「Instagramを始めた方がいいのはわかっている。でも、何から手をつければいいのかわからない」 クリニックのSNS運用について、こうしたモヤモヤを抱えている方は少なくありません。
特に院長や受付スタッフが兼務で運用するケースでは、「投稿のネタが続かない」「効果があるのか判断できない」と壁を感じる場面が多いのではないでしょうか。一方で、患者さんがクリニックを選ぶ際にInstagramで院内の雰囲気やスタッフの人柄を確認する行動は、美容系に限らず歯科や小児科にも広がってきています。Instagram上に情報がないこと自体が、検討候補から外れるリスクになりつつあるのです。
この記事では、2026年最新のInstagramトレンドを踏まえた5つの集客戦略から、月3万円で始めるMeta広告テスト、担当者1名・週2回投稿でも成果を出す内製化の進め方、そしてKPI設計まで、「明日から実行できる」レベルで整理しました。大きな予算や専任担当者がいなくても始められる方法を、一緒に見ていきましょう。
クリニックのInstagram集客が今こそ必要な理由
少し前までは、クリニック探しといえばGoogle検索やポータルサイトの口コミが主流でした。しかし今、特に20〜40代の女性を中心に、Instagramで「地域名+クリニック」と検索してから来院先を決める方が増えてきています。
テキスト中心の口コミサイトでは伝わりにくい「院内の雰囲気」「スタッフの人柄」「施術のイメージ」が、写真や動画で直感的にわかることがその理由です。患者さんにとっては、ホームページの整った写真より、Instagramのリアルな院内の様子の方が「自分が通うイメージ」を持ちやすいのかもしれません。
「Instagramは美容クリニック向けでしょう?」という声もよくいただきますが、実際には歯科・小児科・内科など美容系以外でも活用が広がっています。歯科なら治療の流れを説明するカルーセル投稿、小児科なら待合室のキッズスペースの様子など、「行ってみないとわからない情報」を事前に見せることが来院のハードルを下げるきっかけになります。特に地域密着型のクリニックにとって、Instagramは大手ポータルサイトに埋もれない自院の個性を直接届けられるツールです。
Instagram集客で成果を出すクリニックに共通する5つの戦略
Instagram運用で成果を出しているクリニックには、いくつかの共通点があります。「何を投稿すればいいかわからない」というモヤモヤを抱えている方、多いんです。ここでは、私たちSNSCHOOLの支援経験も踏まえて、明日から実行できる5つの戦略を整理していきます。

1. リール動画で「院内の雰囲気」と「スタッフの人柄」を伝える
リール動画はフォロワー以外にも表示されやすい仕組みになっており、まだ自院を知らない潜在患者にリーチできる可能性が高い投稿形式です。施術前のカウンセリング風景、院内を歩いて回る紹介動画、スタッフが笑顔で対応している様子など、「この場所に行きたい」と思える雰囲気を動画で伝えるのが効果的です。
では、具体的にどんなリールが伸びるのか。SNSCHOOLの支援事例で得られた検証データでは、以下の構成要素が効果を発揮する傾向にあります。
- 15秒程度の長さに収める
- 3秒ごとに場面を切り替えて飽きさせない
- 人物が映っている(スタッフの顔や手元が見える)
- 生活感がある(過度に作り込みすぎない)
- 縦書き文字で要点をテロップ表示する
こうした要素を体系的にテストした支援先では、リーチ数が約5倍に伸びた実績があります。まずはスマートフォン1台で院内の日常風景を15秒のリールにするところから始めてみてください。
2. カルーセル投稿で施術の流れ・よくある質問を網羅する
カルーセル投稿(複数枚スワイプできる投稿)は、単一の写真投稿よりもリーチが広がりやすい傾向があります。クリニックとの相性が良いテーマとしては、施術の流れ(カウンセリング→施術→アフターケア)、よくある質問まとめ、症例の解説などがあります。
患者さんの複数の疑問にまとめて答えることで「このクリニック、丁寧に情報を出してくれるな」という信頼感につながります。特に施術内容がイメージしにくい診療科では、カルーセルで流れを可視化するだけで来院のハードルがぐっと下がる可能性があります。
3. キャプションSEOで地域名×悩みキーワードを自然に含める
Instagram責任者のAdam Mosseri氏は「ハッシュタグはリーチを増やす手段ではない」と明言しています。今注目されているのは、キャプション(投稿の本文)にターゲットが検索しそうなキーワードを自然に含める「キャプションSEO」です。
