中小企業のSNS担当入門｜少人数で成果を出す運用法

中小企業では「SNSを強化したいけれど、専任の担当者がいない」「結局いつも片手間の投稿になってしまう」といった課題がよく聞かれます。限られた人数・時間の中で成果を出すには、大企業のような大規模運用ではなく、“少人数でも再現できる仕組み化” が必要不可欠です。

実際、SNS SCHOOLが支援する多くの中小企業でも、1〜2名の担当者でフォロワー増加・問い合わせ獲得・採用強化といった成果を上げています。重要なのは、「誰でも回せる運用フロー」と「目的に沿った投稿設計」を最初に整えることです。

この記事では、中小企業のSNS担当者がゼロからでも成果を出せるように、
準備・投稿設計・運用体制・改善方法 を体系的に解説します。

「人手不足でもSNSで成果を出したい」「担当になったものの何から始めればいいか分からない」
そんな方にぜひ読んでいただきたい内容です。

中小企業SNS担当がまず押さえるべき「目的と役割」

中小企業でSNS担当を任されると、まず投稿内容に意識が向きがちです。
でも、本当に大事なのは「何のためにSNSを使うのか」を最初に決めること。ここを曖昧にしたまま投稿を始めると、どれだけ頑張っても成果につながりにくくなります。
お客さんが求める情報を理解し、会話を通じて信頼を作り最終的な行動（問い合わせや来店）につなげていく。中小企業こそ、この姿勢が成果を左右します。

2025年現在、中小企業の約40％がSNS活用に本腰を入れています。

目的（KGI）と数字（KPI）を明確にする

SNS運用の最初の仕事は、目的と数字をセットで決めなければ、投稿が「やっているだけ」になってしまいます。

● KGIの例

• 問い合わせ・資料請求の増加
• 採用応募の増加

● KPIの例

• フォロワー数の増加（例：900→1500）
• プロフィールリンクのクリック数
• UGC獲得数

数字を明確にすると、改善ポイントも見えやすくなります。

ペルソナ設定で“誰に届けるか”を絞る

SNSが伸びない最大の理由は「誰に向けて発信しているか不明確」ということが多いです。
注目するべきところは、広く届けるより “この1人に刺さればOK” というくらいの絞り方が効果的です。

● ペルソナ設定のポイント

• 年齢・興味関心
• 抱えている悩み
• どんなSNS行動をしているか

ペルソナが定まると、投稿内容の迷いが減り、成果につながりやすくなります。

認知 → 興味 → 行動の導線を作る

SNSの役割は、投稿することではなく行動につながる流れを作ることです。

導線づくりの具体例

• 自社の強みをユーザー目線で伝える
• プロフィールからLPまでの流れを整える
• 投稿にストーリー性を持たせる

2025年は「双方向コミュニケーション」が評価されやすく、コメント返信やDM対応も導線の一部として重要視されています。

投稿体制の整備と炎上対策

中小企業ではSNS担当が兼任であるケースが多く、ダブルチェック体制 や ポリシーづくり が欠かせません。

● 炎上防止のポイント

• 守秘義務に触れる投稿はしない
• 個人・特定の誰かを批判しない
• 写真・動画の写り込みは必ず確認
• 社内で利用ルールを共有する

小さなミスが大きな炎上につながる時代なので特に細心の注意が必要です。

継続運用の仕組み化

SNSは「継続」が最重要です。そのため、仕組み。

● 仕組み化の要素

• 投稿ネタのストック
• トーン＆マナーの統一
• ハッシュタグの使い分け
• 投稿テンプレート化で工数削減

SNSCHOOLでも、こうした体制づくりに悩む企業からの相談が急増しています。

中小企業SNS担当が選ぶべき主要プラットフォームと使い分け

中小企業のSNS担当にとって「どのSNSを使うか」は最初の大きな悩みです。
なんとなく流行っているSNSを始めても、企業の目的やペルソナと合っていなければ成果は出ません。
SNSはそれぞれ“得意分野”が違うため、役割に合わせて使い分けることが重要です。

2025年はInstagram・TikTok・X（旧Twitter）を中心にアルゴリズムが大きく変化しており、中小企業も「複数SNSの組み合わせ」を前提に運用するケースが増えています。
ここでは、それぞれの強みを紹介します。

