企業SNS炎上対策ガイド|原因・事例・5つの対策ステップを解説

更新日:2026.02.25

企業SNSの炎上はなぜ起こるのか?原因パターンや実際の事例、アルゴリズムが拡散を加速する仕組みを解説し、今日から着手できる5つの対策ステップを具体的に紹介します。攻めの運用体制づくりのヒントもぜひ参考にしてください。

「企業のSNSアカウントが炎上したらどうしよう」
SNS運用を担当していると、この不安が頭をよぎる瞬間があるのではないでしょうか。

実際に企業の広報・マーケティング担当者の約4割が、SNS上の炎上やトラブルに関与・目撃した経験があるという調査結果もあり、炎上は決して他人事ではなくなっています。
それにもかかわらず、企業として事前にSNSリスク対策を講じていると答えたのは全体の35%にとどまり、特にトラブル未経験企業の対策率は23.7%という心もとない状況です。
(株式会社エルテス「SNSの炎上などのトラブルに関するアンケート」:https://eltes.co.jp/news/20251008
私はSNSコンサルタントとして700社以上の企業を支援してきましたが、「炎上が怖いからSNSに消極的になる」のではなく、「正しく備えて、攻めの運用を続ける」ことが最善の炎上対策だと実感しています。

この記事では、炎上が起こる原因パターンやアルゴリズムが拡散を加速させる仕組みを構造的に解説したうえで、今日から社内で着手できる5つの対策ステップを具体的に整理しました。

さらに、守りのルール作りにとどまらない「攻めの運用体制」という視点から、炎上しにくい組織づくりのヒントもお伝えしています。自社のSNS運用に漠然とした不安を感じている方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

企業SNSの炎上はなぜ起こる?最新データで見るリスクの実態

「炎上なんて、うちには関係ない」

そう思っていませんか?

ここでは、最新の発生件数データと原因パターンを整理し、自社がどんなリスクを抱えているのかを確認していきます。

炎上発生件数の推移と2025年の最新傾向

SNS炎上の発生件数は、年々増加傾向にあります。2025年8〜9月の炎上事案分析データによると、企業に関連する炎上案件は依然として高い水準で推移しており、沈静化の兆しは見えていません。

背景には、SNS利用者数そのものの増加に加え、スクリーンショットの拡散やまとめ投稿によって、一つの問題が複数のプラットフォームをまたいで広がりやすくなっている状況があります。

かつては「X(旧Twitter)で燃える」というイメージが強かったかもしれませんが、現在ではInstagramやTikTokでも炎上が発生しており、どのプラットフォームで運用していてもリスクはゼロではないと考えておく必要があります。

企業SNSが炎上する3つの主な原因パターン

企業SNSの炎上原因は、大きく3つのパターンに分類できます。自社の運用に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

企業SNSが炎上する3つの原因パターンを分類した図解

1. 企業公式アカウントの不適切投稿

最も多いパターンの一つが、公式アカウントからの投稿そのものが問題視されるケースです。特定の社会問題への軽率な言及、差別的と受け取られる表現、時事ネタへの便乗投稿など、投稿者に悪意がなくても「読み手がどう感じるか」の想像が不足していると炎上につながる可能性があります。

特に担当者が一人で運用している場合、投稿前のチェック機能が働かないため、個人の感覚に頼った投稿がそのまま公開されてしまうリスクが高まります。

2. 顧客対応の不備が拡散されるケース

商品の不具合やサービスへの不満を投稿した顧客に対し、企業が適切に対応できなかった場合も炎上の火種になります。
顧客のクレーム投稿を無視したり、テンプレート的な返答で済ませたりすると、「この企業は顧客を大切にしていない」という印象が広がり、当初の問題以上に大きな批判を招くことがあります。

3. 商品・サービス自体への批判が広がるケース

広告表現と実際の商品にギャップがある場合や、品質に問題があった場合、SNS上で一気に批判が集まることがあります。
こうしたケースでは投稿内容ではなく事業そのものが問題になるため、SNS運用チームだけでは対応が難しく、全社的な対応が求められます。

従業員の個人SNSが引き金になるケースとは

見落とされがちなのが、従業員のプライベートなSNS投稿が企業の炎上につながるケースです。

職場の内部情報を投稿する、顧客の個人情報が写り込んだ写真をアップする、勤務中の不適切な行為を自ら発信するといった投稿が拡散されると、企業名が特定され、企業全体の信用問題に発展します。