クリニックの場合、
- 「○○駅 皮膚科」「○○市 歯医者」など地域名×診療科目
- 「シミ取り 相談」「矯正 費用」など悩み×行動を含む言葉
- 「子ども 予防接種 スケジュール」など具体的な診療内容
といったキーワードをキャプションに織り込むのが有効です。
ハッシュタグは5個以内を目安に絞り、「患者さんがInstagramの検索窓に何と入力するか」を意識してキャプションを書く。この一手間が大きな差になる可能性があります
4. DM誘導の導線を全投稿に設置する
Instagram公式のアルゴリズムでは、DM共有(Sends per Reach)が新規リーチを拡大する最も強力なシグナルの一つとされています。クリニックの文脈では、DMは無料カウンセリングの予約や施術に関する質問への自然な入口です。
すべての投稿の末尾に「気になることがあれば、お気軽にDMでご相談ください」といった一文を添えてみてください。
SNSCHOOLの支援先では、DM誘導文を設置したことでいきなり3件の申込を獲得できたケースもあります。また「○○に悩んでいる友人がいたらこの投稿をシェアしてあげてください」と添えると、DM共有を自然に促すことができます。
5. 投稿テンプレート(型)で運用を効率化する
クリニックのSNS運用は通常業務と兼務のケースがほとんどです。毎回ゼロから考えていたら手が止まってしまいますよね。そこで有効なのが投稿の「型」を作ることです。
- 施術紹介テンプレート: 施術名→こんな方におすすめ→流れ→よくある質問→DM誘導
- 症例紹介テンプレート: 患者さんの悩み→選んだ治療法→経過→ドクターのコメント→DM誘導
- スタッフ紹介テンプレート: 名前・役職→担当業務→患者さんへのメッセージ→院内の一コマ
型があれば担当者が変わっても同じ品質のコンテンツを作り続けることができます。
SNSCHOOLでは投稿作成が1人の社員に依存してしまわないように、できるだけ複数人の方が投稿作成できるようになるためのワークショップを行っています。そうすることで、誰かが急に投稿できなくなってしまった場合でも、投稿の品質を保つことができるので、運用を継続できます。
▼ 参考(合わせてお読みください)
Instagramの集客方法のコツ10選!ハッシュタグや成功事例も
2026年最新トレンド「Raw Content」をクリニック運用に活かす方法
2026年、Instagram責任者のAdam Mosseri氏が「raw(生の)、real(本物の)、human(人間らしい)コンテンツを重視する」という方針を打ち出しました。これはクリニックの運用にとって追い風になる可能性があります。
Instagramが求める「加工しすぎない」コンテンツとは
「Raw Content」とは、過度に磨き上げず、ありのままの瞬間を切り取ったコンテンツのことです。TV番組のように凝った編集より、スマートフォンでさっと撮った素朴な動画の方が視聴者の心に響きやすくなります。
なぜ作りこまれた動画よりも、スマートフォンで撮ったような動画が響きやすいのか。それは、タイムライン上に流れてくる広告コンテンツの品質が年々上がっているからだと考えられます。
自分の興味のあるコンテンツを視聴していたのに、いきなり広告が出てきてうんざりした経験はないでしょうか?作り込みすぎたコンテンツは「広告だ」と判断されてスキップされてしまうリスクがあります。
だからこそ加工しすぎないコンテンツの方が伸びやすくなってきているのです。
医療広告ガイドラインとの整合性は?「リアル」が信頼につながる理由
注目すべきは、このトレンドと医療広告ガイドラインの精神が同じ方向を向いている点です。
ガイドラインでは誇大広告や誤認させる表現が禁止されていますが、加工を控えたリアルな写真や動画はそもそも「誇大表現」になりにくい特徴があります。
つまりRaw Contentを意識した運用は「アルゴリズムに評価されやすくなる」と「ガイドライン違反のリスクを下げられる」の両方を同時に実現できる可能性があるのです。
クリニックで実践するRaw Contentの具体例
では、クリニックの日常の中でどんな「Raw Content」が作れるのか。具体的なアイデアをいくつか紹介します。
1. 施術前カウンセリングの様子
ドクターが患者さんの話を丁寧に聞いている場面(もちろん患者さんの許可が必要です)。完璧なアングルやライティングでなくても、「ちゃんと話を聞いてくれるんだ」という安心感が伝わるだけで十分です。動画であれば、ドクターの声のトーンや表情から人柄が伝わり、テキストの口コミでは得られない情報を届けられます。
