全部に手を出して更新が止まる方が、寄附者から見たときの印象を落とします。
ふるさと納税のSNS発信の進め方5ステップ
寄附の目的と使い道を言葉にして発信の軸を決める
SNS発信は寄附金の使い道をひとことで言い切るところから始めます。返礼品の紹介だけでは他の自治体と並んだときに選ぶ理由が残りません。
軸を決めるときは次の項目を庁内で先に揃えておくと迷いません。
- 寄附金をどの事業に充てるか
- その事業で誰の暮らしがどう変わるか
- 前年度の寄附金で実際にできたこと
- 発信で使ってよい写真と言葉の範囲
この内容を紙1枚にまとめておくと担当者が替わっても発信の中身がぶれません。首長や部長の決裁もその1枚を見せながら取ると話が早く進みます。
誰に届けたいかを寄附者の層から具体化する
軸が固まったら届けたい相手を寄附者の層から絞り込みます。全国の誰にでも届く書き方にすると結局だれの心にも残らないためです。
自治体なら出身者と過去の寄附者と返礼品のジャンルで探す人の三つに分けて考えると設計しやすくなります。ホテルの導入事例では3C分析で狙う相手を決め直してから発信の中身を組み替えました。
相手が決まれば使う媒体も投稿の見せ方も自然に決まります。ここを飛ばすと毎回の投稿のたびに庁内で意見が割れて止まります。
返礼品の生産者と現場を取材して素材を集める
発信が続かない最大の理由は素材切れなので、先にまとめて取材して溜めます。生産者の顔と仕事ぶりは役所の資料には残っていない素材です。
- 生産者がその品を作り始めたきっかけ
- 手間をかけている工程と季節の動き
- 地元の人がどう食べているか
- 返礼品が届いた後の使い方や保存の仕方
- 風景や工房など背景に使える映像
1回の訪問で写真と動画と話を同時に集めれば数か月分の投稿がまとまります。不動産の導入事例では代表が自分の言葉で理念と実績を伝え続けて共感につながりました。
投稿本数と担当の役割を決めて運用のルールにする
本数と役割を文書で決めないとSNS運用は個人の頑張りで終わります。ホテルの導入事例では月間のリール投稿がほぼ0件から6〜8件まで増えました。
役割は次の形で分けると兼務の職場でも回ります。
- 企画と台本を書く人を1人決める
- 撮影と編集の担当と締め切りを決める
- 公開前の確認は1人に絞って即日で返す
- コメントや問い合わせへの返事の範囲を決める
確認の工程に何人も入ると旬の話題を逃して投稿が止まります。確認する人を絞ることが本数を保つ一番の近道になります。
指標を決めて月ごとに振り返る仕組みを作る
見るべき数字を先に決めておけば振り返りが感想で終わりません。寄附額だけを追うと投稿の良し悪しが判断できないので途中の数字も並べます。
- インプレッション数とフォロワー外の閲覧率
- プロフィールアクセス数
- ポータルサイトへの遷移数
- 寄附の申込件数と返礼品ごとの内訳
月に1回30分の会議でこの数字を見て次の月の本数と題材を決めます。医療法人の導入事例では投稿を増やしながら数字を追い続けて応募につながりました。
なお寄附金控除の仕組みや申告の決まりは国税庁のページで確認できます(参照:国税庁 タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除))。制度の説明を投稿へ入れるときは必ず公式の記載に合わせてください。
ふるさと納税のSNS発信の成果につながった事例から学べること
芦原国際ホテル美松はSNS経由の宿泊予約47件を生み出した
地域の魅力を発信して人が動いた例として、芦原国際ホテル美松様の取り組みがわかりやすい。SNS運用のノウハウがなく担当者も不在の状態から始めて、約3ヶ月でSNS経由の宿泊予約47件につながった。
もともとは写真中心の発信で内容が似通ってしまい、見る人の反応が薄い状態が続いていた。そこで3C分析で誰に向けた発信かを決め直し、動画を中心に組み替えている。
- 誰に泊まってほしいかを先に言葉で決めた
- 写真だけの発信をやめて動画を柱にした
- 現場の人が自分で作れる形に作業を分けた
- 反応の数字を毎月見て投稿の内容を直した
月間インプレッションが3.5万人から9.3万人へ伸びた背景
見られる回数は月間3.5万人から9.3万人へ増えた。伸びた理由は投稿の数を増やしたからではなく、誰に何を伝えるかをはっきりさせたからだ。