厄介なのは、従業員本人は「プライベートのSNSだから」と考えていることがほとんどで、企業への影響を意識していない点です。私のコンサルティング経験でも、「まさか従業員の個人アカウントから火がつくとは思わなかった」という声を聞くことはよくあります。

企業の公式アカウントにはガイドラインを設けていても、従業員の個人利用にまでルールが及んでいない企業が多いのが実態です。では具体的にどのような対策ステップを踏めばよいか整理していきましょう。

▼ 参考(合わせてお読みください)
企業SNS炎上の原因と事例まとめ|起きたときの初動対応と防止策【2025年最新版】

SNS炎上が企業にもたらす損害とは?株価・売上・採用への影響

「SNSで少し騒がれただけでしょ?」と、炎上の影響を軽く見てしまう経営層は少なくありません。
しかし実際には、炎上はブランド価値・売上・株価・採用活動にまで波及する経営リスクです。ここでは定量データを交えながら、炎上が企業にもたらす具体的な損害を整理していきます。

ブランドイメージの毀損と売上への影響

炎上がもたらす最も深刻なダメージの一つが、ブランドイメージの毀損です。

炎上した企業の商品やサービスに対して、消費者が「なんとなく避ける」という行動は想像以上に長く続く傾向があります。SNS上の炎上は検索エンジンにもインデックスされるため、企業名で検索したときにネガティブな情報が上位に表示される状態が数ヶ月から数年にわたって残ることも珍しくありません。

特に採用活動への影響は見落とされがちです。就職活動中の学生や転職希望者は、企業名をSNSで検索する習慣が定着しています。過去の炎上情報が目に入ることで、応募をためらう優秀な人材が出てくる可能性は十分にあります。「採用コストの増加」という形で、炎上の影響が間接的に表れるケースです。

株価下落リスクと投資家からの信頼低下

上場企業にとって、炎上は株価への直接的な影響も懸念されます。ネット炎上と株価の関連性を分析した調査では、炎上発生後に株価が一時的に下落する傾向が報告されています。
(ネット炎上が株式市場に与える影響についての研究:https://www.jsda.or.jp/about/kaigi/chousa/JCMF/takedaronbun3.pdf)。

もちろん、すべての炎上が株価に大きな影響を与えるわけではありません。しかし、炎上の内容が企業のコンプライアンス体制や経営姿勢そのものに疑問を投げかけるものである場合、投資家の判断に影響する可能性は高まります。一過性の話題として消化される炎上と、企業価値の根幹を揺るがす炎上では、その後の回復スピードにも大きな差が生まれます。

非上場の中小企業であっても、取引先やパートナー企業からの信頼低下という形で同様のリスクが存在します。「あの会社、SNSで炎上していたよね」という評判は、BtoBの商談にも影響を及ぼしかねません。

対策済み企業と未対策企業の「その後」の差

ここで注目したいのが、炎上対策を事前に講じていた企業とそうでない企業の「その後」の差です。

事前に対応フローやガイドラインを整備していた企業は、炎上発生時の初動が速く、被害を最小限に抑えられる傾向があります。一方、対策を講じていなかった企業は、「誰が対応するのか」「どこまで謝罪するのか」「投稿を削除すべきか」といった判断に時間がかかり、その間にも批判が拡大してしまう悪循環に陥りがちです。

SNSCHOOLでも700社以上の企業を支援してきた中で、「なんとなく運用している」状態の企業ほど、いざトラブルが起きたときの対応に苦慮されるケースを多く見てきました。体系的な運用体制がないまま投稿を続けている企業は、炎上リスクに対して無防備な状態にあるといえます。

炎上対策は「コスト」ではなく、ブランド・売上・採用・取引先との関係を守るための「投資」として捉えることが大切です。

▼ 参考(合わせてお読みください)
SNSブランディング成功事例まとめ|認知拡大とファン化の秘訣

知っておくべき企業SNS炎上事例と原因分析

炎上のリスクや損害を理解したところで、ここからは実際に起きた事例を見ていきます。先述の3つの原因パターンの公式アカウントの不適切投稿、従業員の個人投稿、顧客対応の不備、それぞれについて具体的なケースを確認し、「何が問題だったのか」を分析していきます。

公式アカウントの不適切投稿による炎上事例

企業の公式アカウントが発端となる炎上は、最もダメージが大きいパターンの一つです。企業として発信しているという性質上、「担当者個人のミス」では済まされず、企業全体の姿勢が問われることになります。

