プロモーション動画をTikTokでバズらせるための方法
SNSを活用したプロモーションにおいて、理解しておくべきキーワードとして「アルゴリズム」があります。
アルゴリズムとは、AIのコンテンツ・アカウント評価システムのことで、どのアカウントのどの投稿を表示し、なにを表示しないかを決定しています。
わかりやすく表現すれば、「動画を拡散するための仕組み」ということになります。
前回の「SNS採用するには? アルゴリズムを理解して採用効果を高める方法」にてInstagramとX(旧Twitter)のアルゴリズムを解説しましたが、今回はTikTokのアルゴリズムにテーマを絞り込んでみましょう。
TikTokを活用したWebマーケティングの魅力
TikTokは、再生時間の短い短尺動画の投稿メディアとして認知され、若い世代から中高年まで幅広い年代層での利用が進んでいます。
TikTokというと概して若者文化のように思われがちですが、昨今のユーザー分析によると20代、30代、40代の利用者が増加し、もともとのボリュームゾーンだった10代に拮抗する勢いにあるとされています。
一因としてあげられるのが、老若男女を問わずにスマホの普及が進んだことです。
スマホの縦型画面で視聴できる15秒から1分程度の短い動画であるため、ちょっとした隙間時間で動画を楽しめることが、TikTokのユーザーが急増した背景にあります。
また、自分から能動的に見たい動画を探しにいかなくとも、AIによるレコメンド機能の発達により、趣味嗜好にマッチした動画を視聴できることもTikTokの特徴になっています。
こうした経緯からTikTokのダウンロード数は、累計で30億を突破したといわれており、企業の製品やサービスを訴求するSNSメディアとして見逃せない存在になっていることはまちがいありません。
ここで企業サイドから見た、TikTokの魅力をまとめてみましょう。
①全世代に訴求できる。
②短尺のため動画をそのまま投稿できる。
③アプリ自体に搭載されているエフェクトや編集機能が充実している。
④動画を視聴しようというユーザーの意識が強く、「いいね・コメント・シェア」などのエンゲージメントが得やすい。
以上、4つの魅力からもうかがえるように、動画投稿のハードルが低いことが導入しやすさにつながっています。
さらに次の2点が、TikTokを活用したSNSマーケティングの大きな魅力といえるでしょう。
①TikTokをビジネス利用している企業が少ない。
・XやInstagramと比較して、TikTokをプロモーションに活用している企業はいまのところ少数派。
・TikTok活用の先発企業として、優位性を享受できる可能性を秘めているといえそうです。
②フォロアーが少なくとも、バズりやすい。
・TikTokの最大の魅力といえるのが、特有のレコメンド機能による「バズりやすさ」です。
・コンテンツの質が高ければ、フォロアー数の多い、少ないにかかわらずバズりやすく、結果として無名の商品やサービスであってもブレイクのきっかけになることが多々あります。
TikTokのこうした特徴を活かし、動画をバズらせるために不可欠なのが、TikTok特有のアルゴリズムを理解することです。
オーディション形式で再生が伸びるTikTokのアルゴリズム
アルゴリズムをひと言で表現すれば、「動画が拡散される仕組み」です。
TikTokの場合、フォロアーが0人であってもバズったり、無名の商品やサービスであってもブレイクしたりするのは、この動画拡散の仕組みがとてもユニークだからです。
どこがユニークなのかというと、YouTubeやX、インスタグラムとの違い、TikTokでは動画がバズるためのチャンスが投稿者に平等に与えられていることです。
というのも、TikTokでは投稿された動画をテスト配信してくれます。
テスト配信で「いいね」や多数のコメントを獲得できたり、視聴完了率が高かったりすれば、動画としての評価が高まり、フォロアー0人からのスタートであってもバズるチャンスをつかむことができるわけです。
イメージとしてわかりやすいのが、オーディションでしょうか。
TikTokでは原則として、どんな動画であってもテスト配信として「おすすめ欄」で再生されるため、100から200の再生数が確保されています。
オーディションの一次審査ともいえるこのテスト配信で高い評価を得ることができれば、二次審査、三次審査へと進むことができます。
そのたびに視聴者が増えて「再生数が伸びる=バズる」ことになるわけです。
ただし、テスト配信の一次審査では、企業がターゲットとしているユーザー層が視聴するとはかぎりません。
TikTokのアルゴリズムに投稿動画の「良さ」を判断してもらうためには、より多くの視聴者に浅く、広く刺さるテーマや切り口での動画制作がポイントになってきます。
企業サイドとしては宣伝色を強く打ち出したプロモーション動画を投稿したいかもしれませんが、15秒から1分程度の短尺にもかかわらず、視聴完了率が低いとアルゴリズムは評価してくれません。
まずは100人の審査員から始まるオーディションで高評価を獲得できる動画制作のポイントをつかみ、フォロアーを獲得しつつ、SNSマーケティングにつなげるといったプロセスが必要になってきます。
たとえば、動画のシリーズ化です。
一例として「美容」というテーマをあげてみましょう。
一本目の動画は、肌の悩みを抱えた女性の日常を描き、二本目で肌トラブルに関するエピソード。三本目で企業が訴求したい「スキンケア商品」と出会い、最後の四本目で思いを寄せていた男性との恋が芽生えて完結。
あくまでもシリーズ化の一例ですが、シンデレラストーリーの起承転結を30秒ずつの動画にまとめることで視聴者からの共感と共鳴を得て、広告宣伝媒体としての訴求効果が高まるようになるでしょう。