Instagram：ビジュアル訴求・情報検索・若年層への認知獲得に強い

Instagramは中小企業のSNS運用でもっとも採用されている媒体の1つです。
近年は「検索ツール」としての利用が急増しており、企業の魅力を視覚的に伝えたいときに相性が良いSNSです。

Instagramが向いているケース

• 20〜40代の女性・若手社会人がターゲット
• 商品・サービスを写真や動画で伝えたい
• UGC（お客様の投稿）を増やしたい
• 企業の信頼性を高めたい

運用ポイント

• キーワード検索を意識した説明文
• 共感・ニーズ・意外性を取り入れた投稿軸
• ハッシュタグの整理（拡散2〜3個／検索4〜6個）
• リール活用と高品質動画（2025年は特に重要）

Instagramは「世界観の統一」と「投稿テンプレート化」が進むほど成果が出やすくなります。

TikTok：短時間で認知拡大・採用アプローチ・ストーリー訴求に強い

TikTokは短い動画で広く届けられるのが最大の強みです。
2025年は企業アカウントでも「採用向け動画」の成果が出やすく、若手人材の獲得に活用する企業が増えています。

TikTokが向いているケース

• 若年層（10〜20代）
• 会社の雰囲気や人柄を見せたい
• 短期間で認知を取りたい
• バズが狙える業界（飲食・美容・小売・製造業）

運用ポイント

• 5〜8秒の“最初のつかみ”が勝負
• 社員のリアルな姿や作業風景を見せる
• ストーリー性・意外性を入れる
• コメント返信で好感度アップ

投稿のカジュアルさが許容される媒体なので、中小企業でも挑戦しやすいのが特徴です。

X（旧Twitter）：情報発信・拡散・コミュニケーションに強い

Xは、文章中心だからこそ“人柄”や“企業の考え方”が伝わりやすいSNSです。
特に中小企業では、担当者が日々の気づきを短く発信することでファン化が起きやすい媒体です。

Xが向いているケース

• 即時性のある情報を届けたい
• 業界トレンドを発信したい
• 双方向コミュニケーションを重視したい
• BtoB・採用で認知を広げたい

運用ポイント

• 140文字までの読みやすい文章をつくる
• 20〜30文字の見出しを入れる
• トレンドワードを活用
• コメント・DMで丁寧なコミュニケーション

“企業アカウントはコミュニケーションが命”と言われるほど、双方向性が求められるSNSです。

YouTube：専門性・教育コンテンツ・信頼構築に強い

動画制作のハードルはありますが、得られる効果は大きい媒体です。
特に2025年は「企業のロング動画」が再評価されており、説明・教育系のジャンルが伸びています。

YouTubeが向いているケース

• 専門性の高い商品・サービスを扱っている
• 顧客教育が必要（不動産、製造、士業など）
• “信頼構築”が成果に直結する
• 社内で動画制作の協力が得られる

運用ポイント

• 視聴者が検索しそうな動画タイトル
• 10〜15分の「学べる動画」
• 他SNSへ切り抜き投稿し、導線を統一

YouTubeを起点にInstagram・TikTokへつなげる運用は、2025年以降の鉄板パターンです。

LinkedIn：BtoB・採用・専門性アピールに強い

日本でも活用企業が増えています。
特にBtoB企業では“信頼の積み上げ”として重宝されます。

向いているケース

• BtoB事業がメイン
• 採用活動に力を入れたい
• ビジネス志向のユーザーに届けたい

LinkedInは大量投稿よりも、深い価値ある内容が評価されやすいのが特徴です。

中小企業SNS担当が抱える典型課題／リソース・ネタ・担当者交代の対策

中小企業のSNS担当者は、多くが“兼任”です。
広報、採用、営業サポートなどのメイン業務に加え、SNS運用も任されるため時間も余裕もなくなりがちです。
2025年の調査でも、SNS担当者が抱える課題のトップは 「人的リソース不足」と「ネタ不足」。
さらに 担当者交代による引き継ぎの難しさ もよく起きる問題です。