プロフィールへのアクセスも1,866件から4,773件へ増えている。興味を持った人が発信元を見に来る流れができると、予約や問い合わせまで距離が縮まる。
フォロワー外の閲覧率が48%から90%へ変わった意味
見ている人のうちフォロワー以外の割合は48%から90%へ変わった。言い換えると、まだその土地やホテルを知らない人へ届く発信になったということだ。
自治体の発信で起きやすいのは、すでに関心のある住民や関係者ばかりが見ている状態である。フォロワー外に届いていない発信は、寄附者を新しく増やす力を持たない。
リール投稿をほぼ0件から6〜8件へ増やして何が変わったか
動画の投稿はほぼ0件から月6〜8件まで増えた。数を増やしたこと以上に、作る手順を決めて誰でも回せるようにした点が大きい。
動画は撮影も編集も重いと思われやすいが、無料のアプリで十分に形になる。編集の進め方は【2025年最新】Editsアプリの使い方を初心者にもわかりやすく解説!Instagramの編集に最もおすすめな理由とはでくわしく説明している。
- 撮る場面を事前に決めて迷う時間を削る
- 1本の長さを短く保ち最後まで見てもらう
- 文字を入れて音なしでも伝わる形にする
- 良かった投稿の型をそのまま次へ使う
自治体がこの流れを寄附の導線へ置き換える考え方
宿泊予約を寄附に置き換えても考え方は変わらない。知らない人へ届ける、興味を持った人を受け口へ運ぶ、申し込みまでの迷いを減らすという3つの流れで整える。
返礼品の写真を並べるだけでは他の自治体と区別が付かない。作り手の顔や産地の景色を動画で見せると、その土地を選ぶ理由が生まれる。
- 届ける相手:返礼品の種類ごとに想定する層を決める
- 受け口:プロフィールから寄附ページへ一直線でつなぐ
- 中身:生産者や加工の現場を短い動画で見せる
- 確認:寄附件数と閲覧の数字を同じ表で毎月並べる
大事なのは成果の出た型を自分の地域へ当てはめることで、ゼロから考える必要はない。発信の体制を作れば担当者が替わっても成果は残る。
ふるさと納税のSNS発信で起きやすい失敗と注意点
返礼品の宣伝だけになりフォローされない
返礼品と寄附額を並べるだけの発信は広告と変わらず、わざわざフォローする理由が生まれません。寄附先は返礼品で選ばれる一方で、記憶に残るのは地域の人や背景を伝えた投稿です。
宣伝だけのアカウントから抜け出すには、次の4つを投稿の型として混ぜていきます。
- 生産者や職人の仕事ぶりを追った動画
- 返礼品が手元に届くまでの工程や裏側
- 寄附金が実際に使われた事業の報告
- 季節の行事や町の風景といった地域そのもの
不動産会社の事例では代表が会社の理念と実績を書き続け、共感から高額な案件の受注につながりました。自治体でも人の顔が見える発信のほうが信頼を集めます。
担当者の異動で運用が止まる
自治体のSNSが止まる原因で最も多いのが人の入れ替わりです。アカウントの管理情報と投稿の判断が1人へ集まっていると、その人が異動した時点で発信が途切れます。
決裁者が先に決めるのは引き継ぎの形です。ログイン情報の管理場所と投稿の型と月の本数を文書に残せば、担当が替わっても同じ水準で回せます。引き継ぎは異動の内示が出てからでは間に合いません。
写真と動画の素材が足りず投稿が続かない
投稿が止まるもうひとつの原因が素材切れです。手元にある写真を使い切ると更新が月数本まで落ち、そのまま放置されるアカウントになります。素材は撮りためる仕組みで確保します。
- 返礼品の撮影と写真提供を事業者との取り決めに入れる
- 職員が現場へ出る日にスマホで短い動画を撮っておく
- 季節ごとに撮影日をまとめて設ける
- 寄附者から届いた写真を許可を取って使わせてもらう
ホテルの事例では写真中心の発信で内容が似通っていた状態から、リール動画を増やして予約につなげました。動画は素材の数より撮る習慣が成果を分けます。
炎上や誤情報への対応手順を決めていない
制度の説明を誤ると自治体への問い合わせが一気に増えます。控除の計算や申告の扱いは国税庁のページで必ず確認してから投稿します(参照:国税庁 タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除))。
あわせて、想定外の反応が起きたときの動き方を先に紙へ落としておきます。