2. 待合室や受付の日常風景
清掃が行き届いた待合室、受付スタッフが笑顔で対応している瞬間、キッズスペースで遊ぶお子さんの様子など。こうした「ありのままの日常」こそ、患者さんが来院前に知りたい情報です。ホームページの「施設紹介」ページに掲載される完璧に整えられた写真よりも、普段の営業日にスマートフォンでさっと撮った一枚の方が、リアルな空気感が伝わります。
3. スタッフの素の会話やちょっとした裏側
「今日のランチ何食べた?」というような雑談をリールにする必要はありませんが、たとえば「新しい機器が入ったので使い方を練習中です」「患者さんからいただいた感想を院内で共有しました」など、仕事に関わるちょっとした裏側を見せるだけで、「ここで働いている人たちの雰囲気」が自然に伝わります。
4. 季節の変化や地域とのつながり
クリニック周辺の桜が咲いた様子、地域のイベントに参加したときの写真、近隣の飲食店とのコラボなど。「このクリニックは自分の生活圏にある」と感じてもらえる投稿は、地域密着型のクリニックならではの強みです。
大切なのは、「見映えのする特別な瞬間」を狙うのではなく、「普段通りの良さ」をそのまま切り取ることです。前のセクションで紹介したリール動画の最適構成(15秒・3秒切り替え・人物あり)と組み合わせれば、スマートフォン1台で十分に魅力的なRaw Contentを作ることができます。
2026年のInstagramは「飾らないクリニック」を正当に評価してくれる方向に動いています。この流れを活かして、自院の"ありのままの良さ"を届けていきましょう。
▼ 参考(合わせてお読みください)
【2025年】インスタ新時代到来!知らないとヤバい最新機能&アルゴリズム
低予算で始めるInstagram×Meta広告、広告費3万円からの集客術
「多少費用が掛かってもいいから一気にInstagramを伸ばしたい」
そう考えているかたはInstagram広告(Meta広告)の運用も考えてもよいでしょう。
実は、Meta広告は月3万円程度の少額からテストを始められます。
大切なのは、いきなり広告に予算を投じるのではなく、まず無料の投稿で「何が反応されるか」を見極めてから広告に移行するというステップです。
まずは通常投稿で「勝ちパターン」を見つける
広告を出す前に、まずやるべきことがあります。それは、通常の投稿の中で「どんな内容が患者さんに響くのか」を検証することです。
具体的には、投稿画像や動画の要素をABテストで比較していきます。クリニックであれば、たとえば次のような項目を変えて反応の違いを見てみてください。
- 院内写真の撮影アングル(広角で全体を見せる vs 一部にフォーカスする)
- スタッフの顔出しあり vs なし
- 施術の流れを見せる vs 完成後の結果だけを見せる
- 明るい雰囲気の写真 vs 落ち着いたトーンの写真
SNSCHOOLの支援先でも、投稿画像のABテスト(外観vs内観、人物の有無、明るさの違いなど)を体系的に行い、勝ちパターンを見つけた事例があります。
その結果、Instagram経由の来店比率が25%から41%に改善し、リーチ数も約4倍(2.8万→11.7万)に伸びました。
「ABテスト」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、やることはシンプルです。似たテーマの投稿を2パターン作り、どちらがより多くの反応(いいね・保存・DM)を得られたかをインサイトで確認する。これを数週間繰り返すだけで、自院の投稿の「型」が見えてきます。
この段階では広告費はゼロです。無料の投稿だけで「どんなクリエイティブが自院のターゲットに刺さるのか」がわかれば、その知見をそのままMeta広告のクリエイティブに転用できます。つまり、無駄打ちのリスクを最小限に抑えた状態で広告をスタートできるということです。
広告ライブラリで競合クリニックの広告をリサーチする
勝ちパターンの仮説をさらに強化するために、もう一つ活用したいのがMeta広告ライブラリです。これはMeta社が公開している無料のツールで、現在配信中のFacebook・Instagram広告を誰でも検索・閲覧できます。
使い方は簡単です。広告ライブラリにアクセスし、同じ地域の競合クリニック名や「美容皮膚科」「歯科矯正」などのキーワードで検索すると、そのクリニックが実際に配信している広告クリエイティブ(画像・動画・テキスト)を確認できます。
ここでチェックすべきポイントは次の3つです。
- どんなビジュアルを使っているか(施術写真?院内風景?スタッフの顔出し?)