ここでは、中小企業SNS担当が特に直面しやすい３つの課題と、その具体的な対策をまとめます。

リソース不足への対策：仕組み化・優先順位・ツール活用

リソース不足は中小企業では“前提条件”です。
そのため、最初から 「仕組み化」すること が成果を左右します。

● 対策1：投稿の優先順位を決める

すべてやろうとすると続かないため、最初に“やること”と”やらないこと”を決めます。

• 週○回の投稿に固定
• 主要SNSを1〜2個に絞る
• 目的（KGI）につながらない作業は減らす

ペルソナに最も届くSNSだけに集中するだけで、運用がとても軽減され楽になります。

● 対策2：投稿テンプレートで工数を削減

毎回ゼロから作るのは時間のムダです。
テンプレート化すれば、作業時間は半分以下になります。

• 写真のレイアウト
• キャプションの型
• 世界観の統一
• よく使うハッシュタグセット

SNSCHOOLの研修でも、この“テンプレ化”だけで担当の負荷が大きく軽くなったという声が多いです。

● 対策3：AI・自動化ツールを積極活用（2025年の必須スキル）

2025年はAI活用が当たり前になり、

• 原稿の下書き
• 投稿予約
• 分析レポート
• 投稿案の生成

といった作業は自動化されつつあります。

「人がやるべきこと」と「機械に任せること」を分けることで、リソース問題は大幅に改善します。

ネタ不足への対策：ストック化・社内協力・継続的な情報収集

ネタ切れは、SNS担当者が必ずぶつかる壁です。
ただ、正しい仕組みを作れば“ネタが尽きる”ことはほぼありません。

● 対策1：ネタの「軸」を決める

投稿軸は3つでOKです。

• ニーズ（役に立つ情報）
• 共感（悩み・あるある）
• 規模（広く届く内容）

この3つが揃えば、「何を投稿すればいいか迷わない状態」を作れます。

● 対策2：社内の“協力者”をつくる

SNS担当が1人で全て集めるのは限界があります。
そこで、普段からSNSを使っている社員、営業、現場スタッフの協力が不可欠です。

● 対策3：競合リサーチとトレンド巡回

• 競合の人気投稿
• 業界ハッシュタグ
• 今週のトレンドワード
• UGCの傾向

これらを毎週10分でチェックするだけで、ネタに困らなくなります。

ネタは“探すもの”ではなく、“仕組みで集まってくるもの”に変えるのがポイントです。

担当者交代への対策：運用ルール・引き継ぎ台帳・チーム運用

SNS担当が変わると世界観がバラついたり、投稿が止まったりするのはよくある問題です。
これは、マニュアルがない状態 で運用していることが原因です。

● 対策1：運用ルールを共有する

• 口調（〜です／〜だよ など）
• 投稿のNGライン
• 写真の撮り方
• ハッシュタグの基本セット

これらを1枚のシートにまとめるだけで、質の低下を防げます。

● 対策2：引き継ぎ台帳の作成

担当者が変わっても止まらないように、

• 投稿の目的
• ペルソナ
• 目標（KPI）
• よく使う素材フォルダ
• アカウント権限リスト

を整理した“台帳”を作ります。

だいたい1時間あれば作れますが、効果は非常に大きいです。

● 対策3：ダブルチェック体制を導入

中小企業でも、

• 投稿作成者
• 投稿確認者

を分けるだけで、炎上リスクを大きく下げられます。

SNSは“公の場”なので、確認フローは必須です。

中小企業SNS担当が実践すべき投稿企画と差別化コンテンツ戦略

SNSは“投稿量”より“投稿の質”が成果を左右します。
特に中小企業では、大量の広告予算を使うことは難しいため小さな工夫で差別化できる投稿を作ることが重要になります。
さらに2025年は、InstagramやTikTokのアルゴリズムが「共感・保存・UGC」を重視する傾向が強まり、単なる商品紹介だけでは伸びにくくなりました。