よく見られるのが、社会的にセンシティブな話題への安易な便乗投稿です。記念日や時事ネタに絡めた投稿で注目を集めようとした結果、特定の立場の人々を傷つける表現になってしまい、批判が殺到するケースが繰り返し発生しています。また、競合他社を揶揄するような投稿や、自社商品の過大な表現が「炎上のきっかけ」になることもあります。

こうした事例に共通しているのは、投稿前に「この投稿を見た人がどう感じるか」を複数の視点でチェックする体制がなかった点です。担当者一人の判断で投稿が公開される環境では、無意識の偏見や配慮不足がそのまま表に出てしまう可能性が高まります。

従業員の個人投稿が企業に飛び火した事例

従業員がプライベートのSNSアカウントで投稿した内容が拡散され、勤務先の企業まで批判が及ぶケースも後を絶ちません。

代表的なのが、いわゆる「バイトテロ」と呼ばれる事例です。飲食店や小売店の従業員が、店舗内での不衛生な行為や悪ふざけを動画や写真で投稿し、瞬く間に拡散されるパターンです。企業の採用・教育体制そのものに疑問が向けられ、店舗の一時閉鎖や売上の急減につながったケースも報告されています。

また、勤務先の内部情報や顧客情報を投稿してしまうケースも深刻です。「今日こんなお客さんが来た」といった何気ない投稿でも、個人が特定できる情報が含まれていれば、プライバシー侵害として企業の管理責任が問われます。

こうした炎上の厄介な点は、企業が事前に把握・制御しにくいことにあります。先述の通り、従業員本人は「プライベートのSNS」という認識で投稿しており、企業への影響を想定していないことがほとんどです。

顧客クレーム対応の不備から拡大した事例

商品やサービスに不満を持った顧客がSNSに投稿し、それに対する企業の対応が不適切だったことで炎上が拡大するパターンも増えています。

典型的な流れとしては、顧客がSNS上で不満を投稿した段階では、まだ「個人の声」にとどまっています。
しかし、企業がその投稿を無視する、あるいは定型文のような対応で済ませてしまうと、「この企業は顧客の声を聞かない」という二次的な批判が加わり、問題が一気に拡大します。
さらに、他のユーザーが「自分も似た経験がある」と同調の投稿を始めると、企業全体のサービス品質が疑問視される事態に発展する可能性があります。

逆に、迅速かつ誠実な初動対応によって事態を収束させた企業もあります。問題を認め、原因と改善策を具体的に示し、対応の経過を透明性をもって発信した結果、「誠実な企業だ」とむしろ好感度が上がったケースもあります。対応の質が、炎上を「危機」で終わらせるか「信頼回復の機会」に変えるかを左右するといえます。

事例から読み取る「炎上しやすい企業」の共通点

これらの事例を横断して見ると、炎上しやすい企業にはいくつかの共通点が浮かび上がります。コムニコが公開した炎上レポートでも、炎上ジャンル別の傾向が分析されており、業種や投稿内容によってリスクの種類が異なることが示されています。
(コムニコ、「炎上レポート」2024年版を公開:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000222.000028382.html

炎上しやすい企業の共通点として、以下の3つが挙げられます。

1. ガイドラインが未整備、または形骸化している

投稿ルールが明文化されていない、もしくはルールはあっても実際の運用に反映されていない状態です。

「ガイドラインは作ったけど、誰も見ていない」という企業は意外と多いのが実態です。

2. 投稿前のチェック体制が機能していない

担当者一人が企画から投稿まで行い、第三者の目が入らない状態は、不適切な表現を見逃すリスクが高くなります。特に「急いで投稿しなければ」というタイムリー性を意識するあまり、チェックを省略してしまうケースが見受けられます。

3. 炎上発生時の初動対応フローが決まっていない

炎上が起きてから「誰が対応するのか」「どこまで謝罪するのか」を議論していては、対応が遅れ、その間に批判がさらに広がります。
事前に対応フローを決めておくことが、被害を最小限に抑える鍵になります。

SNSCHOOLでも工務店・不動産・食品・アパレル・IT人材など多様な業種の企業を支援する中で、業種ごとに炎上しやすいポイントが異なることを実感しています。たとえば、顧客との距離が近い業種ではクレーム対応起点の炎上リスクが高く、BtoB企業では従業員の個人投稿が火種になりやすい傾向があります。自社の業種特性に合わせたリスクの洗い出しが、効果的な対策の第一歩になります。

