不動産業の集客でマストになったSNS活用
──運用すべきメリットと導入事例──

多様化する顧客の情報収集方法に対応できるSNS

家や部屋を借りるとき、かつては地元の不動産会社をたずねて立地や予算に応じ、物件を紹介してもらうのが主流でした。

その後、インターネットの普及にともない、顧客は不動産物件のポータルサイトから気に入った物件を探し、管理会社に問い合わせるという流れが定着してきました。

いずれにおいても不動産会社は受け身の立ち位置にあり、顧客への積極的なアプローチを不得手とする業界の一つだったとされています。

物件周辺に張り紙したり、チラシを配布したりといったアナログな手法だけではなく、見込み客への電話やメール等を使った営業方法は現在でも健在です。

しかし、不動産業界がSNSに着目せざるを得ない契機となった決定的な出来事が、コロナ禍だったというのがコンセンサスになっているといわれています。

コロナ禍では非対面・非接触でのコミュニケーションが求められ、従来の対面による営業手法を自粛せざるを得なくなりました。

顧客が住宅やお部屋の契約を決めるとき、大きなウエイトを占める内見も然りです。

そこで非対面で顧客にアプローチできて集客力が高く、物件の写真や動画によって内見と同等の訴求効果が期待できるSNSの注目度が高くなったという背景があります。

また、多くの顧客が物件の情報収集のアイテムとして、スマホを重用しているという現実も見逃せません。

スマホユーザーである顧客は、ポータルサイトから物件情報をリサーチし、不動産会社のホームページにアクセスして資料や問い合わせをするだけにとどまらない傾向があります。

管理している不動産会社や物件に関するネット上の評価を検索し、客観的かつ多様な情報を集めて精査することもしています。

ここで大事なのが、そうしたユーザーは将来的な契約成立が非常に高いということです。つまり、積極的に情報を集めている顕在的な見込み客をどう囲い込めるかが重要になってきます。

そのためには、従来のような企業サイドからの一方通行の情報提供だけではなく、双方向のコミュニケーションがはかれる集客の仕組みを構築し、顧客の求める情報をピンポイントで提供できるかカギになってきました。

そしてその答えとしてSNSの可能性に着目し、運用することで多くの不動産会社が成果をあげるようになっています。

物件情報の発信以外にも企業のブランディングや求人にも活用

不動産業界の集客において、SNSを活用する主なメリットを以下にまとめてみます。

①潜在的な顧客へのアプローチと囲い込み

前記しましたように、不動産物件のポータルサイトで情報を入手しているユーザは、成約確率の高い顕在的な顧客になります。

SNSは集客力が高いだけではなく、「インスタ映え」や「バズる」といた表現があるように情報の拡散力もあります。

顕在的な顧客のみならず、いまのところお部屋探しに興味のない潜在的な顧客に対してもアプローチできることです。

②情報をビジュアルで伝えることができる

SNSにはテキストだけではなく、写真や動画も投稿できます。

物件の間取りや内装など、文章だけでは伝えきれない物件の魅力をビジュアルで訴求できることになります。

また、見込み客が意外と気にするのが周辺情報です。

物件の外観や内観に加えて、近隣にある買い物スポットや公園などの生活環境。駅までの行程などを動画で紹介することにより、他との差別化を打ち出すこともできます。

インスタ映えやバズる写真や動画を投稿できれば、ここでもお部屋探しに興味のない潜在的顧客を囲い込める可能性も出てきます。

③ハッシュタグでピンポイントの検索が可能

不動産物件のポータルサイトを検索するとき、ユーザーはどこに住みたいか、予算はいくらくらいなのか、希望する間取りがといったキーワードを入力してお部屋探しのスタートを切ります。

SNSにおけるキーワードが、ハッシュタグになります。

ハッシュタグは記事の投稿時に設定するキーワードであり、ユーザーがピンポイントで物件にたどり着くことができる便利な機能です。

特にInstagramやX(旧Twitter)では1投稿あたり、30個までのハッシュタグが登録できます。

登録するハッシュタグによって、物件探し以外のユーザーの目に触れる機会も多くなりますので、顕在的な顧客はもちろん潜在的顧客を囲い込めるきっかけにもなります。

以上がSNS活用の主なメリットですが、まだまだ他にもあります。

・SNSは情報発信側も受け取る側も基本的は無料であるため、費用対効果が大きい。

・SNSのチャット機能を使えば、お客さまからの問い合わせにも迅速に対応できる。また、チャットによるメッセージはメールと比較して開封率が高いといわれている。

・アンケート機能を使ったり、「いいね」やリツート、フォローをすることでプレゼントやギフト券がもらえるキャンペーンを実施したりすることで、ユーザーとの相互コミュニケーションを深めることができる。

・テレビCMや紙媒体等を使った広告よりも低料金のうえ、年齢・性別・地域など絞り込んだ広告宣伝で効率のいい集客が期待できる。

また、SNSの活用で発信できるのは、不動産物件の情報だけではありません。

企業としてのブランディングや求人においても、多くの不動産会社がSNSを活用しています。

その一因として考えられるのが、不動産業界の競争激化です。

コロナ禍もそうでしたが、空き家問題がクローズアップされる機会が多くなっています。住宅の需要に対して供給過多が起こり、不動産業界の競争が激しくなっている中で、差別化を打ち出せるSNSの運用が浸透してきたと考えられています。

Instagram、YouTubeなどなど──どのSNSを選んで運用すべきか?