ここでは、中小企業SNS担当が今日から実践できる 投稿企画の作り方 と 差別化コンテンツの作り方 をまとめていきます。

投稿企画の作り方：3つの“軸”で企画が無限に生まれる

投稿を考えるときの軸は、たった3つで十分です。
この3つがあるだけで、ネタ切れがほぼ解消します。

● 軸1：ニーズ（役に立つ情報）

ユーザーが「知りたい」「助かる」と感じる内容です。

• How-to（例：失敗しない◯◯の選び方）
• 業界の豆知識
• よくある質問の回答

中小企業は現場のリアルな知見が強みなので、ここで差別化しやすいです。

● 軸2：共感（悩み・あるある）

SNSの伸びを決めるのは“共感率”とも言われています。

• お客様の声
• 担当者の裏側や日常
  「あるある」「よくある失敗談」

特に2025年のトレンドでは、“企業アカウントの人柄”がフォロー理由になりやすくなっています。

● 軸3：規模（広く届く話題）

バズを狙うというより、普遍性のあるテーマを入れるイメージです。

• トレンドを軽く取り入れる
• 季節ネタ（卒業、夏、年末など）
• 業界で話題のニュース

この3軸を組み合わせれば、毎月20〜30本の投稿企画は比較的簡単に作れます。

差別化コンテンツ戦略：企業“らしさ”が伝わる投稿を作る

中小企業のSNSは、大企業のように派手な施策ができなくても大丈夫です。
むしろ “らしさ”が伝わる投稿が強みになる のが中小企業アカウントの特性です。

● 差別化1：ストーリーを入れる

商品の説明だけでは差別化できません。
「なぜその商品をつくったのか」「誰に届けたいのか」を入れると反応が上がります。

● 差別化2：人（社員）を前面に出す

2025年以降、企業アカウントの人気投稿の多くは“人”が主役です。

• 社員紹介
• 社内のリアルな風景
• 働くスタッフのこだわり

これだけで、他社とは違う温度感が出ます。

● 差別化3：専門性をやさしく噛み砕く

難しいことをわかりやすく伝える企業は、信頼されます。

• 図解
• Before/After
• 5つのポイント形式

SNSは“中学生でも理解できる言葉”が勝ちます。

2025年の最新トレンドを活かす投稿企画

アルゴリズム変化によって、以下の企画は特に伸びやすくなっています。

● UGC（ユーザー投稿）のシェア企画

UGCは信頼性が高く、保存率も上がりやすいです。

• ユーザーの投稿を紹介
• 体験コメントを画像化してまとめる
• ハッシュタグキャンペーン

● リポスト（再投稿）によるコミュニティ形成

2025年は各SNSがリポスト機能を強化しています。
“コミュニティを広げる投稿”は評価されやすい傾向です。

● ショート動画（リール・TikTok）での教育系コンテンツ

「5秒で学べる◯◯」
「知らないと損する◯◯」
のような短尺教育コンテンツが伸びています。

中小企業SNS担当が成功する体制づくり／担当者・人・組織の活かし方

SNS運用は「担当者1人の頑張り」に依存すると、ほぼ必ずどこかで止まります。
中小企業の場合、SNS担当は兼任であることが多いため、組織として仕組みをつくれるかどうか が成果を大きく左右します。

2025年の中小企業では、AI活用や投稿管理ツールの普及によって、SNS運用が“個人のセンス頼り”から“組織で再現できる仕組み”に移行し始めています。
ここでは、その体制づくりのポイントを整理します。

SNS運用は「個人」より「チーム」で進める方がうまくいく

SNSは情報が速く、トレンドの移り変わりも激しいため、1人で全部を追うのは限界があります。
そこで、基本的な考え方として “1人主担当＋社内協力チーム” の形が理想です。

● 協力チームに向いている人

• 写真や動画を撮るのが得意な人
• 現場でお客様と接しているスタッフ
• SNSを普段から使っている若手社員
• 採用担当・広報担当

特に現場スタッフの視点は、SNSで最も刺さる“生の情報”が集まりやすく、差別化ポイントにもなります。

役割分担を明確にすると、運用が一気にスムーズになる

体制づくりで最も重要なのは 「誰が何をやるか」 を決めることです。
曖昧なままだと投稿頻度が下がり、炎上リスクも高まります。

● 中小企業でよく使われる役割モデル

• 主担当： 戦略・企画・投稿管理
• 協力者： ネタ提供・写真動画の提供
• 承認者（上長）： 投稿チェック・炎上リスク確認
• 技術サポート： デザイン・撮影サポート（必要に応じて）

これだけでも“チーム運用感”が生まれ、担当者の負担が大きく減ります。

投稿のクオリティを安定させる「運用ルール」の共有

SNSが伸びない企業の多くは、投稿の世界観がバラバラです。
担当者が変わった瞬間に“違うアカウント”になるケースもあります。

そこで必要なのが 運用ルール（を文書化すること。

● ルールに含めるべき内容

• 口調（です／ます、絵文字の有無）
• 色使い・写真の明るさ
• よく使う言葉・避ける表現
• 投稿のNGライン（誹謗中傷・守秘義務など）
• 使用するハッシュタグセット