次のセクションでは、こうした炎上がSNSのアルゴリズムによってどのように加速されるのか、プラットフォームごとの構造的なリスクを解説していきましょう。

▼ 参考(合わせてお読みください)
SNSの炎上事例6選!プロが教える原因と今すぐできる予防策

アルゴリズムが炎上を加速する仕組み ― X・Instagram・TikTokの構造的リスク

前章では、炎上が起こる原因パターンと具体的な事例を見てきました。しかし「なぜ炎上はあれほど短時間で爆発的に広がるのか?」という疑問に対しては、もう一つの視点が必要です。
それが、各SNSプラットフォームのアルゴリズムの仕組みです。

X・Instagram・TikTokそれぞれの構造的なリスクを理解し、炎上対策の優先順位を正しく設定するための知識を整理していきます。

X・Instagram・TikTokのアルゴリズムが炎上を拡散させる仕組みを比較した図

X(旧Twitter)— リプライの重みと初動15〜30分の決定的重要性

Xのアルゴリズムには、炎上を加速させやすい構造的な特徴があります。特に理解しておきたいのが、エンゲージメントの「重みづけ」です。

Xではリプライ(返信)の重みが、いいねの約75倍に設定されているとされています。つまり、批判的なリプライが集中する投稿は、アルゴリズム上「話題性が高いコンテンツ」として評価され、より多くのユーザーのタイムラインに表示されやすくなるのです。炎上投稿に批判が集まれば集まるほど、さらに多くの人の目に触れるという拡散のループが生まれます。

さらに注意が必要なのが、投稿後15〜30分の初動の重要性です。Xのアルゴリズムは投稿直後のエンゲージメント速度を重視する傾向があり、この短い時間帯に大量のネガティブなリプライやミュート・ブロックが発生すると、投稿の拡散が一気に加速します。ミュートやブロックの重みもいいねの約6倍とされており、多くのユーザーから短時間でミュート・ブロックされた投稿は、アカウント全体のリーチにも長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。

こうした構造を踏まえると、Xでの炎上対策は「問題のある投稿をいかに早く発見し、対応するか」が勝負になります。15〜30分という時間は短く感じるかもしれませんが、この初動のスピードが炎上の規模を大きく左右するという認識を持っておくことが大切です。

また、Xではハッシュタグの使用が公式に非推奨とされている点も見落とされがちです。不用意にハッシュタグを付けると、本来の文脈とは異なるユーザー層にまで投稿が届き、意図しない形で批判を集めるリスクがあります。

Instagram — DM共有による拡散メカニズムとレコメンド除外基準

Instagramの炎上拡散メカニズムは、Xとは異なる特徴を持っています。Instagramでは、DM(ダイレクトメッセージ)での共有率が新規リーチを左右する最重要指標の一つとされています。

ネガティブな内容や問題のある企業投稿は、ユーザー同士のDMで「これ見た?」と共有されやすい傾向があります。
DMでの共有はアルゴリズム上もポジティブなシグナルとして評価されるため、問題のある投稿が「話題のコンテンツ」として発見タブやリール欄に表示され、フォロワー外にまで広がっていく構造になっています。Xのようにリプライ欄で批判が可視化されるのとは違い、DMという見えにくい経路で拡散が進むため、企業側が炎上の広がりを把握しにくいのが厄介な点です。

一方で、Instagramにはレコメンド(推奨面)から除外されるコンテンツカテゴリが明確に設けられています。
政治的なコンテンツ、センシティブな健康・金融情報、クリックベイト(過度に注意を引くタイトルや表現)などが該当します。こうした除外基準を理解しておくことは、炎上予防にも直結します。たとえば、過激な表現でエンゲージメントを稼ごうとする投稿は、仮に炎上しなくてもレコメンドから除外されてリーチが制限されるリスクがあるのです。

2026年のInstagramでは「raw・real・human(加工しすぎない、リアルで、人間味のある)」コンテンツが支持される傾向が強まっています。過度に作り込んだ企業投稿よりも、正直で等身大の発信を続けるアカウントの方が、日頃からユーザーとの信頼関係を築きやすく、結果として炎上に対する耐性も高まるといえます。

TikTok — 視聴完了率が炎上コンテンツを拡散する構造

TikTokのアルゴリズムは、視聴完了率を最重要シグナルの一つとして扱っています。ここに、炎上コンテンツが拡散されやすい構造的な理由があります。

問題のある投稿や炎上に関する動画は、いわゆる「怖いもの見たさ」でユーザーが最後まで視聴しやすい傾向があります。視聴完了率が高い動画は、アルゴリズムによって「質の高いコンテンツ」と判断され、「おすすめ」フィードを通じてさらに多くのユーザーに配信されます。つまり、炎上コンテンツほどアルゴリズムに拡散されやすいという皮肉な構造が存在するのです。