- どんな訴求文を書いているか(価格訴求?悩み共感型?実績アピール?)
- どんな行動喚起(CTA)を設定しているか(予約?無料相談?LINE登録?)
競合の広告を見ることで、「この地域ではこういう訴求が主流なんだな」「逆にこの切り口はまだ誰もやっていないな」という仮説が立てられます。自院の広告を作る際、ゼロから考えるよりもはるかに精度の高いクリエイティブが設計できるようになります。
もちろん、競合の広告をそのまま真似するのではなく、先ほどのABテストで見つけた自院の勝ちパターンと掛け合わせることが大切です。「競合はスタッフの顔出しをしていないけど、自院ではスタッフ紹介リールの反応が良かった。なら、広告でもスタッフの顔出しを活かそう」といったような判断ができるようになります。
月3万円でも成果が出た実例
SNSCHOOLが支援した事例では、フォロワー0人の状態から広告費3万円で3件の申込を獲得しています。
小額でデータを取り、成果が見えてからスケールするのがリスクを抑えた進め方です。
「初診カウンセリング無料」「○○駅から徒歩3分」といった訴求をリール動画広告にして2〜4週間テストし、反応を見ながら調整する。この小さなPDCAなら、広告予算が限られるクリニックでも無理なく始められるはずです。
▼ 参考(合わせてお読みください)
SNS広告のメリットとデメリットは?費用や成功事例を種類ごとに解説
担当者1名・週2回投稿で成果を出す内製化ロードマップ
Instagram集客の戦略やトレンドを理解しても、「結局、うちのクリニックで誰がやるの?」という問題にぶつかる方は多いのではないでしょうか。
上位記事の多くはSNS運用代行や外部コンサルの活用を前提にした内容ですが、クリニックの現場では院長や受付スタッフが通常業務と兼務でSNSを運用するケースがほとんどです。
ここでは、外部に頼らず自院で回せる内製化の具体的なロードマップをご紹介します。

クリニックの運用体制を決める(院長・受付・専任の役割分担)
内製化の第一歩は、「誰が何を担当するか」を明確にすることです。よくある失敗パターンは、「とりあえず院長がやる」「手が空いた人がやる」と曖昧にしてしまい、いつの間にか更新が止まってしまうケースです。
クリニックの規模や人員によって最適な体制は異なりますが、最小構成として以下の3つの役割を誰かに割り当てておくと、運用が回りやすくなります。
- 撮影担当: 院内の写真・動画を撮る人。受付スタッフやアシスタントが適任。スマートフォンで十分
- 投稿作成担当: 撮影素材をもとに投稿を作成・公開する人。型(テンプレート)があれば1投稿15〜20分で作成可能
- 数値確認担当: 週1回、Instagramインサイトを見て「何が反応されたか」を確認する人。院長やマネージャーが兼務しても可
大切なのは、これら3つの役割を1人が兼務しても問題ないということです。実際に、SNSCHOOLの支援先では担当者1名が撮影・投稿作成・数値確認のすべてを担い、週2回の投稿ペースを月40時間の稼働で維持しています。
月40時間と聞くと多く感じるかもしれませんが、1日あたりに換算すると約2時間です。2人以上で分担すれば1日1時間以下になります。
診療の合間や閉院後の時間を使えば、通常業務に大きな支障をきたさない範囲で運用できる計算です。最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。まずは「撮影する人」と「投稿する人」を決めるだけでも、運用は動き始めます。
投稿の型を作れば担当者が変わっても品質を維持できる
運用体制を決めたら、次に取り組みたいのが「投稿の型(テンプレート)」の整備です。先述の通り、型があれば「今日は何を投稿しよう」と悩む時間を大幅に削減できます。しかし型の本当の価値は、属人化を防げるという点にあります。
クリニックのSNS運用で最もリスクが高いのは、「担当者が退職したらノウハウも一緒に消えてしまう」という事態です。型が文書化されていれば、新しい担当者に引き継いでも同じ品質のコンテンツを作り続けることができます。
型を作る際は、次のような情報を1枚のシートにまとめておくと便利です。
- 投稿の目的(施術紹介 / 症例解説 / スタッフ紹介 / 院内紹介 など)