1枚のシートにまとめるだけでも、投稿の質が安定し、担当者交代にも強くなります。

PDCAを回すための「投稿管理ツール」活用（2025年は必須級）

SNS担当が成功する体制には、ツールの力を借りることがほぼ必須です。
2025年は特に、以下のようなツール活用が進んでいます。

● 活用シーン

• 投稿の下書き・予約
• 投稿ごとの分析
• 承認フロー（ダブルチェック）
• 画像・動画素材の共有
• アカウント権限の管理
  

特に 承認フロー は炎上対策にも直結します。
主担当が作り、承認者が最終チェックをするだけで、ミス投稿のリスクは激減します。

組織として“知識が残る仕組み”をつくる

SNS担当が変わると、改善の記録やノウハウが消えてしまうのはよくある問題です。
だからこそ、運用知識を“会社の資産”として残すことが重要です。

● 残すべき情報

• ペルソナ設定
• KPIの変化と改善履歴
• 過去の成功投稿・失敗投稿
• テンプレ化された投稿案
• 素材ファイルの保存場所

これがあるだけで、担当者が変わっても運用が途切れません。

中小企業SNS担当が避けるべき失敗・リスクと炎上・継続できない原因

SNSは手軽に見えますが、実は「失敗パターン」がかなりはっきりしています。
特に中小企業の場合、担当者が兼任であることが多く時間も知識も限られるため、同じミスが繰り返されがちです。
さらに、2025年はSNSの炎上・誤情報トラブルが増えており、慎重な運用が求められています。

ここでは、中小企業SNS担当が避けたい“典型的な失敗”と、その対策をまとめます。

よくある失敗1：戦略がないまま投稿だけ続けてしまう

SNSが伸びない企業のほとんどが「目的とKPIの不在」です。
目的が曖昧なまま投稿すると、

• 何を改善すべきかわからない
• 反応が悪くてモチベが下がる
• 社内から「SNSって必要？」と言われる
  という悪循環に入ります。

● 対策

• 目的（KGI）を1つだけ設定する
• KPIは数字で可視化（フォロワー／クリック／UGC等）
• ペルソナに向けた情報だけを発信する

「誰に何を届けるための投稿か」が決まれば、投稿の迷いは激減します。

よくある失敗2：企業目線の投稿ばかりで“ユーザー視点”が欠けている

中小企業のSNSで最も多いミスがこれです。
商品紹介や会社のニュースだけでは、ユーザーは興味を持ちません。

● 起きがちなNG例

「弊社の新商品はこちら！」
「展示会に出展しました！」

「会社の取り組みを紹介します！」

担当者は頑張っていますが、ユーザーから見ると“自分に関係のない話”になってしまいます。

● 対策

「ユーザーが得する情報」を軸にする

• ニーズ・共感・規模の3要素で企画する
• 図解・Before/Afterなど“わかりやすさ”を意識する

SNSは“中学生でも理解できる表現”が反応の鍵になります。

よくある失敗3：ネタ切れ→投稿が止まる→成果が出ない

中小企業のSNSが継続できない最大の原因は「ネタ切れ」
これは“担当者が1人で考えている”ことが原因です。

● 対策

• ネタの軸を決める（ニーズ／共感／規模）
• 社内協力者をつくる（写真・動画を共有してもらう）
• 競合チェック＋トレンド巡回を10分で実施
• 投稿テンプレで作業工数を半分にする

継続できる企業は、ネタよりも 仕組み を作っています。

よくある失敗4：担当者交代で世界観が崩れ、運用が止まってしまう

中小企業でよくあるのが、
「担当が辞めた瞬間にアカウントが止まる」という現象です。

これは “頭の中にしかルールがない” ことが原因です。

● 対策

• 投稿の目的・ペルソナ・KPIを残しておく
• 素材フォルダを共有管理
• 投稿の承認フローを整備

この4つがあるだけで、担当者交代の影響は最小限になります。

大きなリスク：炎上は“想像より簡単”に起きる

炎上は特別な出来事ではありません。
2025年はAI生成画像の誤用、個人情報の写り込み、DMの無断公開などのトラブルが増えています。

● 具体的に起きやすい炎上パターン

• 写真・動画に他者が映り込んでいる
• 事実と異なる情報を発信
• 個人・特定業者への批判
• 守秘義務に抵触する社内情報の投稿
• DMやコメントの不適切な対応

中小企業でも十分起こりうるものばかりです。

● 炎上対策（最重要）

• 投稿前のダブルチェック（承認者を必ず設ける）
• ソーシャルメディアポリシーを社内で共有
• “重大な連絡はSNSで行わない”ルール
• 写真・動画の提供者に必ず確認を取る
• プライベートSNSのガイドラインも設定