加えて、TikTokではオーセンティシティ(真正性)が非常に重要視されています。APAC地域では、オンラインコンテンツの信頼性を以前より疑うようになったと答える消費者が6割に達するなど、作られた印象の情報に対して慎重な態度を取る人が増えています(Accenture Song「Life Trends 2025」:https://www.marketing-interactive.com/study-60-apac-consumers-question-authenticity-of-online-content)。

TikTokで注目されている「flawsome(不完全であることの魅力)」という概念も、炎上対策のヒントになります。企業が完璧を装うのではなく、課題や改善点を誠実に認める姿勢は、炎上の鎮静化だけでなく、日常のブランド信頼構築にも有効です。

各プラットフォームのアルゴリズムがどのように炎上を加速させるかを理解しておくと、「炎上が起きたときにどのプラットフォームから優先的に対応すべきか」「日頃の運用でどんな投稿を避けるべきか」という判断の精度が上がります。次のセクションでは、こうした理解を踏まえて、今日から着手できる具体的な炎上対策ステップを整理していきましょう。

▼ 参考(合わせてお読みください)
SNS集客で成功するには?アルゴリズムをマスターして集客効果を高める方法について解説!

今日から始める企業SNS炎上対策5つのステップ

企業SNSの炎上対策5つのステップを示したフローチャート

ここまで、炎上の原因・事例・アルゴリズムの構造を見てきました。「リスクはわかった。でも、具体的に何から始めればいいの?」という方も多いのではないでしょうか。ここからは、明日からでも社内で着手できる炎上対策を5つのステップに分解して解説していきます。いきなり全部を完璧にする必要はありません。自社の現状と照らし合わせて、足りないところから一つずつ埋めていく意識で読み進めてみてください。

ステップ1 — SNS運用ガイドラインを策定する

炎上対策の土台となるのが、SNS運用ガイドラインの策定です。先述の事例分析でも、炎上しやすい企業の共通点として「ガイドラインが未整備、または形骸化している」ことを挙げました。ガイドラインがなければ、担当者ごとに投稿の基準がバラバラになり、不適切な表現が見過ごされやすくなります。

ただし、「とりあえずルールを作ればいい」というものではありません。実効性のあるガイドラインを策定するには、その前提として「自社が何を・誰に・どう発信するのか」というコンセプト設計が欠かせません。SNSCHOOLの支援でも、初期段階で3C分析やSWOT分析、ペルソナ設計を実施し、発信の方向性を明確にしたうえでガイドラインを策定するプロセスを重要視しています。コンセプトが曖昧なまま作られたガイドラインは、結局「何を基準に判断すればいいかわからない」状態に戻ってしまう可能性が高いのです。

ガイドラインに盛り込むべき主な項目としては、以下が挙げられます。

  • 投稿で触れてよいテーマ・避けるべきテーマの明示
  • 使用してよい表現・避けるべき表現の具体例
  • 画像・動画に写り込んではいけない情報の基準
  • 従業員の個人SNS利用に関する注意事項
  • 炎上発生時の連絡先と初期対応の手順

特に「避けるべきテーマ」の明示は重要です。政治・宗教・ジェンダーなど社会的にセンシティブなトピックへの言及ルールを事前に決めておくことで、担当者が判断に迷う場面を減らせます。

ステップ2 — 投稿前チェック体制を整える

理想的には、投稿を作成する人とチェックする人を分ける「ダブルチェック体制」を整えることが望ましいです。とはいえ、中小企業では「SNS担当は一人しかいない」というケースも多いでしょう。その場合は、上司や別部署の社員に投稿内容を共有してから公開するフローを設けるだけでも、リスクは大きく下がります。

SNSCHOOLでは月15本までの投稿添削を支援の中で提供していますが、これはまさに「公開前の第三者レビュー」を仕組み化したものです。外部の視点が入ることで、社内では気づきにくい表現のリスクを事前に発見できるメリットがあります。

チェック時に確認すべきポイントとしては、「この投稿を批判的な立場の人が読んだらどう感じるか」「スクリーンショットで切り取られた場合に誤解を招かないか」「画像や動画に個人情報が写り込んでいないか」といった観点が挙げられます。慣れてくると数分で終わるチェックですが、この数分が炎上を未然に防ぐ最後の砦になります。