- 構成のテンプレート(1枚目:キャッチコピー → 2枚目:詳細説明 → 最終枚:DM誘導)
- キャプションの型(冒頭の問いかけ → 本文の説明 → 地域名×悩みキーワード → DM誘導文)
- 撮影の指示(撮影場所・アングル・人物の有無・自然光を使うかどうか)
- 使用するハッシュタグ(5個以内に絞る目安)
クリニックでも同じアプローチが有効です。たとえば、施術紹介カルーセルの型を1つ作り、「シミ取り」「ニキビ治療」「ホワイトニング」など施術名だけを入れ替えれば、同じフォーマットで複数の投稿が効率よく量産できます。
▼参考(合わせてお読みください)
SNS運用を内製化するメリットとは?外注との違い・成功ステップまで徹底解説
Instagram経由の来院比率を高めるKPI設計と効果測定
「投稿は続けているけど、本当に集客につながっているのかわからない」
Instagram運用で最も多い悩みの一つです。
効果が見えないまま続けていると、担当者のモチベーションが下がるだけでなく、上司や経営層から「SNSって意味あるの?」と問われたときに答えられません。
クリニックのInstagram運用で追うべきKPI(重要業績評価指標)の設計と、数値を改善につなげるための効果測定の方法を具体的に解説します。
クリニックが追うべき3つのKPI(リーチ・DM共有率・予約転換率)
Instagramのインサイトには多くの指標が表示されますが、すべてを追う必要はありません。クリニックの集客という目的に照らすと、特に注視すべきKPIは次の3つに絞れます。

1. リーチ数(まだ自院を知らない人にどれだけ届いたか)
リーチ数は、投稿がユニークユーザーに表示された回数です。フォロワー数とは違い、「フォロワー以外にどれだけ届いたか」がわかるため、新規患者の獲得ポテンシャルを測る指標になります。リール動画やカルーセル投稿はフォロワー外へのリーチが伸びやすい傾向がありますので、投稿形式ごとのリーチ数を比較すると、どのフォーマットが自院のターゲットに届きやすいかが見えてきます。
2. DM共有率(投稿がどれだけ友人にシェアされたか)
先述の通り、Instagram公式のアルゴリズムでは「DM共有(Sends per Reach)」が新規リーチを拡大する最も強力なシグナルの一つとされています。つまり、この数値が高い投稿ほどアルゴリズムに「価値あるコンテンツ」と評価され、さらに多くの人に表示されやすくなります。
クリニックの文脈で考えると、DM共有は「友人への口コミ紹介」と同じ構造です。「○○に悩んでいる友人にこの投稿を教えたい」と思ってもらえる、症状別の対処法まとめや、初診の流れをわかりやすく説明したカルーセルなどは、DM共有されやすい傾向があります。
3. 予約率(Instagramからの問い合わせ・予約がどれだけ発生したか)
最終的にクリニックが求めているのは「来院」です。リーチやDM共有はあくまで中間指標であり、ゴールは予約・来院につながったかどうかです。
予約率を把握するには、Instagram経由の問い合わせ数を追跡する仕組みが必要です。たとえば、DMでの問い合わせ件数を週ごとに記録する、プロフィールリンクに予約フォームのURLを設置してそこからの流入数を計測する、初診時の問診票に「当院を知ったきっかけ」の選択肢を入れるなど、シンプルな方法で十分です。
この3つのKPIを「リーチ → DM共有 → 予約」というユーザー行動で捉えると、どこにボトルネックがあるかが見えやすくなります。「リーチは伸びているのに予約が増えない」ならDM誘導の導線に問題があるかもしれません。「そもそもリーチが伸びていない」なら投稿の形式やキャプションSEOを見直す余地があります。
Instagramインサイトの見方と改善アクション
KPIを設計したら、次は実際にInstagramインサイトで数値を確認する習慣をつけることが大切です。「数字が苦手で…」という方にも配慮して、最低限見るべきポイントに絞って説明します。
Instagramインサイトは、ビジネスアカウント(またはクリエイターアカウント)に切り替えるだけで無料で使える分析機能です。プロフィール画面の「インサイト」ボタンから確認できます。
週に1回、以下の3つだけチェックしてみてください。
- リーチしたアカウント数: 過去7日間でどれだけの人に投稿が届いたか。前週と比較して増減を確認する