- 誰が最初に気づいて誰へ連絡するかの順番
- 投稿を消すか残すかを判断する人
- 訂正文の書き方と出す場所
- コメント欄を閉じる条件
委託したまま中身を把握せず費用の判断ができなくなる
外部への委託は立ち上げの速さで有利ですが、中身を見ていないと次年度の予算を判断できなくなります。投稿が続いているという報告だけでは成果の有無が分かりません。
発注する前に、毎月の報告へ載せる数字と見せ方を自治体側から指定しておきます。表示回数とプロフィールへの流入と寄附ページへの遷移を並べれば、費用に見合うかを庁内で説明できます。職員が自分で投稿を作れる状態まで引き上げる進め方なら、委託費を下げながら発信を続けられます。
まとめ:ふるさと納税のSNS発信で決裁者が先に決めること
寄附の使い道を発信の軸として言葉にする
最初に決めるのは返礼品の見せ方ではなく寄附金の使い道をどう言葉にするかです。控除の仕組みは国が定めたもので自治体ごとの差は出ません(参照:国税庁 タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除))。違いが出るのは集めたお金で何を変えるかという説明の部分です。
庁内で決めておくと担当者が投稿のたびに迷わなくなります。
- どの事業にいくら充てるかを一言で言える形にする
- 支援する相手の姿を具体的な人物像まで落とす
- 成果が出たときに報告する約束を発信に入れる
- 返礼品の紹介でも使い道の一文を必ず添える
内製と委託の線引きを人員から決める
次に決めるのは誰がどこまでやるかです。担当者が兼務で動く自治体では撮影と編集まで抱えると発信が止まります。星晶会様の事例では専任者がいない状態から外部の支援を受けて運用の型を作り、応募につながる発信へ切り替えました。
線引きは次の順で考えると決まりやすくなります。
- 現場の人しか撮れない素材は庁内で集める
- 編集と投稿の設計は外部に任せる
- 数字の読み方は担当者が身につける
振り返る指標と報告の形を最初に決める
最後に決めるのは何を見て続けるかの基準です。寄附額だけを追うと季節の波に判断が振り回されます。フォロワー外への届き方とプロフィールへの流入を先に見ると発信の改善点がはっきりします。
- 月ごとに見る指標を三つまでに絞る
- 議会や上層部へ出す報告の様式を先に作る
- 三か月ごとに続けるか変えるかを判断する
この三つを決めてから始めれば担当者が替わっても発信は続きます。
よくある質問
Q1. ふるさと納税のSNS発信はどの媒体から始めるべきですか?
A. 写真と動画の素材が集まる自治体ならInstagramから始めるのが無難です。景観や食、生産者の表情が伝わりやすく、リール動画は地域を知らない層にも届きます。制度の期限や手続きの告知はXやFacebookで補うと役割分担ができます。
Q2. ふるさと納税のSNS発信で寄附が増えるまでにどのくらいかかりますか?
A. 投稿を始めた月に寄附が跳ねることはほとんどありません。閲覧数やプロフィールアクセスのような手前の指標が動き、そこから寄附につながる流れになります。芦原国際ホテル美松の事例では月間インプレッションが3.5万人から9.3万人へ伸びた段階で予約が動きました。
Q3. ふるさと納税のSNS発信は外注した方がよいですか?
A. 撮影と編集だけを外に出し、企画と地域の切り口は庁内に残す形が続きやすいです。全部を任せると地域の文脈が薄まり、費用に対して何が成果なのか判断できなくなります。判断の材料として投稿本数と閲覧数の報告を毎月受け取る形にします。
Q4. ふるさと納税のSNS発信で制度の説明はどこまで書くべきですか?
A. 控除の仕組みは要点だけにとどめ、詳しい条件は国税庁や総務省のページへ誘導します。寄附額のうち2,000円を超える部分が控除の対象になる点と、ワンストップ特例が5団体以内の給与所得者向けである点は押さえておきます。
Q5. ふるさと納税のSNS発信は職員が少なくても運用できますか?
A. 媒体を1つに絞れば少人数でも回ります。大事なのは投稿本数と担当の役割を先に決めることで、素材の撮りだめと投稿の曜日を固定すると止まりにくくなります。異動で止まらないよう手順を文書に残しておきます。
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