ステップ3 — 炎上発生時の対応フローを事前に決めておく

どれだけ予防策を講じていても、炎上のリスクをゼロにすることはできません。だからこそ、「万が一起きたときにどう動くか」を事前に決めておくことが重要です。

対応フローに含めるべき要素は、大きく分けて3つあります。

1. 検知と初動判断の基準

「誰が炎上を検知するのか」「どの程度の批判から対応を開始するのか」を明確にしておきます。先述の通り、Xでは投稿後15〜30分の初動が拡散規模を左右します。検知が遅れれば対応も遅れるため、炎上を察知する仕組み(モニタリングツールの導入や、定期的なエゴサーチの担当配置など)を用意しておくことが望ましいです。

2. 社内エスカレーションの経路

担当者がSNS上の異変に気づいた場合、誰に・どの手段で・どれくらいの時間内に報告するかを決めておきます。「上司に相談しようと思ったが、休日で連絡がつかなかった」という事態を避けるため、緊急連絡先や代理対応者も含めて整理しておくとよいでしょう。

3. 対外的な対応の方針

投稿を削除するか残すか、謝罪文を出すかどうか、謝罪する場合の範囲と表現、こうした判断を炎上の渦中でゼロから議論するのは、冷静さを欠いた判断につながりかねません。「事実確認が完了するまでは公式コメントを控える」「事実と認められた場合は◯時間以内に声明を出す」といった基本方針をあらかじめ決めておくことで、初動の質が格段に上がります。

ステップ4 — 従業員向けSNSリテラシー教育を実施する

リサーチデータでも、SNSでの発信による炎上対策の課題として「従業員への教育・啓発」が67.2%で最上位に挙がっており、
現場のリテラシー向上が大きなテーマになっていることがわかります。(企業のSNS炎上対策に関する実態調査:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000531.000044347.html

​一方で、SNSリスクに関する教育・研修を「定期的に実施している」と回答した企業は14.8%にとどまり、多くの企業ではガイドラインの策定・配布に比べて、体系的な教育・研修の浸透はまだ十分とは言えない状況です。

効果的な従業員教育には、知識のインプットだけでなく、実践を通じた定着が欠かせません。SNSCHOOLでは「週1回×2時間の研修(月4回)」「投稿添削(月15本)」「SNS検定」という3段構えの教育フレームワークを採用しています。研修で知識を学び、実際の投稿で実践し、検定でスキルの定着度を可視化するという流れです。

もちろん、いきなりここまでの体制を整えるのが難しい企業も多いでしょう。最低限取り組みたいのは、以下の3点です。

  • 実際の炎上事例を用いたケーススタディ形式の勉強会(四半期に1回でも効果があります)
  • 従業員の個人SNS利用に関する注意喚起(入社時のオリエンテーションに組み込む)
  • 投稿のテンプレート化による品質の均一化

投稿のテンプレート化については、鷲見製材や京みずはの支援事例で実証されたABテストによる「勝ちパターン」の型づくりが参考になります。投稿の構成や表現をある程度テンプレートに落とし込むことで、担当者の個人判断による「外れた投稿」のリスクを軽減でき、ガイドライン遵守の実効性も高まります。

ステップ5 — 定期的なモニタリングと運用体制の見直し

炎上対策は「一度整えたら終わり」ではありません。SNSのトレンドやアルゴリズムは常に変化しており、半年前に有効だった対策が現在も通用するとは限りません。定期的なモニタリングと体制の見直しが、対策を形骸化させないための鍵になります。

モニタリングで確認すべきポイントは、自社アカウントへのネガティブなコメントの推移、企業名やブランド名での言及内容の変化、業界全体の炎上トレンドの3つです。問題が大きくなる前の「小さな火種」の段階で気づければ、炎上を未然に防げる可能性が高まります。

加えて、ガイドラインや対応フローは、少なくとも半年に1回は見直しの機会を設けることをおすすめします。新しいSNS機能の登場や社内体制の変更に合わせて、ルールをアップデートし続けることが大切です。「作ったきり」のガイドラインは、環境の変化とともに現場の実態とずれていき、次第に誰も参照しなくなってしまいます。

5つのステップすべてを一気に整える必要はありません。まずは「ガイドラインの策定」と「投稿前チェック体制」の2つに着手し、そこから段階的に体制を拡充していく進め方で十分です。次のセクションでは、こうしたステップの先にある「攻めの運用体制」が、なぜ最大の炎上対策になるのかを解説していきましょう。

▼ 参考(合わせてお読みください)
【雛形あり】ソーシャルメディアポリシーを制定する目的・必要性をわかりやすく解説!