- コンテンツごとのインタラクション: 各投稿のいいね・保存・シェア・コメント数。特に「保存」と「シェア」が多い投稿は、アルゴリズムに評価されやすいコンテンツの目安になる
- プロフィールへのアクセス数: 投稿を見た人が「このクリニックについてもっと知りたい」とプロフィールを訪れた回数。ここが増えていれば、投稿の内容がターゲットの関心と合致している可能性が高い
これらの数値を、簡単なスプレッドシート(ExcelやGoogleスプレッドシートで十分です)に週1回記録するだけで、時系列での変化が見えるようになります。SNSCHOOLの支援でも、予実管理シートで目標との差分を確認・改善するプロセスを重視しています。数値を記録する習慣が定着すると、「なんとなく投稿している」状態から「データに基づいて改善している」状態に変わります。
改善アクションの具体例もいくつか挙げておきます。
- リーチが伸びない → リール動画の比率を増やす、キャプションに地域名×悩みキーワードを含める
- 保存・シェアが少ない → 「あとで見返したい」と思える情報量のある投稿(カルーセルやQ&Aまとめ)を増やす
- プロフィールアクセスが少ない → 投稿のキャプション末尾に「プロフィールのリンクから予約できます」と導線を明記する
- DM問い合わせが少ない → 先述のDM誘導文を全投稿に設置し、ストーリーズでも質問スタンプを活用する
来院比率25%→41%に改善した事例から学ぶPDCAの回し方
KPIの設計とインサイトの確認方法がわかったところで、実際にKPI管理を徹底して成果を出した事例を紹介します。
SNSCHOOLが支援した企業では、Instagram経由の来店比率が当初25%でした。悪くない数字に見えますが、「もっとInstagram経由の反響を増やしたい」という目標を掲げ、以下のPDCAサイクルを回しました。
■Plan(計画):
KPIとして「Instagram経由来店比率」「リーチ数」「月間反響数」を設定し、予実管理シートに目標値を記入。
■Do(実行):
投稿画像のABテストを体系的に実施。サムネイルの要素(空間のイメージしやすさ、人物の有無、明るさなど)を一つずつ変えて投稿し、
どの要素が反応を高めるかを検証しました。また、地域に関連するインフルエンサーを起用してリーチの拡大も図っています。
■Check(確認)
予実管理シートで毎週、目標と実績の差分を確認。「目標リーチ数に対して今週は80%だった」「ABテストでは人物ありの方が保存率が1.5倍高かった」など、
データに基づいて状況を把握しました。
■Action(改善):
Checkの結果を受けて、翌週の投稿内容を調整。たとえば「人物ありの方が反応が良い」とわかれば、翌週からスタッフや顧客が映った投稿の比率を増やす、
という具体的なアクションにつなげています。
このPDCAを継続した結果、Instagram経由の来店比率は25%から41%に改善。リーチ数も約4倍(2.8万→11.7万)に伸び、月間反響数は8組を獲得するまでになりました。
この事例がクリニックに示唆しているのは、「数値を追い、仮説を立て、改善を繰り返す」というシンプルなプロセスの力です。院内写真の撮影アングルを変える、スタッフの顔出し投稿を増やす、キャプションのキーワードを調整する——一つひとつは小さな変更ですが、KPIに基づいて判断すれば、どの変更が効果的だったかが明確になります。
効果測定は難しそうに見えますが、やることは「3つのKPIを決める」「週1回インサイトを見る」「数値をもとに次週の投稿を調整する」の3つだけです。この小さなサイクルを回し続けることで、Instagram経由の来院比率は着実に高めていけるはずです。一緒に取り組んでいきましょう。
▼ 参考(合わせてお読みください)
SNSマーケティングのKPIの設定方法は?媒体・目的別に解説
クリニックのInstagram集客に関するよくある質問
ここまでの内容を踏まえて、クリニックのInstagram集客について読者の方からよくいただく疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. クリニックのInstagram運用は誰が担当すべきですか?