ここで問題になるのが、一概にSNSといってもどのSNSを運用すればいいかということです。

以下に活用方法のヒントをまじえて、各SNSの特徴をまとめてみます。

<Instagram>

写真や動画を使った集客に適したSNSです。インスタ映えするユニークな家やおしゃれな部屋を紹介することで、ユーザーに「住みたい!」と思わせることができるかもしれません。

<YouTube>

動画に特化したSNSです。映像・画像・テキスト・ナレーションのすべてが備わっていますので、ユーザーに対する訴求力の高さが特徴になっています。

不動産業界でもYouTubeを運用する動きが活発になっており、視聴者が実際に内見しているような臨場感のあるルームツアーの動画が人気になっているようです。

ただし、それだけに高いクオリティの動画制作が求められます。

<TikTok>

こちらも動画に特化したSNSですが、数十秒の短尺であることが特徴です。再生時間が短いため、ユーザーは次々と視聴するため滞在時間が長いという傾向があります。

短時間でインパクトがあり、簡潔に魅力を伝えることのできる動画制作が求められますが、多くのユーザーに表示される可能の高いSNSであり、高い集客力につながるSNSの一つです。

<X(旧Twitter)>

テキストがメインになるSNSです。ツイートした文章に「いいね」や「リツート」が付くことで、多くのユーザーに情報が拡散されます。

この拡散力がXの大きな特徴であり、魅力になっています。

「第1回 お部屋選びのここがポイント」などのお役立ち情報を定期的に投稿することでファンを獲得したり、「いいね」やリツイートしたらプレゼントがもらえたりするキャンペーンを打ち出すのに適したSNSです。

<LINE>

国内で最も利用者数の多いSNSです。会社の「LINE公式アカウント」を作成し、ユーザーに友達追加してもらうことで、来店や内見の予約をスムーズに進めることができます。

事例紹介

ここでは、BESWの「SNSCHOOL」を受講した不動産関連企業様のSNS導入の狙いやその成果などを事例として紹介します。

日本マウント株式会社様

●日本マウント株式会社様は、リゾート地の中古別荘や住宅、昨今人気になっている田舎暮らし向きの住宅の売買・仲介などを主業務としています。

YouTubeの活用に踏み出したきっかけは、ホームページで物件を紹介するためだったそうです。しかし、「台本を用意するでもなく、ただ物件を流しているような感じでした」(同社)とのこと。

そのため用意した研修項目は、YouTubeに関する以下の項目でした。

・チャンネル設計

・投稿コンテンツ作成

・分析方法

・市場調査

・アルゴリズム

・ユーザーコミュニケーション

・投稿オペレーション構築

・投稿添削

その結果、視聴者数が受講前3,202件/月から、受講後4,219件/月へと伸びたとのとのです。

視聴者数が増加した要因として、①競合と比較してサムネイルなどをブラッシュアップできた ②YouTubeの動画投稿から分析までの方法を理解できた──などをあげています。

同社では、「YouTubeで視聴数を伸ばしていくためには、どのような手段が有効か?必要か?というところを理解できました」とスクール受講の感想を持たれていたました。

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株式会社アセットナビ様

●株式会社アセットナビ様は、東京都内の一人暮らし向け賃貸マンションを中心にした物件を取り扱っています。

研修を受ける狙いは、SNSを活用して新規顧客の集客につなげたいということでした。

そこで用意した研修項目が以下になります。

・SNSメディア概要 ビジネス活用法

・運用体制の構築

・自社・競合分析、ペルソナ分析

・運用方針の決定 プロフィール作成

・投稿コンテンツの作成方法

・分析ツール活用、KPI設定

・インプレッション増加施策

・エンゲージメント増加施策

・Twitterアカウントリストの作成

・キャンペーン計画

・リスク対策・炎上対策

・全講義のまとめ・復習

以上のように多岐に渡る研修項目でしたが、その成果は次のとおりでした。

Instagram:受講前の平均ENG率3.8%から受講後は4.1%に上昇。

Twitter:受講前の平均ENG数0.005%から受講後は9.9%に上昇。

※ENGとは、発信したコンテンツに対する「いいね」やコメント、保存などの反応の割合を示す指標。

受講前と受講後の変化について同社では、「一番は投稿の統一感が出てきたことですね。これまではどんな投稿をするかを少し話していた程度だったので、しっかりとペルソナを設定することで、SNSに関する会議の内容も変わりました。その結果として、フォロワー数も伸びたのでよかったです」の感想を述べていました。

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SNSCHOOLの特長

当社では企業の運用力を高めるSNS運用研修サービスとして「SNSCHOOL」を提供しております。
ブランディングから各SNSに合わせたコンテンツ制作やキャンペーン企画まで、幅広くカバーした研修を行っています。

研企業様ごとにカリキュラムをカスタマイズし、運用・コンサル・研修を同時進行で行うので、高い定着率と安心感があります。

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