「攻めの運用体制」が最大の炎上対策になる理由

ここまで、ガイドライン策定や投稿前チェック、対応フローの整備といった「守り」の対策を5つのステップで整理してきました。しかし、私がこれまで多くの企業を支援してきた中で実感しているのは、しっかりとした運用体制を日常的に築いている企業は、そもそも炎上しにくいということです。炎上対策を「問題が起きたときの備え」にとどめず、「攻めの運用体制づくり」として捉え直すことで、対策の効果は大きく変わってきます。

属人化しない運用体制が炎上リスクを下げる

企業のSNS運用で炎上リスクが高まりやすいのが、運用が特定の担当者一人に依存している「属人化」の状態です。担当者個人の判断基準・感覚・その日のコンディションによって投稿の質が左右されるため、チェック機能が働かず、不適切な表現がそのまま公開されてしまう可能性が高くなります。また、担当者が異動や退職した際に運用の質が大きく変動するリスクも抱えています。

この課題に対する一つの解が、複数人で統一された品質の投稿ができる体制を構築することです。SNSCHOOLが支援した工務店のドリームビルドでは、ゼロからアカウントを立ち上げる際に、担当者3名全員が同じクオリティで投稿を作成できる体制を構築しました。投稿の「型」を明確にし、誰が作成しても一定の品質が保たれる仕組みを整えたことで、個人の判断に頼らない運用が実現しています。

この事例が示しているのは、ガイドラインを「紙の上のルール」で終わらせず、投稿テンプレートや型として日常の運用に組み込むことの重要性です。ルールが実際の作業フローに落とし込まれていれば、「ガイドラインは知っているけど、忙しいから省略した」という事態も起きにくくなります。

内製化と外注、炎上リスクの違いとは

SNS運用を外部の運用代行会社に委託している企業も少なくありませんが、炎上リスクの観点では注意が必要なポイントがあります。外部の担当者は、自社の商品・サービス・顧客の特性、そして業界特有の「触れてはいけないテーマ」を肌感覚で理解しているとは限りません。そのため、社内の人間であれば避けるような表現や話題に、意図せず踏み込んでしまうリスクがあります。

一方、自社の担当者が発信を行う内製化体制では、商品や顧客への理解が深い分、文脈を外した投稿が生まれにくいという利点があります。もちろん、内製化が万能というわけではなく、SNSの知識やスキルが不足している状態で運用を始めれば、別のリスクが生まれます。大切なのは、「自社の文脈を理解した人が、適切なスキルを身につけた上で発信する」体制を目指すことです。

SNSCHOOLが支援した不動産売買のクリエートハウジングでは、社長自らが経営理念やお客様への想いをSNSで発信しました。自社を最も深く理解している経営者自身が発信することで、アカウントに「信頼できる人格」が宿り、日常的にフォロワーとの信頼関係を築くことができています。こうして積み上げた「信頼貯金」は、万が一トラブルが起きた際にも、ユーザーから一定の理解や擁護を得られる基盤になります。

段階的な体制構築で「完璧を求めて何もしない」を脱する

先述の通り、トラブルを経験したことがない企業の炎上対策実施率は23.7%と極めて低い水準にあります。「うちはまだ炎上したことがないから大丈夫」と考えている企業が多いのが実態ですが、裏を返せば、これらの企業は「対策がないまま運用を続けている」状態です。

対策が進まない原因の一つに、「完璧なガイドラインや対応フローを一度に整えなければならない」と考えてしまうハードルの高さがあります。しかし、実際にはいきなり完璧を目指す必要はありません。

SNSCHOOLが支援したIT人材派遣の日本トラスティソリューションズでは、Xの運用を始める際にフェーズ分けのアプローチを採用しました。
最初の2ヶ月はアカウントの土台作りを行い発信のトーンや方向性を固め、信頼性のある基盤を構築することに集中しました。コミュニケーション(リプライや引用ポストなど)に本格的に注力したのは3ヶ月目以降です。

この段階的なアプローチは、炎上対策の文脈でも非常に理にかなっています。SNS運用の初期は方針が未確立でトーンも不安定になりやすく、実はもっとも炎上リスクが高い時期です。最初から積極的なコミュニケーションに踏み込むのではなく、まず「何を発信し、何を発信しないか」の基盤を固めることで、リスクの高い時期を安全に乗り越えることができます。

同様に、炎上対策の体制構築も「まずガイドラインの基本項目を決める」「次に投稿前チェックのフローを試験的に回す」「慣れてきたら対応フローや従業員教育に着手する」というように、段階的に進めていくのが現実的です。

炎上対策を「守りのルール」だけで終わらせず、日常の運用体制そのものの質を高めていくこと。それが結果として、最も効果的な炎上対策になっていきましょう。

▼ 参考(合わせてお読みください)
企業SNS運用体制の作り方|成果を出す組織づくりと生産性向上のコツ

企業SNSの炎上対策でよくある質問

Q1: 企業SNSで炎上したらまず何をすべきですか?