院長が自ら運用する必要はありません。受付スタッフやアシスタント1名でも、投稿の型(テンプレート)を用意しておけば品質を保ちながら運用を続けることができます。大切なのは「誰が撮影し、誰が投稿し、誰が数値を確認するか」の役割を明確にしておくことです。担当者1名・週2回投稿でも十分に成果を出せた事例がありますので、最初から大きな体制を作る必要はありません。
Q. 美容クリニック以外(歯科・小児科など)でもInstagram集客は効果がありますか?
効果が期待できます。患者さんがInstagramで求めているのは施術のビフォーアフターだけではなく、「院内の雰囲気」「スタッフの人柄」「通いやすさ」といった情報です。歯科なら治療の流れを説明するカルーセル投稿、小児科なら待合室のキッズスペースの様子など、来院前の不安を和らげるコンテンツが集客につながります。特に地域密着型のクリニックでは、「地域名+診療科目」のInstagram検索で見つけてもらえるチャンスが広がっています。
Q. Instagram広告は最低いくらから始められますか?
月3万円程度からテスト配信を始めることが可能です。ただし、いきなり広告に予算を投じるのではなく、まずは無料の通常投稿でABテストを行い、「どんなクリエイティブがターゲットに響くか」という勝ちパターンを見つけてから広告に移行するのが効果的です。小額のテストでデータを取り、成果が見えてから予算を増やすステップを踏めば、無駄打ちのリスクを抑えられます。
Q. 医療広告ガイドラインに違反しないためにInstagramで気をつけることは?
主に注意すべきポイントは、ビフォーアフター写真の掲載条件(治療内容・費用・リスク・副作用の明示が必要)、患者さんの体験談の取り扱い(誤認を招く表現の禁止)、費用に関する情報の明示です。2026年のInstagramトレンドである「Raw Content(加工しすぎないコンテンツ)」は、誇大表現になりにくいという点でガイドラインの精神とも合致しています。過度な加工を避けたリアルな情報発信を心がけることが、ガイドライン準拠と集客効果の両立につながる可能性があります。
Q. ハッシュタグは何個つけるべきですか?
ハッシュタグの個数よりも、キャプション(投稿本文)内のキーワードの方がリーチに影響する傾向が強まっています。InstagramのAdam Mosseri氏も「ハッシュタグはリーチを増やす手段ではない」と公式に発言しています。ハッシュタグは5個以内を目安に関連性の高いものだけに絞り、それよりもキャプションに「○○駅 皮膚科」「シミ取り 相談」など、患者さんが検索しそうなキーワードを自然に含める「キャプションSEO」を意識する方が効果的です。
まとめ——クリニックのInstagram集客は「小さく始めて型を作る」が正解
この記事では、クリニックがInstagramで集客するための具体的な戦略と実践方法を一つひとつ見てきました。最後に、要点を振り返っておきます。
- リール動画とカルーセル投稿で、院内の雰囲気やスタッフの人柄といった「行ってみないとわからない情報」を届ける
- キャプションSEOで地域名×悩みキーワードを自然に含め、ハッシュタグに頼らないリーチを獲得する
- 2026年のRaw Contentトレンドを活かし、加工しすぎないリアルな発信で信頼とアルゴリズム評価の両方を得る
- 月3万円からのMeta広告テストで、無料投稿の勝ちパターンを広告に転用し、小さくROIを検証する
- 投稿の型(テンプレート)を整備して属人化を防ぎ、担当者1名・週2回投稿でも継続できる内製化体制を作る
- 3つのKPI(リーチ・DM共有率・予約転換率)を設計し、週1回のインサイト確認でPDCAを回す
どの施策も共通しているのは、「最初から完璧を目指さず、小さく始めて型を作り、データを見ながら改善していく」という考え方です。大きな広告予算も、専任のSNS担当者も、最初からは必要ありません。スマートフォン1台と、投稿の型と、週に1回インサイトを見る習慣——この3つがあれば、Instagram集客は動き始めます。
「自院の場合、具体的にどこから手をつければいいか相談したい」という方は、SNSCHOOLの無料相談をご活用ください。クリニックの診療科目や運用体制に合わせた、最初の一歩を一緒に考えていきます。