投稿管理ツールで承認フローを作るだけで、炎上リスクの多くは防げます。

中小企業SNS担当が成果を出すためのチェックリストと次のステップ

SNSで成果を出す企業には、共通して“整っているポイント”があります。
逆に言えば、このチェックリストをクリアできれば、今のフォロワー数や業種に関係なくSNS運用は必ず改善できます。
ここでは、中小企業のSNS担当者が実際に日々の運用で使える 成果チェックリスト と、さらに成果を伸ばすための 次のステップ を分かりやすく整理します。

成果を出すための基本チェックリスト

以下の項目は、成果が出ている企業が“必ず”押さえています。
半分以上チェックが入れば、すでに良い運用ができています。

● 目的・戦略チェック

□ SNSの目的（KGI）が1つに絞られている

□ KPIが「数字」で明確になっている

□ ペルソナを1人まで明確にしている

● 投稿内容チェック

□ 投稿軸が「ニーズ・共感・規模」で整理されている

□ 中学生でも理解できる“やさしい文章”になっている

□ Before/After・図解など “わかりやすさ” を意識している

● 運用体制チェック

□ 投稿テンプレートがあり、毎回ゼロから作っていない

□ 素材フォルダが整理され、共有されている

□ 投稿のダブルチェック体制（承認者）がある

● リスク管理チェック

□ ソーシャルメディアポリシーが社内に共有されている

□ 写真・動画に他者が写り込む場合、確認している

□ 重要な連絡はSNSで行わないルールがある

● 継続運用チェック

□ 投稿数を“無理のない範囲”で固定している

□ ネタストックを仕組み化（社内協力者・競合チェック）

□ 週1回でも分析（インサイト）を見て改善している

このチェックリストをひとつずつ埋めるだけで、運用は確実に安定します。

成果をさらに伸ばすための「次のステップ」

「投稿は続けられているけど、もっと成果を出したい」
そんな企業が次にやるべきステップを整理しました。

ステップ1：ユーザーとのコミュニケーションを強化する

2025年以降、SNSの評価軸の中心は双方向性。
コメント、DM、リポストなどが成果に直結します。

• コメントには必ず返信
• DMは“1人のお客様対応”と思って丁寧に
• UGC（ユーザー投稿）を積極的に紹介

「ユーザーが参加しやすいSNS」が強いSNSです。

ステップ2：ショート動画の比率を上げる（特にInstagram・TikTok）

アルゴリズムの変化により、

• リール
• TikTok
• ショート動画の切り抜き

この３つがもっともリーチを取れる投稿になっています。

短くてOK、スマホでもOK。
最初は“10秒の説明動画”だけでも十分評価されます。

ステップ3：投稿導線を最適化する

SNS投稿から
プロフィール → LP（資料DL） → 問い合わせ
までの導線が整うほど成果は伸びます。

• プロフィール文章を「誰に・何を・どう提供するか」で整理
• リンクは1つに絞り、迷わせない
• CTA（行動喚起）を定期的に入れる

導線を整えるだけで、資料請求や問い合わせが増える企業は非常に多いです。

ステップ4：AI・投稿管理ツールを活用して運用効率を上げる

今はAIとツールが運用の“常識”になりました。

• 下書きの自動生成
• 投稿予約
• 承認フロー（炎上対策）
• 投稿分析のレポート化

ほとんどの作業時間が半分以下になり、改善に時間を使えます。

ステップ5：社内で“協力者”を増やし運用をチーム化

1人でやるSNSは必ず疲弊します。
中小企業ほど、協力者の存在が成果の差につながります。

• 写真が得意なスタッフ
• 現場で発見が多いスタッフ
• 若手社員の視点

この3つの視点が入るだけで、投稿の幅が一気に広がります。

SNS担当に必要なのは“才能”より“仕組みと継続”

SNSの成果は“投稿本数”では決まりません。

• 目的
• 投稿軸
• 体制
• リスク管理
• 継続の仕組み

これらが揃ったとき、SNSは急に伸び始めます。

もし「自社の運用が正しいか分からない」「何から改善すればいいのか不明…」という場合は、SNSCHOOLの資料が大いに役立ちます。
成功企業がどのように改善し、どのステップで成果が出たのかをまとめているため、明日からの運用改善にすぐ使えます。