最優先は「事実確認」と「拡散の抑制」です。まず問題の投稿内容と批判の論点を正確に把握し、事実関係を確認します。
事実確認が完了するまでは、感情的な反論や安易な投稿削除は避け、必要に応じて「確認中である旨」を簡潔に発信してください。
確認後、事実であれば速やかに謝罪と改善策を公表し、誤解であれば丁寧に説明します。特にXでは投稿後15〜30分の初動が拡散規模を左右するため、対応スピードが重要です。

Q2: SNS運用ガイドラインには何を盛り込めばいいですか?

最低限盛り込むべき項目は、投稿で触れてよいテーマと避けるべきテーマの明示、使用してよい表現と避けるべき表現の具体例、画像・動画に写り込んではいけない情報の基準、従業員の個人SNS利用に関する注意事項、炎上発生時の連絡先と初期対応手順の5つです。重要なのは、ガイドライン策定の前に「自社が何を・誰に・どう発信するのか」というコンセプト設計を行うことです。コンセプトが曖昧なままルールだけ作っても、判断基準が不明確で形骸化しやすくなります。

Q3: 従業員のSNS投稿で企業が炎上した場合、法的責任はどうなりますか?

従業員の個人的なSNS投稿であっても、業務に関連する内容や企業の機密情報を含む場合は、企業の管理責任が問われる可能性があります。
就業規則にSNS利用に関する規定を設けておくこと、入社時や定期的な研修でSNSリテラシー教育を実施しておくことが、企業としてのリスク軽減につながります。
具体的な法的対応については、自社の法務担当や顧問弁護士に相談されることをおすすめします。

Q4: 炎上対策にかける適正なコストはどのくらいですか?

炎上対策の適正コストは企業規模や業種によって異なりますが、「炎上が起きた場合の損害額」と比較して考えることが大切です。
ブランド毀損による売上減少、採用への悪影響、株価下落リスクなどを考慮すると、事前の対策投資は合理的な判断といえます。たとえばSNS運用の内製化支援であれば月5万円程度から始められるサービスもあり、ガイドライン策定・投稿チェック体制・従業員教育を段階的に整えていくことが可能です。

Q5: 中小企業でもSNS炎上対策は必要ですか?

むしろ中小企業こそ対策が重要です。大企業と比べてブランド力や資金的な余力が限られている中小企業は、一度の炎上が経営に与えるインパクトが相対的に大きくなります。
また、SNS担当者が一人しかいないケースも多く、チェック機能が働きにくい構造があります。700社以上の企業を支援してきた経験からも、中小企業ほど「なんとなく運用」の状態になりやすく、対策の優先度を上げるべきだと感じています。まずはガイドラインの基本項目を決めるところから始めてみてください。

まとめ

企業SNSの炎上は、特定の企業だけに起こる「事故」ではなく、運用体制の不備やチェック機能の欠如から生まれる構造的なリスクです。本記事では、炎上の原因パターンから各SNSプラットフォームのアルゴリズムが拡散を加速させる仕組み、そして今日から着手できる5つの対策ステップまでを整理してきました。

特に押さえておきたいのは、炎上対策は「守りのルール作り」だけでは十分ではないという点です。ガイドラインの策定や投稿前チェック、対応フローの整備はもちろん大切ですが、それ以上に、属人化しない運用体制の構築や、自社の文脈を深く理解した担当者による内製化体制こそが、炎上しにくい土壌を作る最大の防御になります。

「何から手をつければいいかわからない」と感じている方は、まずガイドラインの基本項目を決め、投稿前に第三者の目を通すフローを試すところから始めてみてください。最初から完璧を目指す必要はなく、段階的に体制を整えていくことで、着実にリスクを減らしていけます。

自社の炎上対策に不安がある方や、体系的な運用体制の構築を検討されている方は、SNSCHOOLの無料相談をご活用ください。700社以上の支援実績をもとに、業種や運用状況に合わせた対策をご提案しています。月5万円からの内製化支援で、炎上に強い運用体制づくりを一緒に進めていきましょう。

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