動画制作の詳細ポイントは別の機会にご紹介するとして、「美容」に興味や関心のある視聴者に対し、「おすすめ動画」として表示してもらうにはTikTokのアルゴリズムを理解することが大事になってきます。
TikTokのアルゴリズムを攻略する6つのポイント
動画を拡散する仕組みであるアルゴリズム。
TikTokのアルゴリズムには、「加算式アルゴリズム」と「減算式アルゴリズム」があります。
加算式アルゴリズムとは、プラスのポイントを積み上げることで動画の表示順序を上げていく方法になります。
減算式アルゴリズムはその逆で、マイナス評価が増えるとおすすめ動画として表示される機会が激減することになります。
つまり、アルゴリズムから加点してもらえる動画なのか、減点されてしまうのかで、投稿した動画の再生回数にも関わってくる重要な仕組みになります。
フィギュアスケートや体操競技がわかりやすい例になります。
四回転ジャンプやG難度の技が成功すれば加点されますが、転倒したり着地が乱れたりすると減点の対象になります。
減点をなくして、加点を積み重ねることで演技(動画)の評価が高くなるというわけです。
そこで加点されるための重要な指標が、次の6つの指標です。
<加算式アルゴリズムについて>
1,平均視聴時間・視聴維持率
・視聴時間の長い動画は、ユーザーの満足度が高く、人気のある動画と判断されます。この平均時間が長ければ長いほど、アルゴリズムは加点してくれることになります。
・視聴維持率は、動画がどれくらいまで見られているかを表す指標です。
たとえば、60秒の動画が30秒まで再生されたら、視聴維持率は50%と判断されます。
・TikTokのアルゴリズムでは、この視聴維持率が60%を超えるとレコメンド機能によっておすすめ動画になりますので、視聴者に長く見てもらえるような工夫や仕掛けが大事になってきます。
2,視聴完了率
・TikTokのアルゴリズムは、最後まで視聴された動画を高く評価します。
・前記したように視聴維持率は60%を超えるとレコメンドされますが、動画のフル視聴率は30%を超えるとおすすめに表示される可能性が高くなります。
3,複数回再生数
・一人のユーザーが同じ動画を何回再生したのかも、アルゴリズムにとっては重要な指標になります。
・何回も再生するということは、それだけユーザーにとって強い興味と関心のある動画であると判断されます。
4,「いいね」「コメント」「セーブ」などユーザーからの反応
・TikTokのユーザーは、興味を持った動画にしか反応しない傾向にあるといわれています。
・「いいね」「コメント」「セーブ」「フォロー」などのアクションが多い動画は、それだけ人気の高い動画であり、バズる可能性が高い動画だとアルゴリズムから評価されます。
5,動画のシェア回数
・XやInstagramなど他のSNSで動画を共有するシェアも、ユーザーの能動的なアクションであるため、アルゴリズムは高評価を下します。
・シェア数が多ければ多いほど、おすすめ表示がランクアップしますので、シェア回数を増やす動画投稿は重要なポイントになります。
6,ハッシュタグチャレンジへの参加
・企業がプロモーションとしてダイレクトに参加できるのが、ハッシュタグチャレンジ。事前に動画の内容とハッシュタグを主催企業が指定し、それをユーザーが参考にして動画を投稿してもらうことでプロモーションをはかります。
・主催企業が広告費を使って導入するプロモーション広告になるため、アルゴリズムが優遇することになります。
この他にも「プロフィール表示回数」や「タイムリーな投稿・投稿頻度」も、アルゴリズムを攻略するうえで重要な指標に数えられています。
プロフィール表示が多いということは、投稿者に対するユーザーの関心度を示すもの。SNSを活用したマーケティングにおいて、企業に興味を持ってもらうことは不可欠な要素になりますので、投稿者に興味と関心をもらえるような動画制作が大事になってきます。
投稿頻度もアルゴリズムに関わってきますので、週に最低2回、できれば3回以上の投稿が理想とされています。
<減算式アルゴリズムについて>
減算式アルゴリズムは、動画が上位に表示されなくなる仕組みです。
どのようにして減点されるのかというと、視聴維持率や視聴完了率など加算式の指標が満たされないと減算式アルゴリズムが、「視聴者にとって興味のない動画」と判断されます。
また、減算式アルゴリズムは、以下の3つも関係してきますので要注意です。
①動画の尺が長すぎる
・TikTokは短尺動画に特化したSNSになりますので、動画の尺が長すぎると視聴者が途中で再生を中断してしまうとアルゴリズムは判断してしまいます。
・せっかく質の高い動画を制作しても減点されないよう、動画の尺にも注意しましょう。
②TikTokの規約違反とシャドウバン
・SNSでも当然のこと利用するうえでの規約があります。たとえば、性的な表現が入っていたり、著作権などを侵害していたりしているおそれのある動画については、シャドウバンというアカウント制限がかかることがあります。
・意図せずとも規約に抵触し、シャドウバンになることもあり得ますので、おすすめに表示されなかったり、検索されなかったりするときは、運営側に問い合わせて解決することが大事になってきます。
以上がTikTokのアルゴリズムになります。
動画拡散の仕組みを理解することで、製品やサービスのプロモーションの道筋が見えてくるのではないでしょうか。
また、減算式アルゴリズムでSNSの規約違反とシャドウバンに触れましたが、重要な規約をついつい見落としてしまうこともあり得ます。
あるいは、SNS特有のルールを把握していないと、思わぬ落とし穴にハマってしまうことも考えられます。
そうした事態も想定し、SNSに精通した人材の育成もSNSマーケティングを成功させるために必要なファクターの一つといえそうです。
こちらからお気軽にご連絡ください。
2営業日以内に、担当者よりご連絡させていただきます。
(お急ぎの場合は 03-5829-3510 までお電話ください。)